2月休診日情報-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

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2月休診日情報

「 歯を守るための力のコントロール Ⅺ 」

歯を守るための力のコントロール Ⅺ

 

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ ガイドの位置~顎関節脱臼症例から考察する

 

側方滑走運動時における咬合接触は、滑走運動経路に影響を

及ぼすだけでなく、歯牙接触のない下顎運動経路にも影響を

及ぼしており、顎口腔機能における重要なファクターとなっています。

そこで今回は、起床時の右側顎関節習慣性脱臼を主訴とする症例から

考察します。この症例は側方滑走運動時に第2大臼歯のみが接触し、

他の部位での接触がみられず、咬頭嵌合位において前歯は切端咬合、

犬歯は両側とも下顎切端が上顎切端より唇側に位置、

右側下顎第2大臼歯は舌側に傾斜し、頬側咬頭外斜面に

上顎の口蓋咬頭外斜面が接触する咬合を有し、咀嚼時に自発痛はなく、

右側胸鎖乳突筋の圧痛のみ、外来診療中には脱臼は生じないケースです。

 

  • 治療経過

 

  1. 歯のガイドを前方歯に移すことを目的として、来院1週間後に

咬頭嵌合位において全歯列が均等に接触し、側方滑走時には犬歯部により

ガイドされ他部位は離開するレジン製のスタビライゼーションスプリント

を装着。その結果、装着の翌日から起床時の右側顎関節脱臼は消失した。

また、装着2週間後の来院時には、右側胸鎖乳突筋の圧痛は消失していた。

 

  1. スプリントに設置した犬歯部ガイドのうち、左右どちら側の

ガイドが治療に有効であったのかを考察するため、咬合面を被覆する

金属鋳造体によるガイドを左右それぞれの下顎第1小臼歯に製作した。

この症例では両側の犬歯は反対咬合となっており、ガイド付与はできない。

咬頭嵌合位は変えずに、側方滑走運動時には臼歯部の接触がないように

したため、患者固有のガイドと比べてやや急傾斜の経路をとることになる。

1週目に左側下顎第1小臼歯のみに金属ガイドを装着したが

脱臼は消失しなかった。

2週目に右側下顎第1小臼歯のみに金属ガイドを装着したところ、

その翌朝には脱臼は発生しなくなった。

この結果、脱臼側と同側の第2大臼歯の歯牙接触がなくなるように、

歯列の前方にガイドを移動したことが脱臼消失に有効であった。

 

  • 顆頭の動きからの考察

側方滑走運動時においてガイドの位置を後方に移動させると

作業側顆頭の運動範囲は外側下方に拡大する傾向がみられ、

その移動量はガイドが後方歯に移動するほど増大する、作業側顆頭の

移動量が増大することで、顆頭の安定が失われて顆頭の回転が

制限される、これが脱臼の発生と関連しているのではと考えられる。

 

  • 顎関節と筋

健常者においても最大開口時に下顎頭は関節結節より前方に位置する。

上下中切歯間距離35mmですでに顎関節に症状をもたないものの83.5%

で下顎頭は関節結節下かその前方に存在する。顎関節は他の関節と異なり

正常な状態でも関節窩外に移動する唯一の関節である。

よって顎関節に対して脱臼という表現は不適切という意見もある。

健常者の最大開口時と、脱臼時の下顎頭の相違点は、脱臼時は

関節結節前方においてより上方へ位置している、よって窩外位に

固定された状態の原因の追究には、関節結節を越えた時点で下顎頭を

上方に牽引固定する要素について考慮すべきと考えられる。

すなわち下顎頭が関節結節を越え窩外位にあるとき、

外側翼突筋が収縮したまま、咬筋、側頭筋などの閉口筋が収縮したことが

円板動態異常と相まって下顎頭を窩外位のままで固定させることになった

のではないかと考えられる。

最大開口終末になると、咬筋、側頭筋が拮抗筋として働き、

自発的開口の限界を設定し、さらに開口することを防止して顎関節を

脱臼から保護している。この神経筋機構が障害されていることが

原因として考えられる。下顎頭が前方滑走する際に、外側翼突筋

の収縮は顎関節円板と下顎頭を関節結節後斜面に押しつけさせ安定させる

ことになっているが、下顎頭が窩外位にあるとき、窩内位における

関節結節後斜面のような円板の上面の支えが失われ、前述の筋肉の非協調は

下顎頭の上前方への牽引固定をもたらし、一方関節円板は円板後部結合織

による前方運動の制限や、結合織内の伸展した弾性繊維の復元力による

後方への牽引力をうけ、結果として下顎頭と円板との位置のずれが生じ、

下顎頭が円板前方肥厚部より前上方に位置することで、

閉口時に前方肥厚部が下顎頭の後方滑走の機械的障害となってしまう

と考察できる。

 

