口角炎と口唇ヘルペス-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

口角炎と口唇ヘルペス

こんにちは、歯科医師の池田です。

 

今回は疲れやストレスなどで起きやすい口唇の病気を紹介しようと思います。

 

一度はなったことがあると思いますが、「口角炎」という炎症が起きます。

口角炎とは口角(唇の端)に炎症が起こり、赤く腫れる、皮がむけるなどの症状が現れる病気です。

片側の口角に生じる場合と、両側の口角に生じる場合があります。

軽度であればかゆみ程度の症状ですが、

症状が強くなると口角が裂けてかさぶたができ、痛みを感じることもあります。

口角炎はこのような口角の炎症の総称であるため

特定の医学的な病名を指すものではありません。

 

口角炎の主な原因には、乾燥、口角への機械的な刺激(義歯やかみ合わせなど)、

細菌、真菌、ウイルスなどの感染、栄養不足、アレルギーなどがあります。

また、口唇をなめたり触ったりするくせは口唇の乾燥や刺激を引き起こし、

口角炎を引き起こしやすくします。

口唇が乾燥した際、口唇をなめると逆に乾燥し荒れてしまい、症状がひどくなる場合があります。

口角炎の主な症状は、口角の赤い腫れ、びらん(皮がむけること)、裂傷、かさぶたなどです。

軽症の場合はかゆみ程度の症状で済みますが、症状が強いと強い痛みを感じることもあります。

 

口角炎の治療法は原因によって異なります。

休息や生活習慣の改善、市販薬の使用などのセルフケアで症状が改善することも多いですが、

症状がなかなか改善しない場合や、再発を繰り返す場合には皮膚科、

歯科口腔外科の専門医による診断や治療が必要になることがあります。

 

セルフケアは乾燥や皮膚への刺激、アレルギーなどが口角炎の原因になっている場合は、

その原因を取り除きます。

その後は、辛いものなど口角炎への刺激となる食品を取らないようにしたり、

かさぶたを刺激しないようにしたりして患部の安静を保ちます。

また、清潔を保つために適度の洗浄を行います。

口唇の乾燥が原因のため、必要に応じてワセリンなどで病変を保護したり、

口角炎に効能・効果がある市販薬を使用したりすることも有効です。

口角炎は乾燥、栄養不足、ストレスや疲労、

紫外線などのさまざまな原因によって引き起こされることがあります。

これらを改善するような生活習慣を心がけ、

唇をなめたり触ったりするくせがある場合は意識して改善すると口角炎の予防になります。

 

なかなかよくならない口角炎は何らかのアレルギーや、

内科的な病気が原因になっていることもあります。

その場合は原因を知るためにも、早めに医療機関の受診をおすすめします。

口角炎に似たような症状を起こす、口唇ヘルペスもあります。

 

口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスが原因となり、

口唇やその周辺の皮膚に小さな水疱(水ぶくれ)が生じる病気です。

単純ヘルペスウイルスに一度感染すると、一生涯体の中に潜伏し続けると考えられており、

風邪やストレスなどの刺激をきっかけとしてウイルスが再活性化すると、

繰り返し口唇ヘルペスの症状を引き起こします。

 

 

口唇ヘルペスの原因は口唇ヘルペスの症状があるときは、

唾液や水疱の中にウイルスが大量に含まれていることがあり、

周囲の人に感染が拡大することもあります。

また、無症候性排泄といって、

口唇ヘルペスの症状がまったくないときにもウイルスが唾液に含まれていることもあります。

 

口唇ヘルペスによる皮膚症状は、時間経過に応じて変化します。

見た目では水疱が分からない初期の段階であっても、

ぴりぴりした感じやかゆみ、熱感といった感覚を唇の周辺に感じることがあります。

これを前駆症状といいます。

前駆症状の数日後に、小さな水疱が口唇周囲に出現します。

水疱は唇と皮膚の境目周辺に見られることが多く、

それぞれが融合して大きくなることもあります。

また、口唇周辺にとどまることなく、鼻や頬部の皮膚に水疱が生じることもあります。

時間が経過すると水疱が破れ、最終的にかさぶたが形成されます。

 

