口臭-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

口臭

こんにちは、歯科医師の池田です。

 

マスクに自分の口臭がついて気になることはありませんか?

今回は口臭の原因についてお話しをしようと思います。

①口の中が原因

口腔で一番考えられるのは歯周病です。

過去の研究で歯周病と口臭の間には高い相関性があることが知られています。

歯周病の特徴は歯周ポケットができることです。

これは口の中の細菌の格好の住みかを提供します。

細菌の中でも嫌気性菌は代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンを産生します。

これが口臭のもとになります。

舌に汚れが付いている場合もあります。

舌苔と呼ばれていて舌用ブラシで取ることができますが、

磨きすぎると舌がキズつき汚れがつきやすくなり味覚も変わってしまうことがあります。

水分量を増やすことで唾液分泌が増え、舌苔がつきにくくなります。

 

通常、健康な人で一日1~1.5リットルの唾液が分泌されていますが、

その唾液が不足するドライマウスが最近急増しています。

常に口の中が乾燥していると虫歯・歯周病になりやすかったり、

舌の痛み、口臭の原因、物がうまく飲み込めない、口が乾いて話しにくい等、

さまざまな症状を引き起こす原因になります。

 

加齢とともに唾液の分泌は少なくなるとも言われますが、

薬の副作用・糖尿病や腎不全などの全身疾患・ストレス・喫煙

・シェーグレン症候群など複合的な事が考えられます。

薬の副作用、全身疾患、シェーグレン症候についてはまだわからないことも、多いようです。

ストレスをかけると、リラックス時に比べて唾液の分泌が約3割減少するといわれています。

緊張すると、リラックス時とは違う物質が神経から出てきて、唾液を作る細胞にくっつきます。

この物質はリラックスした時に出る物質に比べ、

唾液を作る細胞のなかに水分を取り込む働きが小さい為、

作られる唾液は、少なくネバネバしたものになるのです。

一時的なストレスなら問題ありませんが、ストレスが長期にわたって続くと、

自律神経が失調し唾液の分泌が抑えられてしまうのです。

 

 

②全身の疾患が原因

タンパク質の壊疽臭…呼吸器系(肺癌、肺腫瘍)、

消化器系(胃癌、食道気管)、耳鼻咽喉系(扁桃炎、咽頭膿瘍、咽頭癌)

甘いにおい…咽頭、気管支、肺のカンジダ感染

アセトン臭…糖尿病

アンモニア臭…肝硬変、肝臓癌

魚臭…トリメチルアミン尿症

 

 

③食べ物の口臭が原因

ニンニク、ニラ、ネギ、たくあんなど臭いの強いものを食べたり、

アルコールや喫煙によりいったん体内に取り込まれた臭いの元になる成分が

胃の中で消化され血液を介して全身に循環し肺を経由して吐き出される。

お口をきれいにしても臭うことがある。

 

 

④生理的口臭が原因

朝起床時や空腹時に臭うことがある。ホルモンバランスの不調により口臭を感じるときがある。

 

 

⑤心理的口臭

自分自身で強い臭いがあると思い込む人がいます。

 

 

食べ物の口臭や生理的口臭は、通常そのような臭いは時間の経過と共に減少していきます。

このように、生理的口臭には日内変動がみられますが、

ゼロ(無臭)になるということはありません。

私たち人間は生きている限り、毎日食事をし、

口の中ではさまざまな代謝が行われているので、無臭でいることはありえません。

ですから、あまり神経質になる必要はなく、

他人を不快にさせるような強いにおいがでないように気をつければいいのです。

問題となるのは、病気によって発生する口臭です。

口の中の病気、鼻のどの病気、呼吸器系の病気、

消化器系の病気などが口臭と関連していると考えられていますが、

口の中の原因が口臭全体の90%以上を占めています。

口臭が気になったら、まずは歯科医院で相談してくださいね。

 

 

 

 

 

「歯を守るための力のコントロール Ⅱ」

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ 犬歯誘導とは

 