 

次回はこの続きで、習慣性顎関節脱臼についてお話していきます。

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

 

歯肉癌

こんにちは。院長の谷田です。
口腔内で出来る癌は色々ありますが、写真の癌は歯肉癌です。

 

 

一番頻度が多いのが舌癌で、その次が歯肉癌です。
この写真は残念ながらリンパ節に転移していた症例です。

 

早期発見が何よりも大事なことは言うまでもありません。
そのためにも定期健診は非常に重要です。
是非習慣づけてもらいたいと思います。

 

 

歯肉癌の原因としては、喫煙、アルコ-ル、虫歯による刺激、合っていない入歯、口腔内の不衛生等があります。

 

またなかなか治らない口内炎も要注意です。

 

 

口腔内の癌は近年増加傾向にあります。
何か異常を感じたら早めの受診を。

 

 

 

 

 タニダ歯科医院
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象牙質知覚過敏症

こんにちは、川村です。

まだまだ寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

今回、知覚過敏症について書いていきたいと思います。

 

  • 知覚過敏症って何?

象牙質知覚過敏症(Hypersensitive Dentin (Hys))のことで、歯ブラシの毛先が

触れたり、冷たい飲食物、甘いもの、風にあたった時などに歯に感じる一過性の

痛みで、特に齲蝕(虫歯)や歯髄(歯の神経)の炎症などの病変がない場合にみ

られる症状を言います。

 

 

  • 歯の構造

歯というのは、表面をエナメル質という組織で覆われています。

しかし、エナメル質という組織は歯の全周を覆っているわけではありません。

エナメル質の下には象牙質という組織があります。

この象牙質ですが、エナメル質とは違いがあります。

有機質・無機質の割合、硬度など組織学的違いは多数ありますが、今回のことで

言えば、細管の存在です。

象牙質には、象牙細管(象牙質にある細い管)と呼ばれる構造物あります。

電子顕微鏡でしか見えない小さな物です。

この象牙細管は歯髄(歯の神経)の所までつながっています。

つまり、この象牙細管に刺激が伝わってしまうと神経が感じとってしまい、しみ

やすいということです。。

ちなみに、エナメル質には細管はありません。

通常、象牙質はエナメル質に覆われているので、こうした痛みを感じることはあ

りませんが、極端に冷たいものなどではエナメル質の上からでも温度が内部の象

牙質に伝わって、歯が痛みを感じることもあります。

しかし、様々な理由で象牙質が露出すると、刺激が神経に伝達されやすくなり、

知覚過敏が生じやすくなるようになります。

象牙質が内部の神経にまで刺激を伝えるのは、象牙質の中にある無数の小さな管

状の構造物があることによります。

この小さな空隙は加齢などにより、少しずつ塞がってくることもあります。

このような場合には知覚過敏は起きづらいです。

したがって象牙質が露出している時には必ず知覚過敏が起きるということではあ

りません。

歯肉が退縮して歯が長く見えてしまった方全員が、しみる症状がでているかとい

うと、そのようなことはありません。

 

 

  • 象牙質が露出する原因

1.歯肉退縮

 歯肉の位置は加齢とともに少しずつ下がってきます。

それに伴って歯根が露出し、象牙質がむき出しの状態になります。

このような象牙質表面では、歯ブラシが触れたり、温度変化などの刺激で痛みを

感じやすくなることがあります。

持続時間は長くても1分以内で、時間が経てば痛みは消失します。

歯の表面に歯石がたくさん付いているような場合、それを取り除いた時にも同様

の状態となり、歯石をとっている時にも器具が象牙質表面に触れたり、水をかけ

て処置をするので、知覚過敏と同様の痛みを感じることがあります。

 

2.破折

歯が破折してしまい象牙質が露出することがあります。

破折時には、残っている歯に亀裂が入っていることもあります。

亀裂の状態にもよりますが、歯の神経の部分にまで細菌が侵入して炎症を起こす

こともあります。

 

3.摩耗、酸蝕症による象牙質露出

摩耗、酸蝕によりエナメル質がなくなると象牙質が露出します。

すり減り具合により症状が出る場合があります。

 

 

  • 治療

 1.知覚過敏用歯磨きの使用

 歯の神経の周囲をカリウムイオン(K+)が多く取り巻いていると神経の細胞が興

奮しにくくなるということを利用し、硝酸カリウムという成分を配合した歯磨き

剤を継続使用していきます。

 

