虫歯予防について-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

虫歯予防について

こんにちは、歯科医師の森岡です。

このブログをご覧の方の中にも「小さい頃から歯が弱くて、、、」と

何度も虫歯ができてしまい、繰り返し治療のために歯科医院に

通われる方はいらっしゃいませんか。

今回は「虫歯を治す」ではなく「虫歯をなくす」ことに焦点を当て、

予防の重要性、どうして定期健診に来ていただきたいかということを

改めてお話させていただきます。

 

まず前提として歯科医師が歯を削って詰めれば虫歯は治るという考えは要注意です。

治療後に虫歯の原因が改善されていなければ、

結局また新しい虫歯ができてしまいます。

歯に穴が開くのは、口腔内の様々な細菌が出す酸

(もしくは食べ物や飲料水に含まれる酸)が歯を硬くする

力に勝り歯を溶かしていくからです。

そのような口腔内の環境は飲食や歯磨き、日々の生活環境から作られていきます。

つまり虫歯の予防のためには、虫歯の原因を知り、

虫歯に関わる因子をコントロールできる生活習慣を患者様自身が

作り上げることが最も重要になります。

 

それでは今回は虫歯に関わる因子を順に3つ説明させていただきます 。

  1. 歯磨きについて

歯の表面に付く細菌の塊、バイオフィルムの中には虫歯や

歯周病の原因となる細菌が1mgに2~3億いるといわれています。

虫歯で歯が溶けるのは、バイオフィルム内の細菌が口に入ってきた糖を

栄養にして酸を出すためです。

つまり虫歯菌の住処であるバイオフィルムを取り除くことが

虫歯を予防する第一歩となるのです。

またバイオフィルムは薬剤や水流では落とせないので歯ブラシや歯間ブラシ、

フロスなどをしっかり当てることが重要です。

毎日磨いていても磨き残しのある部位(バイオフィルムが付着し続けている部位)は

1年中磨いていないのと同じです。

歯科医院の定期健診ではでは磨き残しの部位を確認しています。

始めは難しいかもしれませんが、

健診などを通して正しい歯磨きを身につけましょう。

 

  1. フッ素について

フッ素の働きは、①歯の修復を早める(再石灰化促進)、

②歯が溶けるのを遅らせる(脱灰抑制)、③歯の結晶を強くする、

④最近の活動を阻害する、の4つでこれらの働きにより虫歯の進行を遅らせてくれます。

子供へのフッ素塗布を不安に思う方もいると思いますが、

乳歯や生えたての永久歯は資質が弱く、

とても虫歯になりやすいためフッ素による予防を実践していただきたいと思います。

 

  1. 糖について

虫歯を引き起こす細菌は、糖を栄養にしてエネルギーを得る際に酸を出し、

歯を溶かします。糖をたびたび摂取していると、

細菌が絶えず酸を出すようになり口の中が虫歯になりやすい環境へと変化します。

糖を摂らなければ虫歯にはなりませんが、

現代社会で糖を摂らない食生活を送ることは不可能といってよいでしょう。

虫歯予防という点では、糖の量を控えることより回数を減らすことのほうが重要です。

1日に少量の砂糖を何度も食べた人のほうが、

食事の時にだけ大量の砂糖を食べた人よりも虫歯が多く、

砂糖の摂取が4回以下だと虫歯が少なかったという報告もあります。

甘いものが欲しい時には、

キシリトールなど虫歯の原因になりにくいもの代用糖を有効に利用してください。

 

以上の虫歯のメカニズムを理解して虫歯になりにくい生活習慣を作ることが、

治療の繰り返しをなくし、歯を健康に保つ鍵となります。

少しの知識を得て簡単なことを

いくつか行っていただければそう簡単に虫歯にはならなのです。

よかったら皆さんも虫歯予防の意識を持ち、実践してみてください。

 

 

 

歯は人生のパートナー

 