顎が側方へ滑走運動をするときに、臼歯が離開し側方圧が

かからず臼歯の保存に役立つという考え方をDis-occlusion

という。それを短縮してDisclusionと呼ぶが、

あくまで離すことを主体とした概念である。

現在でも「臼歯を離す」概念として

アンテリアガイダンスを考えることが多いようだが、

本当にそうなのだろうか。

 

修復物を咬合器という機械の上でつくる際に、

犬歯がわずかでも動いたら、臼歯部に離開が生じるように

臼歯の咬頭を作れば(Immediate disclusion即時離開咬合)

干渉が生じにくい安全性のある修復物が容易に作れる。

 

そして犬歯による離開を助けるために、過補償を考える

咬合器の顆路角を実際より10~15%ほどゆるい角度に

設定したり、咬頭の高さを低くすることで、

離開量を多くして干渉から余分に逃げようとした。

安全だが臼歯の咬頭の展開角が低くなり、

咀嚼効率を低下させてしまい

顎位も不安定となり、

側方成分の多いチューイングサイクルをつくり、

臼摩運動を助長し、余計に犬歯に負担をかけてしまう。

 

つまり、単に犬歯を鋭く立ち上げるのではなく、

また臼歯を低くするのでもなく、

両者のバランスが大切なのである。

 

全顎治療のときは、咬合平面、調節彎曲、AODの計算

上下の犬歯関係、咬合平面に対する犬歯の傾斜、

臼歯の咬頭の展開角などの多くの変数を考慮する

単に臼歯を離開させて終了と考えてはならない。

 

◆ AOD Angle of disclusion

 

離開の度合いを表す指標としてAODがある。

AOD=RCI-(CI-OP) という数式で表される。

AODは8~14°で臼歯は適切な離開が得られる。

15°以上では離開が大きく効率が悪い

8°以下では離開が少なく、干渉の可能性がある

0°ではフルバランスで離開しない

 

*RCI Relative condylar inclination … 相対顆路角

SCI(前方顆路角)-OP(咬合平面の角度)=RCI

 

*CI Cusp inclination … 咬頭の傾斜角

 

◆ 為害性のある機械的要素

 

下顎が偏心位に動いて、臼歯に干渉が生じる

「機械的」な要素を考えてみる

 

まずは前方顆路角がゆるい場合。

関節結節がゆるい角度だと、運動時に臼歯が

下がる量が少なく干渉となりやすい。

反対にあまり急角度では咀嚼効率が低下する。

下顎頭の動きに横方向の成分が大きい

(サイドシフトが大きい)場合にも干渉が生じやすい。

歯の位置異常(特に犬歯)、前歯が短い場合

また被蓋が適正でない場合などがあげられるが

これらは幾何学的に計算できるものである。

 

◆ 為害性を生じる生理的要素

 

頭蓋は剛体ではなく、力を加えれば変形し、

骨縫合も力によって容易にズレを示す。

また開口筋は下顎骨の内側に付着しており

大開口を続ければ下顎骨は変形し下顎の幅は狭くなる。

インプラントのオープントレーの印象では

インプレッションコーピングの長さ以上の

大開口で印象材の硬化を待つので、

歯列のアーチが小さい状態の模型ができあがる。

その模型上で上部構造の連結などの作業をしても

よいのだろうか、わずかな歪みではあるが、

解放されない残留応力が何かの悪さを

するかもしれないと悩みはつきない。

 

 

今回の「いただきます」

 

Sinless NO SUGAR Café ティラミスパフェ

(低糖質、LOW GI、グルテンフリー)

 

NYチーズケーキ、タルト・タタンもおすすめ

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

 

 

 

 

知覚過敏

こんにちは、川村です。

12月になり寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、知覚過敏症について書いていきたいと思います。

 

  • 知覚過敏症って何?

