子どもを「歯医者嫌い」にさせない声かけ&接し方のコツ-タニダ歯科医院|西宮・宝塚・三田の歯医者

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

子どもを「歯医者嫌い」にさせない声かけ&接し方のコツ

 

 

こんにちは。院長の谷田です。
8月に入り、夏も本番を迎えました。

 

夏休み中のお子さんは
けがや夏風邪に気をつけつつ、
楽しく過ごしてくださいね。

 

さて、この長い夏休み期間の間に、
お子さんの“歯医者デビュー”を考えているご家庭も
多いのではないでしょうか。

 

「歯医者=痛い、こわい」
といったイメージから、どうしても最初は
嫌がられてしまいがちです。

 

そこで今回は、
お子さんが少しでも安心して歯医者に通えるよう、
保護者の皆さまに心がけていただきたいポイントを
ご紹介します。

 

 

 

 

◆実は逆効果?こんな声がけに要注意!

 

お子さんによかれと思ってかけた一言が、
歯医者嫌いを助長することがあります。

 

無意識のうちに以下のような言葉を
言っていないか、チェックしてみましょう。

 

 

 

・「歯みがきしないと歯医者さんに連れて行くよ!」
歯みがきを嫌がられるとつい出てしまう言葉ですが、
「歯医者=罰を受ける場所」
とインプットされてしまうため、
歯医者は自分の健康を守ってくれる味方だと
伝えることが大切です。

 

・「お口を見るだけだよ」「痛いことはしないよ」
このような嘘で歯医者へ連れて行くと、
結果的にさらに嫌がられてしまいます。
治療のことは正直に伝え、
終わったあとはたくさん褒めてあげましょう。

 

・「みんな我慢しているよ!」「怖くないから!」
このような不安な気持ちを否定する言葉は、
かえって不安を強めてしまう可能性があります。
まずはお子さんの気持ちを理解し、
寄り添ってあげましょう。

 

 

 

 

◆ちょっとした工夫で通院がスムーズに

 

受診のタイミングや待合室での過ごし方など、
少し工夫するだけでも
お子さんの通院がスムーズになります。

 

ぜひ、以下を参考にしてみてください。

 

1.幼児の受診は「午前中」がベスト
眠気や空腹、疲れなどが重なるとぐずりやすくなります。
とくに小さなお子さんは、
体調や機嫌の良い午前中の受診がおすすめです。

 

2.動きやすく汗をかいても対応できる服装
小さなお子さんは、
処置を嫌がって泣いたり暴れたりすることもあります。
通気性の良い服を選び、
着替えも用意しておくと安心です。

 

3.待合室ではリラックス
待っている間は絵本を読んだり、
お気に入りのおもちゃで遊ばせたりして、
リラックスできる雰囲気をつくりましょう。

 

 

 

 

 

◆歯医者は子育ての強いパートナー

 

「泣いたらどうしよう」
「嫌がったら迷惑かも」
と、不安で受診をためらう保護者の方は
少なくありません。

 

しかし、私たちはただ治療をするだけではなく、
治療を通じてお子さんの成長や
気持ちに寄り添うことも
同様に大切な役割だと考えています。

 

 

 

 

お子さんの受診についてご心配なことがあれば、
まずはお気兼ねなくご相談ください。

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

摂食嚥下について③〜お口から健康を保つために〜

こんにちは。歯科医師の村重です。
今回は前回に引き続いて摂食・嚥下障害についてお話させていただきます。
前回のブログでは、摂食・嚥下障害がおこる原因について紹介しましたが、

今回は、その診査診断についての内容です。

まずは、質問紙などを用いた問診や食事風景の観察を行ったのちに以下の検査を実施します。

1.スクリーニング(簡易)検査
スクリーニング検査とは、より多くの人を対象に比較的簡易的な検査を行い、

何らかの疑いがある人を絞り込む検査です。摂食嚥下障害のスクリーニング検査は、

嚥下機能を「反復唾液嚥下テスト」「改訂水飲みテスト」「フードテスト」により評価します。
A)反復唾液嚥下テスト(RSST)
まず、嚥下障害が疑われたときに最初に行うのが、反復唾液嚥下テストです。

