2022年11月:タニダ歯科医院ブログ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

12月休診日情報

健康管理

こんにちは。訪問歯科医師の村山です。

皆様は普段よりお口のみならず全身の健康管理に留意し
生活なさっているでしょうか。
健康管理とは「疾病を予防し、健康を保持・増進するという目的を
達成するための1つのプロセス」であり、
それには疾病がないときの健康の保持・増進と、
疾病発症後の健康破綻からの回復という2つの側面があります。

・セルフケアとプロフェッショナルケア
自らの健康を個々人が守る(セルフケア)事ができれば
それに越したことはありませんが個人の努力だけでは困難な場合も多く、
自身が居住する自治体や地域集団の手助けも必要であり
ヘルスプロモーション(健康増進)という考え方もあります。
この過程においては専門的立場からの支援(プロフェッショナルケア)が欠かせません。

・地域での生涯を通じた健康管理
1.健康の自己管理(セルフケア、セルフコントロール)
2.家庭における健康管理(家族による生活環境のコントロール)
3.集団の健康管理(学校保健活動、母子保健教室等、学童・生徒の健康の把握、
定期健康診断等、成人病検診または職場での定期健康診断等、
老人の健康づくり等)

・健康管理の専門職
医療がかつての治療のみに偏っていた時代ではなく、
予防的なものからリハビリテーション、福祉までを含む
包括的なものへと移ってきており、そのために様々な保健医療関係の専門家が
一定の専門的教育や訓練を受け、それぞれの免許、身分を社会的に与えられ、
一定の保健医療制度のもとで包括的な健康管理を行うようになりました。
また社会的にハンディをもつ障がい者や高齢者にも注目するようになり、
福祉関連職種との連携も大切になってきました。

・健康教育と健康相談
健康教育とは、個人と集団が健康を保持・増進し、あるいは回復することを学び、
健康に対する価値意識を高めていく過程です。
それには健康な生活が営まれるように様々な健康に関する知識を与え、
問題に着目させ、健康を指向して行動するように働きかけることであり、
健康管理活動の主要な一分野となります。
すなわち健康教育とは人々の知識、態度、行動に対する働きかけであると同時に、
健康教育は人間教育であるとも言えるでしょう。
そして健康相談では、健康に関する不安や疑問などについて助言・指導し、
それを解決することを目的としています。

文字にすると「健康でいること」が大変なことに感じられるかもしれませんが、
大切なのはいかに疾病を予防し生活するか。
気になる事は健康診断の受診はもちろん、健康相談や知識を増やすために講演等にも興味を持つ。
病が起これば適切に対応する。これらが基本的な健康に対する営みです。
気になる事を放置せず積極的な健康行動を起こしてみましょう。

 

歯周組織再生療法(エムドゲイン)

こんにちは。院長の谷田です。

 

今回は歯周組織再生療法(エムドゲイン)の症例です。
歯周病等で一度喪失した骨は基本的には回復するのはかなり厳しいものがあります。
しかし条件が整えば元に近い状態まで回復させることも歯科医学の進歩によって可能になりました。

 

 

掲載している症例では歯を支えている骨(赤色丸)がかなり喪失しています。歯の動揺もあります。

 

 

 

緑色丸はオペ直後の状態です。
将来骨を誘導する生物学的細胞と他家骨を歯肉の中に入れています。

 

 

 

オペ後3か月の状態が青色丸のレントゲン写真です。
ほぼ元の骨のレベルまで回復しており、動揺も消失しています。
諸所の条件さえ整えば骨(歯槽骨)の回復も望めるようになりました。
 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
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子供の虫歯の発生、その仕組み、予防法

こんにちは。歯科医師の森岡です。

今回は子供の虫歯の発生、その仕組み、また予防法についてお話します。

最初に、3歳までに子供を虫歯菌から守るとその子は一生虫歯にならないかもしれません。

そもそも虫歯は再発が多く、

一度虫歯になってしまうと何度も治療を繰り返さないといけなくなるかもしれません。

そうなってしまうと歯の寿命も短くなり本当に注意が必要です。

今回のブログでお子さんを虫歯から守るために

子供の虫歯についてしっかり知ってください。

 

虫歯予防において歯磨きはすごく大切ですが、それより前にできることがあります。

まずは虫歯の成り立ちについてお話します。

虫歯というのは歯と糖質(虫歯菌のエサですね)、虫歯菌と時間、

この4つの要因が重なると虫歯になると言われています。

つまりこの4つのうち1つが足りなくなっても虫歯はできません。

例えば歯にただ糖質が付着し続けていてもそこに虫歯はできません。

そこに虫歯菌がいて歯を溶かすことで虫歯になってしまうのです。

また糖質が1秒くっついただけでは虫歯はできません。

先述した通りこの4つのうちどれか1つを防ぎことで虫歯は予防できるのです。

 