こんにちは。院長の谷田です。
6月4日 は6(む)4(し)にちなんで、
「むし歯予防デー」とされ、
さらに、4日から10日までの一週間は

厚生労働省・文部科学省・日本歯科医師会
などが実施する『歯と口の健康週間』とされています。

 

普段私たちが食事や会話を楽しめるのは、
健康な歯と口があってこそ。

 

永久歯の数は全部で28本、
親知らずを含めると32本あるので、
「1本くらい歯がなくても大丈夫」
と考えてしまうかもしれませんが、
それは大きな間違いです。

 

 

1本でも歯を失えば、
口内環境は大きく変化します。

 

 

「見えない場所だから」
「他の歯でも噛めるから」

 

といってそのまま放置していると、
全身の健康にも影響が…。

 

今回は
「大切な歯を失ったときに起こる影響」
について詳しくご説明します。

 

 

 

 

◆本当に怖い歯の喪失!

 

歯は本来、隙間なく並ぶことで
バランスを保っているため、
1本でも歯を失うと
隣り合う歯が傾いてきたり、
かみ合う歯が浮いてきたりして、
「歯並び」や「かみ合わせ」が悪くなります。

 

その結果として、
顎関節症(がくかんせつしょう)を
引き起こす可能性も。

 

また、
残っている歯に余計な負担がかかるため、
他の歯の寿命を縮めることにも
なりかねません。

 

 

 

 

 

歯の重要な役割といえば
食べものを「噛む」ことですが、
歯を1本でも失うと噛む力は低下し、
いずれ全身の健康にも影響が及びます。

 

そのひとつは、胃腸への影響です。

 

食べものをよく噛んで食べると、
だ液がたくさん分泌されます。

 

この「だ液」に含まれる消化酵素には
消化を助ける働きがあり、
胃腸への負担を和らげてくれているのです。

 

しかし、噛む力が低下して
食べものを飲み込むようになると、
だ液の分泌も減って
胃や腸に負担がかかってしまいます。

 

 

 

 

また、「噛む」ことは、脳の働きにも影響を与えます。

 

よく噛むと脳の働きが活発になりますが、
反対に噛む回数が減ると、脳への刺激も減少します。

 

 

残存歯が少なく治療をしていない人
20本以上歯が残っている人に比べ、
認知症発症リスクが最大で1.9倍になる
というデータも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆顔がゆがみ、発音も悪くなる

 

歯を失って食べものが噛みにくくなると
左右どちらかの歯で噛むようになり、
顔がゆがんでしまう恐れが。

 

しかも、前歯がなくなると歯の隙間から息が漏れ、
正しい発音も難しくなります。

 

話し相手に
「聞き取りにくい」
なんて言われたら、
会話も楽しめません。

 

 

 

 

◆歯にも寿命がある?

 

皆さまは、歯の寿命をご存じでしょうか?

 

日本人の「歯の平均寿命」は約50〜65年。
特に奥歯は抜けやすく、
前歯より10年以上寿命が短いことも
わかっています。

 

 

失った歯は二度と戻ることはありませんが、
・入れ歯
・ブリッジ
・インプラント
補うことは可能です。

 

もし歯を失ってしまったら、
早めの治療をご検討ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆日頃のケアと定期検診で歯を失わない努力を!

 

歯を失う主な原因は、むし歯と歯周病。
歯の寿命を伸ばすためにも、
日頃のケアと定期検診が大切です。

 

80歳になっても自分の歯を
20本以上残すこと
を目標に、
むし歯・歯周病予防に努めましょう!