口唇ヘルペスの治療法は、抗ヘルペスウイルス薬が使用されます。

抗ヘルペスウイルス薬には飲み薬、軟膏など多種類あります。

口唇ヘルペスは発症早期から治療を開始したほうが、

早期に症状が軽くなることが期待できます。

 

口唇ヘルペスの予防法は口角炎と同じく、疲労、風邪、

ストレスなどの免疫機能の低下により再発することが多いです。

ストレスを感じたら無理をせずゆっくり休む時間を取り、

不規則な生活にならないように心がけることが大切です。

歯を守るための力のコントロール Ⅸ

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ 主機能部位

 

食物を粉砕・細分化して嚥下可能な食塊を形成する一連の

咀嚼運動のなかで、咬合面は特に食物粉砕時に重要な役割を

演じている。この食物の粉砕が歯列上のどこで、どのように

行われているのかを知ることは機能的な咬合面形態を追求する

ための第一歩である。

そこで、歯列上での食物の粉砕部位を明らかにするために、

さまざまな試験食品で検討したところ、噛みしめ部位は

繰り返し試行しても1カ所に集中することが多く、この部位は

食物を噛みやすく、咀嚼時には中心的な役割を果たしているで

あろうと考えられ「主機能部位」とよばれる。主機能部位は

嗜好側(習慣性咀嚼側)とは違って、その顎側で最も噛みやすい

部位という意味から左右両側に求められる。

 

◆ 主機能部位の歯列内での分布

 

主機能部位の分布状況を調査した結果、

主機能部位は全被験側の67%で1カ所に集中し、

その部位は近遠心的には上下顎第一大臼歯間が55%と最も多く、

頬舌的には上顎臼歯の口蓋側咬頭内斜面と下顎臼歯の頬側咬頭内斜面

が88%と最も多かった。すなわち、主機能部位の多くが第一大臼歯

の機能咬頭間に存在していたということになる。

この要因として、ヒトの咬合の成立過程で、第一大臼歯の萌出後に

始まる乳歯から永久歯への交換期に、第一大臼歯には孤軍奮闘しながら

咀嚼機能の大半を担う期間があって、このときに獲得した主機能部位を

第一大臼歯が後方歯の萌出後も長年にわたって維持し続けた結果と考え

られる。また主機能部位が第一大臼歯以外の部位となることの要因

を考察すると、第一大臼歯の機能咬頭間の緊密な咬合が欠如していた。

 

 

 

乳臼歯の脱落によって第一大臼歯が咀嚼機能の大半を担う期間がある。

 

◆ 食片圧入と主機能部位の移動

 

食片圧入を主訴とする症例のなかには、従来からその原因として

あげられてきた歯間部にかかわる問題点がみあたらない症例がある

そのような症例の主機能部位を診査すると、第一大臼歯部での

咬頭嵌合位における緊密な咬合が欠如し、主機能部位がより緊密に

咬合する部位を求めて歯間部となり食片圧入を惹起したケースが

みられる。そこで食片圧入部とは直接にかかわりのない、従来は

食片圧入の原因とはされていなかった第一大臼歯部の機能咬頭

内斜面に緊密な咬合を回復したところ、主機能部は改善部に移動し

食片圧入は起こらなくなった。また多くの症例における食片圧入

改善時の主機能部位の移動量の平均は5mm前後で、この1咬頭

相当のわずかな主機能部位の移動で食片圧入が防げたことは、

咀嚼時には主機能部位が常に中心的役割をもつことを示唆する。

 

◆ 主機能部位と咬合接触

 