象牙質知覚過敏症(Hypersensitive Dentin (Hys))のことで、歯ブラシの毛先が

触れたり、冷たい飲食物、甘いもの、風にあたった時などに歯に感じる一過性の

痛みで、特に齲蝕(虫歯)や歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がない場合にみ

られる症状を言います。

 

 

  • 歯の構造

歯というのは、表面をエナメル質という組織で覆われています。

しかし、エナメル質という組織は歯の全周を覆っているわけではありません。

エナメル質の下には象牙質という組織があります。

この象牙質ですが、エナメル質とは違いがあります。

有機質・無機質の割合、硬度など違いは多数ありますが、今回のことで言えば、

細管の存在です。

象牙質には、象牙細管(象牙質にある細い管)があります。

この象牙細管は歯髄(歯の神経)の所までつながっています。

つまり、この象牙細管に刺激が伝わってしまうと神経が感じてしまいしみてしま

うのです。

ちなみに、エナメル質には細管はありません。

通常、象牙質はエナメル質に覆われているので、こうした痛みを感じることはあ

りませんが、極端に冷たいものなどではエナメル質の上からでも温度が内部の象

牙質に伝わって、歯が痛みを感じることもあります。

しかし、様々な理由で象牙質が露出すると、刺激が神経に伝達されやすくなり、

知覚過敏が生じるようになります。

象牙質が内部の神経にまで刺激を伝えるのは、象牙質の中にある無数の小さな管

状の構造物があることによります。

この小さな空隙は加齢などにより、少しずつ塞がってくることもあります。

このような場合には知覚過敏は起きません。

したがって象牙質が露出している時には必ず知覚過敏が起きるということではあ

りません。

歯肉が退縮して歯が長く見えてしまった高齢の方全員が、しみる症状があるかと

いうと・・・、ないですよね。

 

 

  • 象牙質が露出する原因

1.歯肉退縮

歯肉の位置は加齢とともに少しずつ下がってきます。

それに伴って歯根が露出し、象牙質がむき出しの状態になります。

このような象牙質表面では、歯ブラシが触れたり、温度変化などの刺激で痛みを

感じることがあります。

持続時間は長くても1分以内で、時間が経てば痛みは消失します。

歯の表面に歯石がたくさん付いているような場合、それを取り除いた時にも同様

の状態となり、歯石をとっている時にも器具が象牙質表面に触れたり、水をかけ

て処置をするので、知覚過敏と同様の痛みを感じることがあります。

 

2.破折

歯が破折してしまい象牙質が露出することがあります。

破折時には、残っている歯に亀裂が入っていることもあります。

亀裂の状態にもよりますが、歯の神経の部分にまで細菌が侵入して炎症を起こす

こともあります。

 

3.摩耗、酸蝕症による象牙質露出

摩耗、酸蝕によりエナメル質がなくなると象牙質が露出します。

すり減り具合により症状が出る場合があります。

 

 

  • 治療

1.知覚過敏用歯磨きの使用

歯の神経の周囲をカリウムイオン(K+)が多く取り巻いていると神経の細胞が興

奮しにくくなるということを利用し、硝酸カリウムという成分を配合した歯磨き

剤を継続使用していきます。

 

2.知覚過敏抑制剤の塗布

露出した象牙質の内部の小さな空隙を、歯と同じような成分の結晶や、その他

様々な物質で封鎖することで、歯の神経への刺激の伝達が遮断されて伝わりにく

くなります。

 

3.露出した象牙質の被覆

知覚過敏のある象牙質表面を樹脂やセメントで被覆します。

 

4.抜髄

知覚過敏は一過性の痛みですが、痛みの持続時間が比較的長いような場合や、

その痛みが非常に激しい場合には、歯の神経を取ることもあります。

 

 

もちろん虫歯が原因で歯がしみることはあります。

気になる方は早めに診てもらいましょう

「タバコと歯科の恐ろしい関係〜①」

こんにちは。歯科医師の村重です。

季節もそろそろ秋から冬へと移り変わり、肌寒くなってきました。

今年は新型コロナウイルスの影響であまり季節感を感じるタイミングもないですが、

インフルエンザも増えてくる時期ですので、より一層体調にはお気をつけください。

ところで、皆さんはタバコと歯科の関係についてご存知でしょうか。

タバコは害だ、タバコは身体に良くない、ということは、誰でも知っていますし、

喫煙者も含めて、誰もが認識していることと思います。

しかし、本当のことを理解する必要があります。

タバコの煙の中には、約4,000種類の化学物質が含まれ、

そのうちの約200種類が有害物質で、発がん物質が約70種類と言われていています。

さらに、タバコは、喫煙者だけの問題ではなく、

タバコから吸い込んだ主流煙を喫煙者が吐き出す呼出煙と副流煙からなる受動喫煙により

不特定多数の健康までにも悪影響を与える点、

さらに「タバコを消した後にも残っている煙による汚染、

残留タバコ成分による健康被害、三次喫煙による健康被害」までも留意する必要があります。

 

