2023年5月:タニダ歯科医院ブログ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

6月休診日情報

脱灰と再石灰化って何?

こんにちは、歯科医師の久貝です。

みなさん、甘いお菓子、飲み物は好きですか?

僕は大好きです。

幸せを感じませんか?

疲れた時に接種するあま~~~い幸せ♪

仕事の後のお菓子

夜中にコッソリと食べる甘い幸福・・・

たまりません。

疲れが一気に吹き飛んでいくのと、背徳感を感じます。

それと同時に、虫歯の危機感も
ヒシヒシと感じますね・・・ヤバいっす・・・

虫歯にならないように、皆さんも検診に来ていますが、
口腔内を見ていて頻繁に見るのが、

「脱灰」と呼ばれる状態ですが、聞いたことあります?

酸によって歯の成分であるハイドロキシアパタイト
(リン酸カルシウムの結晶)が溶かされる現象が「脱灰」です。

虫歯の原因となる細菌は、
食物に含まれる糖を分解して酸を作ります。

歯が溶けて虫歯になるのは
細菌が生成したこの酸が原因というわけです。
では、食事のたびに歯は溶かされ続けてしまうのでしょうか?

実は溶かされた歯は唾液の作用で「再石灰化」するのです。

歯が脱灰されても唾液の作用によって
酸が中和され歯の表面は元の状態に戻ります。
これを「再石灰化」といい、この現象によって
歯が溶かされ続けてしまうことが防がれているのです。

食事中の脱灰は誰の口腔内でも起こっている現象であり、
「虫歯になりやすいひと」と「虫歯になりにくいひと」
の差は再石灰化がしっかり行われているかどうかなのです。

口腔内には無数の細菌がひそんでおり、

その数は歯の表面に付着した歯垢(プラーク)1mgの中でさえ
約2~3億の細菌が生息しているといわれています。

この中には虫歯の原因菌である
「ミュータンス菌」「ラクトバチラス菌」も含まれており、

この菌の生息割合が高いほど
虫歯になりやすい口腔内であるといえます。

また口腔内は、通常「中性」に保たれていますが
食事をとることで「酸性」に変化したり、
唾液の作用で中性に戻ったりします。

口腔内は常に脱灰と再石灰化を繰り返していて、
虫歯は何らかの原因によってこのサイクルが
乱れた時にできるのです。

ですから、脱灰と再石灰化のサイクルとそれを乱す
原因を知っておくことは「虫歯になりにくい口腔内」を
得るうえでとても重要なことなのです。

通常私たちの口腔内は唾液によって中性に保たれています。

しかし、食事をすることで、食後20分ほどで
口腔内細菌の活動により、一気に酸性に傾きます。

口腔内が酸性になると、脱灰が始まりますが、
その後唾液の中和作用によって口腔内はもとの
中性の状態に戻りますので、再石灰化することになります。

虫歯菌のエサとなる糖分の多い飲食物を摂取したり、
酸性の飲食物(酸っぱいものや炭酸飲料水など)を
摂取したりすると、大きく酸性に傾きます。

より強い酸で溶かされた歯は、脱灰の程度が大きいので、
しっかりと再石灰化するまでにも時間がかかります。

再石灰化にかかる時間は、脱灰の程度によって
ばらつきがありますが、大体30~40分が目安となりますので、
この間に再度飲食物(お茶や水など糖分の含まれない飲食物は除く)
を摂取しないように注意しましょう。

アドバイスとしては、まずは、食生活を改善し
食事をするときには時間をしっかり決めて
「だらだら食い」や「頻繁な間食」は自粛しましょう。

食後の歯ブラシは口腔内を中性にする手助けになりますから
しっかりおこなうようにこころがけましょう。

また、定期的な検診にて
虫歯の早期発見をするようにしましょう。

何か不安な点があれば、
タニダ歯科の検診にてお気軽にご質問ください。

知覚過敏症はおまかせください

こんにちは。院長の谷田です。
5月5日は端午の節句でした。
ちまきや柏餅など、もちもちした食べものを口にする機会があったのではないでしょうか。

 

歯にくっつくものを食べるときは、つめものやかぶせものが取れやすくなります。
食事中、お口の中に違和感を見つけたら、慌てず歯科医院までご相談ください。

 

お口の違和感といえば、「むし歯ではないのに、ちょっとした刺激で歯がしみる」経験をしたことはありませんか?

 

もしかしたらその症状は、知覚過敏症かもしれません。

 

先日、当院は知覚過敏症について学ぶ機会がありました。
講師は、「グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケアジャパン株式会社」の方です。

 

内容は、知覚過敏症に関する最新の知見と、歯みがき粉・シュミテクトについての情報でした。

 

 

当院ではこの講演への参加を自由としていましたが、多数のスタッフが自主的に聴講しており、嬉しかったです。改めて、当院のスタッフの意識の高さを認識いたしました。

 

これからジワジワと暑くなってくると、アイスクリームやスイカなどを食べる機会が増えてくると思います。

 

甘いものや冷たいものを食べたとき、歯がしみたり痛くなったりしたら、我慢せず当院までご連絡ください。

 