食片圧入の改善症例において咬合関係改善当日に起こっている

ことから、成人における主機能部位は、咀嚼を繰り返すうちに

噛みやすい部位を探し求めた結果として獲得されるものではなく、

咬頭嵌合位での噛みしめ時の咬合接触による咬合力の変化に対して

歯根膜受容器などが敏感に瞬時に反応して定まってくるものと

考えられる。第一大臼歯が主機能部位となるためには、まず、

主機能部位にふさわしい部位であることを顎口腔系に伝えるため

の適切な咬合接触が必要となる。これは噛みしめ時に咬合平面に

垂直な方向へ咬合力が加わるような咬合接触で通常では直径3mm

程度の範囲に保持する。

咀嚼効率を優先すれば、緊密な咬合は広い面積でしっかりと咬合

していることが望ましいが、第一大臼歯部の負担能力に不安がある

場合には、咀嚼効率を犠牲にしても、咬頭頂付近のややなだらかな

斜面に狭い面積で緊密な咬合を付与し、考え得る障害を回避する。

 

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

「先生、痛いのはそこじゃないんです」は勘違い?

 

こんにちは。院長の谷田です。
日本の夏といえば
やはりお祭りや花火といった風物詩ですね。

 

その花火が、
実はヨーロッパ生まれということは
ご存じでしょうか?

 

中国で発明された火薬がヨーロッパに渡り、

来日していた英国人によって徳川家康に披露された、
というのが、日本における花火の発祥のようです。

 

日本の風物詩というイメージが強い花火ですが、
その生まれが海外というのは少し意外かもしれませんね。

 

 

ところで、「歯の治療に関する意外」 といえば
「痛い!と思っていた歯が実は別の歯だった」
ということが珍しくありません。

 

 

「自分の身体のことは
自分が一番よくわかる」

 

と言う方もいらっしゃいますが、
実は人間の身体は勘違いを起こしやすいのです。

 

 

では、なぜそうした「勘違い」を
起こしてしまうのでしょうか?

 

 

 

 

◆「歯の痛み」の通り道『三叉神経』

 

「歯の痛み」を脳に伝える役割は、
顔の左右にある
『三叉神経(さんさしんけい)』
という「脳神経」が担っています。

 

 

 

脳から伸びた三叉神経は、
おでこから頬、あごのあたりまで、
大きく分けて3つのエリアに分かれて繋がっており、

顔に「どんなものが触れた」か、
それが「冷たい」か「温かい」か、

といった、
「顔の感覚」を脳に伝える働き
をしています。

 

 

そして、この三叉神経はお口の中にも繋がっているため、
歯の痛みもこの神経を通じて脳に届きます。

 

 

 

 

◆間違えやすいワケ

 

とある実験では、歯に触れて
「いま、どの歯に触れたか」
という質問をしてみたところ、
奥歯に近づくにつれて正解率が下がった、
という結果があります。

 

 

これは、お口などに繋がっている三叉神経が、
脳に近づくにつれて一本の神経になるためです。

 

 

「痛み」をはじめ、「歯に生じた感覚」は信号となり、
三叉神経を通して脳まで伝わります。

 

しかし、
その『信号』が
『脳に続く一本道』に到達した際、

「お口の辺り」から来たのはわかるけど、
細かい場所までは覚えていない状態

になってしまうことがあります。

これが、『痛みの勘違いの正体』です。

 

 

 

「歯の痛みの勘違い」で特に多いのが、
痛いと思っていた隣の歯が原因だった」
というケースです。

 

また、隣り合った歯だけではなく、
「上の歯が痛いと思ったら下の歯が原因だった」
という場合や、さらには

「歯だと思ったら、鼻の炎症が原因だった」
「目の周りの神経が原因だった」など、
一見するとお口から遠い場所でも
痛みの勘違いが発生することもあります。

 

 

このように「痛みの原因の特定」
皆さんご自身では非常に困難なこともありますので、
何か痛みを感じたら早めに受診してください。

 

 

 

 

 