反復唾液嚥下テストは30秒の間に、唾液を何回飲み込めるのかを計測していきます。

飲み込めた回数が2回以下の場合、摂食嚥下障害の可能性が高くなります。

B)改訂水のみテスト
少量(3mlほど)の冷水を口腔内に入れ、嚥下動作を2回行います。

“むせこみ”の有無や、嚥下動作に対する呼吸状態の変化、声の変化を確認します。

C)フードテスト
茶さじ1杯(約4g)のプリンやゼリーなどの半固形物、またはお粥や液状の食べ物を食べ、

飲み込んだ後に、口の中に食物が残っていないか、”むせこみ”がみられないか、呼吸の変化はないかなどを観察します。

フードテストと併行して、頸部の聴診も行います(頸部聴診法)。

食べ物を飲み込む動作のとき、聴診器を使って、首の部分で嚥下音が聞こえるかどうかを聴診します。

この検査では、飲み込む前後での呼吸の音の変化を確認しています。

2.嚥下造影(VF)検査
エックス線による透視下で、実際の嚥下動作を確認する検査です。造影剤を混ぜた飲み物、

とろみを付けた飲み物やゼリー、または実際の食事の一部などを、実際に飲み込みます。

口腔内から咽頭にかけての、実際の食物の飲み込みの様子を観察できるため、

嚥下中に食塊が通過する様子や、喉頭、咽頭に残っていないか、

誤嚥していないかなどを、目で見て確認することができます。
この検査によって、摂食嚥下障害がどの部位の障害(どの時期)で起こっているのかがわかります。

3.嚥下内視鏡(VE)検査
鼻咽腔ファイバーという内視鏡をのど(咽頭)に入れ、食物の飲み込み(嚥下)の様子を観察する検査で、

唾液や喀痰の貯留の有無、食物を飲み込んだ後の咽頭内への食物の残留の有無や

気管へ流入(誤嚥;ごえん)などを評価することができます。

また、嚥下に影響を与えることのある声帯の動きも評価することができます。
また、VF検査と違ってX線を使用しないため、自宅のベッドサイドなどでも行えることが特徴で、

当院が訪問診療で実施している方法です。

以上のような方法を組み合わせて、診断を行います。

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8月休診日情報

その薬、抜歯の前に止めなくて大丈夫?ver2

こんにちは。歯科医師の西田です。
夏休みが目前ですね。
皆さまは夏期休暇のご予定は立てられましたか?

さて、今日のお題は、「その薬、抜歯の前に止めなくて大丈夫?」です。

以前は、抜歯の前に内科の先生に相談して、止めて頂くお薬がありました。
しかし、この頃ではお薬を止めることによる弊害を防ぐために、
止めずに抜歯をすることもあります。
今日は、そのようなお薬、骨粗鬆症薬についてのお話です。

超高齢化社会を迎え、骨粗鬆症の適切な治療により高齢者の骨折を予防するために、
現在、さまざまな治療薬が使われています。
骨粗鬆症治療は長期にわたるため、骨の吸収を抑えることで
骨を強くする薬剤「骨吸収抑制剤」を使用する機会が多いようです。
この「骨吸収抑制剤」を使用している場合、
歯科での治療で「顎骨壊死」という副作用のお話しを聞くことがあり、
不安になることがあるかもしれません。
「顎骨壊死」への対応策として、骨吸収抑制薬関連顎骨壊死のポジションペーパー(方針書)が
2016 年に発表されましたが、その後も患者数は増加傾向であり、
予防や治療に関するエビデンスが蓄積してきたことから、2023年に新たなポジションペーパーが作成されました。
新しいポジションペーパーの概要は以下のようです。
①顎骨壊死発症の契機として歯性感染症を重視
以前は抜歯などの外科処置がきっかけとなり、顎骨壊死が起こると考えられていました。
ところが、最近の考え方では、「歯周病や根尖病変などの炎症性歯科疾患があることがリスク」であり、
「抜歯は顎骨壊死の発症を促すのではなく、顎骨壊死を顕在化させる」と考えられるようになりました。
歯周病や深い虫歯のため、歯茎や歯の周りの骨で炎症が起きていることが、顎骨壊死のきっかけとなると考えられるようになりました。
②原則として抜歯時に骨吸収抑制薬を休薬しないことを提案
抜歯前2-3カ月間の低用量ビスホスホネートの休薬でもビスホスホネート関連顎骨壊死の発症が
有意に減少しなかったことや、骨吸収抑制休薬による待機期間中に顎骨骨髄炎や顎骨壊死が進行するリスク、
また骨粗鬆症性関連骨折のリスクが上昇することより、現状においては休薬の有用性は示されませんでした。
要は、骨粗鬆症薬の使用を止めても顎骨壊死は起こることがあり、薬の休薬により骨折のリスクが上がり、
健康な生活が損なわれる可能性があることが、示されたのです。
一部のハイリスク症例を除いて、「原則として抜歯時に休薬は不要」と考えられております。
③医歯薬連携の充実を図り、骨吸収抑制薬投与開始前に歯科の受診を強く推奨
医科と歯科の連携は今や不可欠です。
医科の先生と連携を取って治療を進めさせて頂きます。
お口の中を清潔に保つことにより顎骨壊死のリスクは低下することがわかっており、
虫歯があったりして抜歯などの治療が必要な人には、骨粗鬆症薬の開始前に歯科で治療を行うことが大切です。
また、骨吸収抑制剤の治療中に抜歯が必要となった場合、基本的にはお薬の中止は不要と考えられています。
投薬前のみの医科歯科連携ではなく、投与中の密な医科歯科連携と口腔衛生管理も行っていきます。
以下のお薬は顎骨壊死に関連が強いと言われています。是非私たちにお知らせ下さい。

• ビスホスホネート
ゾメタ®、アレディア®、テイロック®、フォサマック®、ボナロン®、アクトネル®、ベネット®、ビスフォナール®
ボノテオ®、リカルボン®、ボンビバ®

• デノスマブ(抗RANKL抗体製剤)
ランマーク®、プラリア®

• ロモソズマブ
イベニティ®

その他、抗がん剤、分子標的治療薬など

「顎骨壊死」の確率は1万人~10万人に数人と極めて低い頻度です。
リスクを恐れて骨粗鬆症の治療を中止するのは患者様にとって不利益が大きいと考えられています。
決して自分判断で骨粗鬆症の治療を中断しないようにお願いします。
また、口腔内の定期的なクリーニングを行うことで顎骨壊死の発症リスクは低下しますので、
治療終了後も歯科の定期検診は続けて頂きたいと思います。