2.知覚過敏抑制剤の塗布

露出した象牙質の内部の小さな空隙を、歯と同じような成分の結晶や、その他

様々な物質で封鎖することで、歯の神経への刺激の伝達が遮断されて伝わりにく

くなります。

 

3.露出した象牙質の被覆

知覚過敏のある象牙質表面を樹脂やセメントで被覆します。

 

4.抜髄

知覚過敏は一過性の痛みですが、痛みの持続時間が比較的長いような場合や、

その痛みが非常に激しい場合には、歯の神経を取ることもあります。

 

基本的には虫歯ではないので、削って治すことはありません。

表面をコーティングする方法が一般的です。

しかし、あくまでもコーティングなので、歯磨きなどの原因で剥がれることがあ

ります。

必要に応じ重ね塗りが必要な場合もあります。

もちろん虫歯が原因で歯がしみることはあります。

気になる方は早めに診てもらいましょう。

「安全に美味しく⑥〜摂食・嚥下障害に対する訓練〜」

こんにちは、歯科医師の村重です。

前回ご紹介した摂食・嚥下精密検査であるVEやVFによって、

摂食・嚥下障害と診断された場合の対応のひとつに

摂食・嚥下訓練があります。

今回のブログではこの訓練について紹介します。

摂食・嚥下訓練には食べ物を用いない「間接訓練」と

食べ物を用いる「直接訓練」のふたつがあります。

以下に間接訓練の具体例を記します。

 

①肩・頸部・胸郭の関節可動域訓練

肩や首、胸郭の動きに制限がある場合は、

口腔期の運動や嚥下を妨げるので、

筋肉のリラクゼーションを行い、

関節の動きを広げるように動かします。

 

②舌・口唇・頬など口腔周囲のマッサージ・運動

食べ物や飲み物を取り込んで咀嚼し、咽頭に送る働きをする

舌や唇などの口腔器官の動きと動きに関わる筋肉を

働かすために行います。

マッサージを行って硬くなった筋肉を柔らかくしてから、

嚥下体操の様に自分で行う運動やリハビリ職

(主として言語聴覚士)が他動的に動かして行う運動、

舌圧子などで抵抗を加えて行う運動などを行います。

 

③ブローイング

鼻から空気が漏れ出る方や、唇を閉じる力・呼吸の力が弱い場合は、

コップやペットボトルに入れた水をできるだけ

長く優しくストローで吹く、巻き笛を拭くなど

ブローイング(吹く練習)を行います。

 

④咀嚼訓練

ガムやするめなどを使用して、噛むために必要な

筋肉を鍛える訓練を行います。

 

⑤頭部挙上訓練

 

嚥下に必要な喉頭挙上を促すために、舌骨上筋群、

喉頭挙上筋群の筋力強化を図ります。

仰臥位で足の先を見るように頭を上げます。

一人で行うのが困難な方は介助者が頭を持ち上げて

自動介助で行います。

 

⑥嚥下・反射訓練

嚥下反射を促すために唾液を飲み込む練習(空嚥下)を行います。

飲み込みが弱い方には、舌を前に突き出したまま

空嚥下をする(舌-突出嚥下法)方法もあります。

凍らせたスポンジで喉を刺激(アイスマッサージ)したり、

氷を口に含んだり(氷なめ)などの冷却刺激や、

チューブを鼻や口から通す刺激を与えて嚥下反射を

誘発することもあります。

 

⑦プッシング

声帯が閉じにくい場合、動きが良い方の声帯を

より内転方向に動かして声門閉鎖をカバーするため、

両手を胸の前で押し合うことや、壁や机などを

手の平で押すことをしながら強く「あー」、

「えい」などと発声します。

 

⑧Kポイント刺激法

口が開きにくい方は、綿棒や舌圧子などで

Kポイントを刺激することで、口が開きやすくなり、

食塊の咽頭への送り込み、嚥下反射が起こりやすくなります。

 

⑨メンデルゾーン手技

「ごっくん」をする時に喉頭が十分に上がらない方や、

食道の開きが十分でない方に、徒手で喉仏の挙上を

保ちながら飲み込む練習をして、喉頭が挙上する

感覚の学習を促します。

 

⑩発音訓練

嚥下と構音を行う器官は同じなので、

単語や文章の発声練習を行い、嚥下に必要な器官の運動、

筋肉の働きを促します。

 

次回は直接訓練についてご紹介します。