また、痛みの勘違いにより
「痛くないところを削られた!」
と思い込んでしまう方がまれにいらっしゃいますが
そのようなことは、まずあり得ません。

 

 

ご不安な場合は、遠慮せずにご質問いただければ
必ずお答えさせていただきます
ので、
いつでもお声がけください。

 

 

そして、日頃から検診などを受けて、
削らなくても済むように
歯を大切にしてくださいね!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
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味覚

歯科医師の川村です。

人間には、五感というものがあります。

五感とは、動物やヒトが外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、古来の

分類による5種類、すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を指します。

この五感という分類の仕方は、もともとは古代ギリシャのアリストテレスによる

分類に端を発しているようです。

 

今回はその中にある、味覚に関して書こうと思います。

 

<1> 味覚の種類

ヒトの味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の「五大基本味」があります。

その中でうま味に関しては、日本人が発見したと言われています。

昆布の煮汁からグルタミン酸を発見して「うま味」と名付け、特許登録されまし

た。

世界的にも「UMAMI」として知られています。

 

<2> 味覚を感じるところ

味覚という大役は、舌の表面の味蕾がその役の大部分を担っています。

味蕾の数は、乳児期には約1万個。頬の内側や唇にも味蕾が存在しています。

それに対して、成人になると7,500個ほどに減少してしまうと言われています。

赤ちゃんは大人よりも微妙な味の違いが感じやすい、ということになります。

ほんの少しの異物も体の中に入れないよう、赤ちゃんに備わった力なのかもしれ

ません。

味蕾という組織は、舌の中にある舌乳頭と呼ばれる所に存在します。

口を大きく開けて舌を見てみます。

舌の表面、舌背があります。

舌には溝があり、細かい点があります。

この点は茸状乳頭、糸状乳頭です。

更に大口を開けて舌の奥をみますと、ドーム型の膨らみがみられます。

有郭乳頭で7から12個ぐらい並んでいます。

舌側縁の奥には一見ポリープのような凸凹があります。これが葉状乳頭です。

舌の中には、以上4つの乳頭が存在します。

ただ、その中で1つ、糸状乳頭には味蕾が存在しません。

 

<3> 味覚の働き

①食べ物の味を感じ、食欲を刺激する。

②食べ物の味を弁別し、危険なものを食べないようにする。

③唾液を分泌させる。

④消化液の分泌を促し、消化を促進する。

⑤生体に必要な成分を含んだ食べ物を選択して摂取することを助ける。

 

<4> 味覚が感じにくくなる

舌の前2/3:顔面神経(鼓索神経)

舌の後1/3:舌咽神経

軟口蓋:大錐体神経

という神経で支配されています。

つまり、これらの神経自身、あるいはこれらの神経の中枢になんらかの異常が生

じると味覚異常が生じ、味覚低下が認められることとなります。

また、ほとんどの味覚異常は末梢性で、味の伝達を行う味蕾の減少・萎縮、唾液

分泌の低下、さらには唾液中の非生理的物質が排泄され、それが異常な味物質と

して働くことにより生じます。

味覚異常の原因にはいくつかあります。

乳頭の萎縮・消失……生理的(加齢的)、貧血などによる

唾液分泌の低下……加齢、シェーグレン症候群などによる

唾液中の非生理物質の排泄

カンジダ症

医原性の味覚低下……がん治療(放射線、抗がん剤)により、唾液腺機能が障害さ

れ分泌低下、舌乳頭が萎縮することによる

亜鉛の不足……食物中の亜鉛と薬剤がキレートをつくり、亜鉛の吸収が障害され、

味蕾細胞の若返りが障害されることによる

降圧剤、トランキライザー、抗生物質、抗アレルギー剤等による薬剤の作用

歯周病

特発性、心因性

体感異常症(セネストパチー)

などがあり、様々な要因で起こります。

それぞれの原因に合わせて治療をする必要がありますので、気になることは一度

相談してみてください。

必要に応じて、専門医に紹介が必要な場合もあります。

 

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