次に虫歯菌はどこからやってくるのでしょう。

これは皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、

周囲の大人や虫歯菌を保有している兄姉などから移ります。

その経路としては、

食器の共有や愛情表現のスキンシップである頬擦りやキスなどによって感染します。

 

虫歯菌は硬い組織に潜む傾向にあります。

お子さんのお口の中に虫歯菌が入ってきてもそこに歯がなければ虫歯菌は定着できません。

乳臼歯と言われる乳歯の奥歯が生え始めるのが2歳前後から3歳ぐらいです。

この奥歯に虫歯菌は定着しやすのです。

この時期の虫歯菌の定着が肝で、虫歯の感染の窓と呼ばれる時期となります。

この時に虫歯菌の定着がなければ、一生虫歯になりにくいお口になると考えられています。

 

 

大切なのは最初の虫歯にならないことです。

そのためには家族の虫歯菌を減らす(お家での歯ブラシの徹底と歯医者でのクリーニング)、

食器の共有などはできるだけ控えてください。

1度虫歯になってしまうと虫歯の負のスパイラルに入ってしまうと

結果的には歯を失う原因となってしまうことが多くなります。

虫歯の1番の予防は間違いなく最初の虫歯を作らないことです。

まずはこれを意識してください。

 

ただ3歳以降に虫歯になっていしまったとき、

まだあきらめないでください。

3歳以降では永久歯の萌出までにダラダラ食べの習慣を改善し、

歯のクリーニングやフッ素などで虫歯予防の環境を作っていきましょう。

その環境づくりが永久歯虫歯ゼロにつながっていることは間違いありません。

 

酸蝕症

こんにちは、歯科医師の池田です。

 

今回は「酸蝕症」をご紹介しようと思います。

 

虫歯や歯周病に続く第三の歯の疾患として

「酸蝕症」が最近注目を集めています。

 

虫歯は、食べ物や飲み物に含まれる糖を

虫歯の原因菌が分解することで酸が発生し、

それによって歯が溶ける病気です。

これに対して「酸蝕症」は、酸性の強い食べ物を

摂り続けることや胃酸によって歯が溶けてしまうものです。

つまり、「酸蝕症」は虫歯菌などの原因になる

細菌がいなくても生じるため、丁寧に歯を磨いても

歯が溶けていくという特徴があります。

 

「酸蝕症」の歯の特徴は、

①知覚過敏を起こして冷たいものがしみやすい

②歯全体が丸みを帯びる

③歯の表面のエナメル質が濁って見えたり、内部の象牙質が透けて見えたりする

④前歯の表面がスベスベしてツヤがある

⑤前歯の先端部分が透けており、ヒビが入ったり、欠けたり、ザラついたりする

⑥酸蝕により奥歯のすり減りが加速し、深い溝やへこみがみられる

などがあります。

 

「酸蝕症」の原因は、体内から口の中に酸が出てくる

内因性のもの、酸性度の高い飲食物を口にするなどの

ものの2つに分けられます。
内因性の原因としては、胃食道逆流症や摂食障害

(過食症、拒食嘔吐)、

アルコール依存性などがあります。
また、外因性の原因としては、酸性度の高い飲食物や医薬品、

サプリメントなどの過剰摂取が考えられます。

「酸蝕症」を起こしやすい物は
①みかんやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の果物や

果汁からつくられたジュース、梅干し、サラダドレッシング
②ビタミンCなどを含む酸性のビタミン剤やサプリメント
③アスピリンなどの酸性薬剤
④炭酸飲料、黒酢、栄養ドリンク、ワイン、スポーツ飲料
⑤塩酸や硫酸、硝酸など酸性のガスが発生する工場で働く方々やワインの試飲をされているワインティスターの方々などにもみられます。

 

「酸蝕症」を防ぐためには、
①酸性の飲食物を口にした後は水で口をゆすぐ
②酸性飲食物をだらだら食べたり飲んだりしない
③寝る前には酸性の飲食物を控える

(就寝中は唾液の分泌が少なくなり、口のなかのpHが

中性に戻りにくくなります)
といった対策が必要です。

最近は残存歯の増加があるため、長年の酷使によって

年齢を重ねるほど傷み、酸蝕の影響をうけやすくなっています。
なかでも口が乾きやすいという方は、歯を守る唾液の力が

十分に働かなくなり、「酸蝕症」を発症する可能性が

高くなると考えられます。

「酸蝕症」によって溶けた歯は元には戻りません。
冷たいものなどでしみやすくなったり、

虫歯になりやすくなることもあります。
歯磨き粉の薬用成分などで歯を強くすることもできるため、

気になる方はぜひ相談してくださいね。