スタッフ一同で治療のサポートをさせていただきます。

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

訪問診療から学ぶこと

こんにちは。訪問歯科医師の村山です。皆様、かわいいでしょう。

こちらの「うめちゃん」は私が在宅診療で拝見する患者様の大切な家族です。
2020年6月から診療を開始し今日まで訪問するたびに玄関で、
うめちゃんスマイルをみせて迎えてくれます。
患者様は高齢の女性で定期的な口腔ケアと、必要に応じて入れ歯の調整を行っていました。
今年に入り、どうしても調整では効かないほど入れ歯が合わず新しく作り直したところです。
治療の道具を持ち込み入れ歯作りの診療中も患者様の横でご家族様と一緒に見守ってくれます。
治療に時間がかかると途中で眠ってしまうこともありますが、
たいていはかわいい瞳でこちらを見てくれており、患者様ご本人も「かわいいね」と
大変な治療を受けて下さった後でも笑顔でうめちゃんに声をかけられます。
うめちゃんの家ではいつも穏やかな、優しい時間が流れています。
新しい入れ歯を装着した次の診療日には「痛みはなかったか、入れ歯が擦れて歯ぐきに傷はないものか」と
緊張して訪問しましたが「入れ歯があっているのか、少しお餅を入れたおぜんざいを召し上がりましたよ。」と
ご家族様が教えて下さり、調整はせずに診療を終えられ、今後は定期健診で伺うことになりました。

※写真使用を快諾して下さり感謝申し上げます。ありがとうございます。

さて、4月になると訪問先の施設様でも異動がある様です。
私がある施設を担当する事になり訪問を始めてすぐの頃「異常な歯ぐきの腫れ」がある患者様がいらっしゃり、
すぐに歯科口腔外科へ紹介しました。結果は歯肉癌。
ご家族様は年齢を考慮され治療は望まれず、そのまま施設でこれまで通り過ごされることになりました。
時が経つにつれ腫れは大きく広がり、痛みや出血も伴い食事しづらくなってきます。
その時、施設長様より「何とか食べられそうな物、食べやすい物はないですか。少しでも食べてほしい。」と
問い合わせのお電話があったのです。
ご家族様へは私から差し入れしていただきたい食べ物についてお電話しましたが
「施設長さんから既に聞いており次の面会で持参します。安心してお任せしています。」とお返事がありました。
残念ながらのちにこの患者様はご逝去されましたが、共に病と闘って下さった施設長様、介護士の方々の力は
本当に大きなものだと実感しました。
訪問診療で拝見するよりも当然ながら長い時間を共に過ごされるからこそ気付いて下さる事も多いのです。
この施設長様は今回、施設異動により一緒に仕事をする事はなくなってしまいました。
訪問の際には診療しやすい様にご配慮下さり、大変お世話になり感謝しています。
高齢社会となり日々の生活で介助を要する方が増えました。
医療提供の立場からしますとご本人様だけでなく、ご家族様や介護士の方等、
いつも一緒にいる方からの情報も大変重要となります。
どんな小さな変化や、歯科とは関係がないと思われる事でもどうぞ教えて下さい。

歯のひびわれに気付いたら、、、原因と治療法について

こんにちは。歯科医師の森岡です。
自分の歯を鏡で見てみると、ひびのような線が入っているのを見たことはないでしょうか?
歯にひびが入っていると歯科医院を受診される方もいらっしゃいます。
では歯にひびが入ってしまう、その原因は何なのでしょうか?

歯のひびわれの原因はいくつか考えられますが、
まず考えられるのが噛み合わせの悪さや歯ぎしり、
食いしばりなどからくる過度な歯への負担です。  
特に、神経の治療済みの歯は神経の残っている
健常な歯と比べてとてももろくひび割れを起こしやすいです。
人間の噛む力、特に睡眠時の食いしばりからくる歯への負担は思った以上に強いものです。

それではひび割れが入った歯に起きてしまう症状にはどういうものがあるのでしょうか?
歯にひび割れが入ると歯がしみたり、ズキッと痛かったり、
治療した歯の詰め物や被せ物が外れることもあります。
そして症状がすすめば何もしていなくてもズキズキ痛んだりするようになります。
特に神経が生きている歯にひびが入った時は噛むと歯を削られた時のような、
鋭い痛みを感じることがあります。
また神経のない歯では、歯の根っこの部分にひび割れや亀裂が入ることが多くなります。
そこから歯肉が腫れたり、その周囲から膿がたまったりします。
そして次第に神経が生きている歯とは別の鈍い痛みが続くようになります。

それではその治療法としてどういったものがあるのでしょうか?
噛む力の強い方には、睡眠時の専用マウスピース、
ナイトガードを使用することで夜間の歯ぎしり食いしばりから歯を守ります。
歯と歯の間にひびが入ることも多く、
その場合は目視では確認できないのでレントゲン写真などで確認します。
小さなひびであればそれ以上ひびが広がらないように進行を抑え、
経過観察していくことも多いですが、
大きなひび割れでは基本的に虫歯と同様の治療を行います。
さらにひび割れが根にまで及んでいる場合は抜歯が必要になることもあります。

歯のひび割れは予防することが難しく、
またレントゲンでも見つけることが難しいことが難しいことが現状です。
歯に1度ひびが入ると自然にくっつくことはありません。
ひびから細菌が増殖し周囲の骨を溶かすことで腫れや強い痛みをだすこともあります。
これらも歯の異変がないか定期的な歯の検診でチェックしていきましょう。