2023/06/01
こんにちは、歯科医師の加藤です。
今回は「歯が残る、残らないのはここが分かれ道」
というテーマでお話ししたいと思います。
歯の残し方は、少しの心配りです。
① 1日に1回しか磨かない又は磨かない
② デンタルフロス又は歯間ブラシをしない
③ 朝、昼だけしか磨かない
④ 同じ歯ブラシを何か月も使っている
⑤ 定期検診に通えてない
など、これらが原因で治療されずにお口の中で虫歯と歯周病が進行して、
最悪の場合、もっと早く治療していれば歯が残ってたかもしれない歯も
残らなくなってしまいます。
つまり、少しの心配りとは「歯磨きの習慣」と
「歯医者さんへの定期検診」なのです。
ひいては、この2つのかかりかたに影響し、
早期に歯が残らなくなるといえるでしょう。
故に、虫歯や歯周病は、生活習慣病の一部なのです。
虫歯や歯周病は、細菌が関係している病気です。
細菌は、単独で単独で虫歯や歯周病を起こすわけではありません。
しかも、虫歯や歯周病の原因となる細菌のほとんどは、
お口の中にある常在菌といってほとんど全ての人の口の中にある細菌ですから、
それらのすべてをお口の中から除去することはできません。
このような、誰にでもお口の中にある細菌が虫歯や歯周病を引き起こすのは、
これらの細菌が歯垢またはプラークと呼ばれる細菌の塊を
歯の表面または歯と歯ぐきの間の溝に中長期的に溜まってしまうときなのです。
虫歯の原因の1つが糖分であることは周知されていると思います。
お口の中では、糖分が多糖体という粘着性の物質に変化、
また糖分を細菌が分解して酸を作ることで歯が溶かされる状態がつづき
唾液による自己修復が出来なくなったときに虫歯になります。
この、細菌と多糖体のネバネバした塊が歯垢またはプラークと呼ばれています。
プラークに覆われた歯の表面は唾液の自己修復が出来ず、
うがいや少々の歯ブラシではプラークは除去されません。
残ったプラークは、
新たなプラークを呼び寄せてまた大きくなる細菌繁殖の温床となります。
歯周病は、同じプラークの影響で別の細菌が歯と歯ぐきの隙間に入り込みあるいは、
歯ぐきの中に入り込み、歯を支えている周りの骨を少しずつ溶かしていく病気です。
したがって、虫歯と同様に歯周病もプラークが主な原因である
といっても過言ではないのです。
お口の中の細菌をなくすこと、
プラークをつくる食べ物をとるのをやめることも不可能です。
とすれば、プラークが作られるのを防ぎ、
一旦できたプラークを出来るだけ早く取り除くことが必要になってきます。
そのためには、誰にでもできる歯磨きとフロス、歯間ブラシが大切なのです。
また、お口の環境に応じて細かなメンテナンスをするためにも
歯科の定期検診に出来る限りいらしてください。ご来院お待ちしております。
2023/05/25
こんにちは、歯科医師の久貝です。
みなさん、甘いお菓子、飲み物は好きですか?
僕は大好きです。
幸せを感じませんか?
疲れた時に接種するあま~~~い幸せ♪
仕事の後のお菓子
夜中にコッソリと食べる甘い幸福・・・
たまりません。
疲れが一気に吹き飛んでいくのと、背徳感を感じます。
それと同時に、虫歯の危機感も
ヒシヒシと感じますね・・・ヤバいっす・・・
虫歯にならないように、皆さんも検診に来ていますが、
口腔内を見ていて頻繁に見るのが、
「脱灰」と呼ばれる状態ですが、聞いたことあります?
酸によって歯の成分であるハイドロキシアパタイト
(リン酸カルシウムの結晶)が溶かされる現象が「脱灰」です。
虫歯の原因となる細菌は、
食物に含まれる糖を分解して酸を作ります。
歯が溶けて虫歯になるのは
細菌が生成したこの酸が原因というわけです。
では、食事のたびに歯は溶かされ続けてしまうのでしょうか?