 

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/

口唇閉鎖不全症

こんにちは、歯科医師の池田です。

 

マスクをする生活が当たり前になっていますが、

マスクは呼吸がしづらく息苦しいことから

口で呼吸をしている人が多いかと思います。

 

本来呼吸は鼻で行うものなので、

口呼吸が多くなると口腔内のトラブルの原因になります。

また、口呼吸をしていなかったとしてもマスクの中で

口が開いている(口唇が上下端から端まで接していない)

態も同じく口腔内のトラブルの原因になります。

 

 

口が開いている状態だと口腔内が乾燥するため、

虫歯、歯周病、口臭の原因になります。

また口が開いている状態がずっと続くと

歯並びにも影響がでてきます。

そして、歯並びが悪くなることでさらに口を

閉じにくくなるという悪循環がおきます。

 

 

口を閉じられない原因には、口の筋肉が弱いことが多く、

他には歯並び、舌の癖や形態、鼻呼吸がしづらいなどの鼻の病気、

肥満などがあります。

 

実は、口を閉じられないという状態には

きちんと病名があります。

「口唇閉鎖不全症」といい、治療法もあります。

 

口唇閉鎖不全症の原因には、口の筋肉が弱いことが多いため、

子どもの時から口を閉じることを習慣化していると

自然と口の筋肉を鍛えていることになりますが、

口がずっと開いていると筋肉が弱くなるため

閉じることができなくってしまいます。

口を閉じることを意識して改善する場合は良いですが、

鼻呼吸ができないや歯並びなど他に原因がなく改善が

難しい場合は口の筋肉を鍛える訓練が必要になります。

 

 

口唇閉鎖不全症の治療を行う場合は、

きちんとした検査が必要になります。

検査後は、標準値を越えるまで口唇トレーニングを行い、

口唇閉鎖力の増強・維持が確認できたら口唇トレーニング を終了します。

その後、定期的に来院をしてもらい、

その都度口唇閉鎖力の測定を行い、

口唇の閉鎖力の減弱がないかを検 査します。

口唇閉鎖力の初回測定値をベースラインとして、

その後の指導・訓練の評価していきます。

 

初回測定値をベースラインとして口唇閉鎖力の測定値 の

上昇を確認できれば、適切な指導ができていると判断して良いですが、

指導経過については、3 か月間のトレーニ ング後再評価し、

改善が認められない、もしくは改善傾向は認められるものの、

口唇閉鎖力が向上しない場合は、再度 3 か月間のトレーニングを行います。

 

口を閉じる訓練をし筋力が上がっても、

普段口唇が開いてしまうような不適切な姿勢や食生活、

全身の発達状態 を含めて評価する必要があります。

 

 

お家でもできる簡単な訓練法でボタンプル法というものがあります。

糸を通したボタンを口唇と歯の間に挿入し、口唇を閉鎖して、

糸を引っ張りボタンが口から出ないように力を入れ閉鎖を維持する方法です。

最初は直径の大きなボタンから開始し、徐々に閉鎖機能が向上したら、

ボタンの直径を小さくすることで口唇閉鎖する筋肉の力を

高めることができるとされています。

 

筋肉の力を高めても、口唇を閉鎖させることを意識を

しなければ口が開いたままになってしまうので、

まずは口をしっかり閉じるということを意識することが大切です。
また歯列不正や、舌の癖や形態が原因の場合は対処法が変わってきます。

今はマスクをしているため口を閉じていない時間が

多くなっていると思いますが、

口唇閉鎖不全により口腔内のトラブルや口を閉じにくくなる

悪循環が起きる前に、意識的に改善することが1番大切で簡単な方法になります。

 

 

歯は「抜けたら終わり」?

歯を守るための力のコントロール Ⅳ

こんにちは、歯科医師の武田です。

歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ スプリントの作用

 

 スプリントの作用は、咬合関係を変化させて咬合力を再分配し、

咀嚼筋や顎関節への負荷を減弱させる、上下顎の位置関係を変え、

下顎窩、関節円板、下顎頭の配置を整えるなどです。

 作用機序として最も一般的なのは、咬頭干渉の除去です。

すなわち、全歯列を覆い、スプリント咬合面上に対合歯列の均等な

接触点と適切な偏心運動のガイドを付与し、咬合状態の安定化を図る。

これにより、下顎は習慣性閉口路上での安定した閉口位と

円滑な偏心運動が可能となり、異常な筋活動を惹起すると考えられている

早期接触や偏心運動時の咬頭干渉による咀嚼筋への偏った刺激を除去する。

 