今までは、タバコは嗜好品で、喫煙は単なる習慣で、

本人の「意思」の間題であるとみなされていました。

しかし、現在では、タバコが止められないのは、

心理的依存とニコチン(依存性薬物)に対する身体的依存(ニコチン依存)より成り立つ

「ニコチン依存症(薬物依存症の一つ)」という精神疾患として認識されています。

医科では、このニコチン依存症に対して、

合同9学会による禁煙ガイドライン(200512月発表)に基づく禁煙治療が

2006年4月より一定の条件を満たした医療機関では保険診療可能となっています。

すなわち、タバコを吸うことは病気、

「ニコチン依存症とその関連疾患からなる喫煙病」という全身の病気で、

「喫煙者は積極的禁煙治療を必要とする患者」という考え方が基本になります。

タバコの煙が最初に通過するお口(口腔)は、

喫煙の悪影響が最初に貯留する器官になります。

すなわち、お口(口腔)に貯留、通過する煙による直接的影響と血液を介した間接的影響の双方が関わります。
タバコの煙の影響は、歯肉や口腔粘膜の上皮の厚さやその直下の粘膜下組織に分布する血管の分布度に依存します。

一般的に、歯肉は硬く角化し、口腔粘膜の上皮は、口腔底、舌の下、口唇、

歯槽粘膜(歯肉の下の部分)で薄く、硬口蓋(上顎内側)や舌背(舌の側面)で厚くなっています。

特に、口腔底粘膜は、物質透過性が高く、薬剤の迅速な吸収を期待して、

薬剤の舌下錠が使用されていることから、タバコの煙の影響を受けやすいことになります。
次回は、タバコが与える歯周組織(歯茎や歯を支える骨など)への影響について詳しく紹介したいと思います。

 

認知症と歯周病

こんにちは。

歯科医師の今泉です。

寒い季節に突入しましたね。

最近歯周病と認知症についての研究結果が発表されました。

以下記事を参照します。

 

歯周病菌が体内に侵入し、認知症の原因物質が脳に蓄積して記憶障害が起きる仕組みを

九州大などの研究チームが解明した。歯周病と認知症の関連は近年注目を集めており、

認知症対策につながる発見という。

認知症の7割を占めるアルツハイマー病は、

「アミロイドベータ()」などの異常なたんぱく質が長年、少しずつ脳に蓄積し、

発症や症状の進行につながるとされる。

 

 近年、歯周病の原因菌やその毒素が血管を通じて体内に侵入することで、

が体内でつくられ、脳に蓄積することが解明されてきたが、

蓄積の仕組みは詳しく分かっていなかった。

 

 九大や北京理工大(中国)などの研究チームは、マウスの腹の内部に3週間、

歯周病菌を直接投与して感染させ、正常なマウスと比較した。

 

 その結果、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、

を脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質の数が約2倍に増えていた。

脳細胞へのの蓄積量も10倍に増えた。

 

 暗い部屋に入れば電気ショックを受けることを学ばせた記憶実験では、

正常なマウスは5分間、明るい部屋にとどまり続けたが、

感染マウスは約3分で暗い部屋に入ってしまい、記憶力低下が裏付けられた。

 

 一方、を運ぶ受容体の働きを阻害する薬剤を使えば、

感染した細胞内を通るの量を4割減らせることも確認できたという。

 

 チームの武洲(たけひろ)・九大准教授(脳神経科学)は「歯周病菌が、

異常なたんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまうことが明らかになった。

歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性がある」と話す。

とあり、歯周治療の重要性がわかります。

歯周病は認知症だけではなく、糖尿病の悪化や全身疾患への影響も報告が上がっております。

歯周病検査治療は是非タニダ歯科へ!!