実は溶かされた歯は唾液の作用で「再石灰化」するのです。
歯が脱灰されても唾液の作用によって
酸が中和され歯の表面は元の状態に戻ります。
これを「再石灰化」といい、この現象によって
歯が溶かされ続けてしまうことが防がれているのです。
食事中の脱灰は誰の口腔内でも起こっている現象であり、
「虫歯になりやすいひと」と「虫歯になりにくいひと」
の差は再石灰化がしっかり行われているかどうかなのです。
口腔内には無数の細菌がひそんでおり、
その数は歯の表面に付着した歯垢(プラーク)1mgの中でさえ
約2~3億の細菌が生息しているといわれています。
この中には虫歯の原因菌である
「ミュータンス菌」「ラクトバチラス菌」も含まれており、
この菌の生息割合が高いほど
虫歯になりやすい口腔内であるといえます。
また口腔内は、通常「中性」に保たれていますが
食事をとることで「酸性」に変化したり、
唾液の作用で中性に戻ったりします。
口腔内は常に脱灰と再石灰化を繰り返していて、
虫歯は何らかの原因によってこのサイクルが
乱れた時にできるのです。
ですから、脱灰と再石灰化のサイクルとそれを乱す
原因を知っておくことは「虫歯になりにくい口腔内」を
得るうえでとても重要なことなのです。
通常私たちの口腔内は唾液によって中性に保たれています。
しかし、食事をすることで、食後20分ほどで
口腔内細菌の活動により、一気に酸性に傾きます。
口腔内が酸性になると、脱灰が始まりますが、
その後唾液の中和作用によって口腔内はもとの
中性の状態に戻りますので、再石灰化することになります。
虫歯菌のエサとなる糖分の多い飲食物を摂取したり、
酸性の飲食物(酸っぱいものや炭酸飲料水など)を
摂取したりすると、大きく酸性に傾きます。
より強い酸で溶かされた歯は、脱灰の程度が大きいので、
しっかりと再石灰化するまでにも時間がかかります。
再石灰化にかかる時間は、脱灰の程度によって
ばらつきがありますが、大体30~40分が目安となりますので、
この間に再度飲食物(お茶や水など糖分の含まれない飲食物は除く)
を摂取しないように注意しましょう。
アドバイスとしては、まずは、食生活を改善し
食事をするときには時間をしっかり決めて
「だらだら食い」や「頻繁な間食」は自粛しましょう。
食後の歯ブラシは口腔内を中性にする手助けになりますから
しっかりおこなうようにこころがけましょう。
また、定期的な検診にて
虫歯の早期発見をするようにしましょう。
何か不安な点があれば、
タニダ歯科の検診にてお気軽にご質問ください。
2023/05/22
こんにちは。院長の谷田です。
5月5日は端午の節句でした。
ちまきや柏餅など、もちもちした食べものを口にする機会があったのではないでしょうか。
歯にくっつくものを食べるときは、つめものやかぶせものが取れやすくなります。
食事中、お口の中に違和感を見つけたら、慌てず歯科医院までご相談ください。
お口の違和感といえば、「むし歯ではないのに、ちょっとした刺激で歯がしみる」経験をしたことはありませんか?
もしかしたらその症状は、知覚過敏症かもしれません。
先日、当院は知覚過敏症について学ぶ機会がありました。
講師は、「グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケアジャパン株式会社」の方です。
内容は、知覚過敏症に関する最新の知見と、歯みがき粉・シュミテクトについての情報でした。
当院ではこの講演への参加を自由としていましたが、多数のスタッフが自主的に聴講しており、嬉しかったです。改めて、当院のスタッフの意識の高さを認識いたしました。
これからジワジワと暑くなってくると、アイスクリームやスイカなどを食べる機会が増えてくると思います。
甘いものや冷たいものを食べたとき、歯がしみたり痛くなったりしたら、我慢せず当院までご連絡ください。
スタッフ一同で治療のサポートをさせていただきます。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2023/05/18
こんにちは。訪問歯科医師の村山です。皆様、かわいいでしょう。
こちらの「うめちゃん」は私が在宅診療で拝見する患者様の大切な家族です。
2020年6月から診療を開始し今日まで訪問するたびに玄関で、
うめちゃんスマイルをみせて迎えてくれます。
患者様は高齢の女性で定期的な口腔ケアと、必要に応じて入れ歯の調整を行っていました。
今年に入り、どうしても調整では効かないほど入れ歯が合わず新しく作り直したところです。
治療の道具を持ち込み入れ歯作りの診療中も患者様の横でご家族様と一緒に見守ってくれます。
治療に時間がかかると途中で眠ってしまうこともありますが、
たいていはかわいい瞳でこちらを見てくれており、患者様ご本人も「かわいいね」と
大変な治療を受けて下さった後でも笑顔でうめちゃんに声をかけられます。
うめちゃんの家ではいつも穏やかな、優しい時間が流れています。
新しい入れ歯を装着した次の診療日には「痛みはなかったか、入れ歯が擦れて歯ぐきに傷はないものか」と
緊張して訪問しましたが「入れ歯があっているのか、少しお餅を入れたおぜんざいを召し上がりましたよ。」と
ご家族様が教えて下さり、調整はせずに診療を終えられ、今後は定期健診で伺うことになりました。
※写真使用を快諾して下さり感謝申し上げます。ありがとうございます。
さて、4月になると訪問先の施設様でも異動がある様です。
私がある施設を担当する事になり訪問を始めてすぐの頃「異常な歯ぐきの腫れ」がある患者様がいらっしゃり、
すぐに歯科口腔外科へ紹介しました。結果は歯肉癌。
ご家族様は年齢を考慮され治療は望まれず、そのまま施設でこれまで通り過ごされることになりました。
時が経つにつれ腫れは大きく広がり、痛みや出血も伴い食事しづらくなってきます。
その時、施設長様より「何とか食べられそうな物、食べやすい物はないですか。少しでも食べてほしい。」と
問い合わせのお電話があったのです。
ご家族様へは私から差し入れしていただきたい食べ物についてお電話しましたが
「施設長さんから既に聞いており次の面会で持参します。安心してお任せしています。」とお返事がありました。
残念ながらのちにこの患者様はご逝去されましたが、共に病と闘って下さった施設長様、介護士の方々の力は
本当に大きなものだと実感しました。
訪問診療で拝見するよりも当然ながら長い時間を共に過ごされるからこそ気付いて下さる事も多いのです。
この施設長様は今回、施設異動により一緒に仕事をする事はなくなってしまいました。
訪問の際には診療しやすい様にご配慮下さり、大変お世話になり感謝しています。
高齢社会となり日々の生活で介助を要する方が増えました。
医療提供の立場からしますとご本人様だけでなく、ご家族様や介護士の方等、
いつも一緒にいる方からの情報も大変重要となります。
どんな小さな変化や、歯科とは関係がないと思われる事でもどうぞ教えて下さい。