義歯の取り扱いについて

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の歯医者「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

義歯の取り扱いについて

こんにちは。

訪問担当歯科医師の岩本です。
本日は義歯の管理についてお話ししたいと思います。

歯を失ってしまった時に使用する着脱式の義歯(入れ歯)は、大きく分けると

総義歯(総入れ歯)と部分床義歯(部分入れ歯)の2つに分けられます。

一般的な保険診療での義歯において、

その違いは固定用のバネがついているかどうかです。

このバネを歯科ではクラスプと呼んでいます。
クラスプが全くついていないものを総義歯、

一つでもついていれば部分床義歯と呼びます。

義歯の使用サイクルは、日中起きている間はできる限り装着し、

夜間は外して保管しておくというのが原則です。

 

小さい入れ歯ではそう影響がないこともありますが、

大きい入れ歯ですと、入れている時と外している時とでは、

咀嚼の仕方や飲み込み方がかなり変わってきます。

しっかり嚥下するには、上下のかみ合わせがあったほうが有利です。

義歯を入れ上下の歯でかみしめることにより体幹のバランスも

取りやすくなりますので、転倒の予防にもなります。

 

高齢者施設などに入所されている方で、

食後のケアタイムに義歯を外して洗い、

そのあとのリハビリを義歯無しでされてることがあるのですが、
本当はリハビリの時こそ、義歯は装着されるほうが望ましいと考えます。

 

また、部分床義歯のクラスプを掛けている歯は、

長く義歯を外したままでいると移動してしまうことがあります。
あまり移動してしまうと元の位置に義歯を装着することができなくなります。

このようなことを避けるためにも、

可能であれば日中は入れておいてください、とお願いしています。

 

一日の終わり、就寝前には必ず義歯を外して口腔ケアを行い、

義歯は流水下でこすり洗いした上で、

水(+義歯洗浄剤)を入れた保管容器に浸しておきます。

 

 

 

 

 

義歯は入り組んだ粘膜の表面にフィットするようオーダーメイドで作られていますので、

つるつるに研磨された外側と比べて、

内側はかなりでこぼことした形態になっています。

ですから、きちんと汚れを落とすのは案外難しいのです。

水でざっと流しただけでは、

窪んだ部分にうっすらと歯垢が残っていたりします。

特に、クラスプの付け根の部分には汚れがたまりやすく、

これらは見落としがちです。

 

 

 

 

 

 

清掃の際は明るい場所でよく見ながらこすり洗いすることが必要です。

 

 

 

義歯を夜間に外しておく理由には、以下のようなものがあります。

①顎の骨や粘膜を休ませる
ずっと義歯の下敷きになっている粘膜の部分は血行が妨げられています。
また、義歯を入れていても歯ぎしりをされる方の場合、

顎の関節に負担がかかります。
一日24時間のうち、8時間位は外す時間を作ったほうが良いと言われています。

②就寝時の唾液分泌量の低下による細菌の増殖を少なくする
義歯の下敷きの部分には唾液が触れにくくなっており、

自浄作用が働かない状態になっています。
また、舌や食べ物も直接接触しないため、

粘膜表面の老廃物は剥がれにくくなっており、

新陳代謝が妨げられています。
せめて夜間は外して、粘膜の健康を保つようにしたいところです。

③小さな部分床義歯の誤飲・誤嚥を防ぐ
ピッタリ合っている義歯だとしても、

着脱式である以上、何かの拍子で外れる危険はあります。

横になっている時に外れた場合は特に、

喉に落ち込む危険性があります。

 

但し、これらはあくまで「原則」であって、

実際はその通りにいかないこともあります。
例えば認知症のため、

ご自身で義歯をすぐ外してどこかにしまいこむ(無くされる)方でしたら、

食事時以外は介護者が義歯を預かる形にせざるを得ません。

また、夜、義歯を入れておかないと落ち着かなくて眠れないという方、

数少ない残りの歯がぐらついているために

義歯を入れて固定したほうが却って痛みが少ない、

という方もいらっしゃいます。
そのあたりはケースバイケースの対応が必要です。

夜間、どうしても外したくない方の場合は、昼間の、

食事以外の時間帯で義歯を外す時間を作ることをお勧めします。

 

 

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