 筋活動では咀嚼時、噛みしめ時、安静時の咀嚼筋活動が減少する。

顎関節への作用は、咬合挙上することにより、下顎窩内での下顎頭の

位置が変化し、咬合時あるいは下顎運動時に関節およびその周囲組織への

負荷が軽減されます。スプリント装着時に噛みしめを行わせ上関節腔の

内圧を測定した研究では、約80%の圧軽減がみられますが、

顎関節腔の断層X線撮影による観察では、最大噛みしめ時に、

関節腔の拡大は認めれません。

 

◆ スプリントの物性

 

 スプリントが必要とする物性は、

①硬い材料であること

②レジンの添加や削合など形態の調整が容易であること

③歯列にパッシブな適合が得られる材料であること

この3条件を満たす材料が必要。

 

 軟質材料を使用すると咬筋活動が活発になるという報告があり、

また顎位、側方運動での可動域をカバーするための調整など、

不足部分にレジン添加を行ったり、反対に削合する調整は欠かせず、

軟質材料ではそういった改変が難しいことが決定的な欠点です。

◆ 調整時にかかわる生理学的反射

 

 【緊張性歯根膜反射】

 さまざまな性状の食物を咀嚼するために、歯根膜の感覚受容器が

負荷の大きさと方向の情報を検知し咀嚼筋をコントロールしている。

歯根膜の感覚受容器と咀嚼筋は生理学的な反射で連動しています。

負荷のかかる歯によって、また方向によって、緊張が生じる咀嚼筋は

異なるのです。これは一方で早期接触など咬合異常による咀嚼筋の

緊張亢進の基礎をなす重要な反射です。

 

 【神経筋機構】

 歯根膜や歯肉・口腔粘膜に存在する受容器からの受圧情報と、筋肉や

顎関節に存在する受容器からの下顎の位置情報とが中枢と連携して

運動を制御する神経筋機構が、下顎の運動を規制していると考えられていて、

咀嚼筋の緊張がない筋安静位と、咬合した咬頭嵌合位との間に顎位のズレ

がある場合に、自発的に咬合させると、無意識に神経筋機構により

記憶された咬頭嵌合位で咬合します。

 

 【姿勢反射、顎反射】

 反射的に全身の筋が適度に緊張し、体の位置、姿勢、運動における平衡を

保つことを姿勢反射といい、体に何か負荷がかかったり痛みや刺激を受けると、

負荷に反発したり、痛みから避難するために刺激部位と同側の屈筋を収縮し

伸筋を弛緩させます。

 一方、体のバランスを保つために対側の屈筋は弛緩し、伸筋は収縮する。

体幹にそのような歪みを生じると、頭位もバランスとるような方向に傾斜する。

頭位の変化に伴って咀嚼筋の筋緊張は変化します。すなわち、頭位が

前屈した状態で咬合すると前歯部が、後屈した状態で咬合すると臼歯部が、

それぞれ咬合し、左右どちらかに傾斜すると、傾斜した側が咬合する。

このような顎位のズレを引き起こす現象は、緊張性頚反射に基づくものであり、

咀嚼筋も四肢筋と同様に緊張性頚反射の影響を受けているのです。

 

 これら反射を踏まえて水平位で、上顎咬合平面が床と垂直になる頭位で行い、

自発的に咬合させると、多くの場合、神経筋機構により記憶された場所で咬合

するため、咀嚼筋安静位と咬頭嵌合位が一致していない場合は、自身で咬ませず

咀嚼筋をリラックスさせ下顎にごく軽い振動を与えタッピングポイントを診査する。

これは、緊張性歯根膜反射により過高部を避けるか、もしくは過高部をすりつぶす

ような顎位で咬合してしまう弊害をさけるためです。

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。