タニダ歯科医院について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

気になる口内炎を早く治すコツ

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当院が開業以来ずっとこだわっていること

こんにちは。院長の谷田です。

 

今回はインフォームドコンセントについてお話します。

 

まず「インフォームドコンセント」という言葉の意味ですが、

簡単に言ってしまうと、患者さまへの説明と同意です。

患者さまが医師から治療内容などについて十分な説明を受け理解した上で、

患者さまご自身が同意され、ベストな治療方法を選択していただくということです。

 

医療においてこのインフォームドコンセントが重要な事は今更言うまでもありません。

当院では患者さまへの説明を徹底的にする事に開業以来こだわりを持って取り組んでいます。

 

 

口腔内カメラで患部の撮影、位相差顕微鏡システムによる菌の分析など精密な検査体制はもちろん、患者様と一緒にお口の中の状態を見ながら丁寧な説明を行っています。

 

 

また治療ごとに各種パンフレットも用意しておりますので、ご自由にお読みいただくことも可能です。

 

当院の理念は患者さまが感動する治療、充実したカウンセリングと説明ですので、その理念を大切に、スタッフ一丸となってこれからもずっと患者さまに寄り添った歯科医療サービスの提供に努めていきます。

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

口腔カンジダ症について

こんにちは

歯科医師の法貴です。暑い日から突然ですが

寒くなったので皆様体調管理には気をつけてお過ごし下さい。

 今回は口腔カンジダ症についてです。

 菌はヒトの皮膚や消化器官に住み着いており、

菌とヒトは互いに助け合って生きています。

それぞれの器官に住み着いた菌を常在菌と呼び、

ヒトが生きていくうえで必要な活動を行っています。

口腔内に定着した菌は口腔内常在菌といい、

1200近くの種類があります。口腔内常在菌の総数は

100億個いるとも言われており、外来微生物の侵入を

防ぐことで、感染を予防する役割を担っています。

舌、頬粘膜、歯肉、歯肉溝にはそれぞれ異なった菌が

分布しており、バランスを維持しながら生活しています。

真菌に属するカンジダも、ヒトの口腔を含めた消化管に

常在菌として生息しています。

 カンジダは、酵母と菌糸という2つの形態をとっています。

酵母は卵型で、11個が独立して増殖することができます。

カンジダは、栄養状態が良いと酵母の形で次々に増殖するが、

時として菌糸を形成することがある。カンジダ酵母は粘膜と

物理的に引き合って一次付着するが、その力は弱く、

簡単に除去されます。しかし、この酵母は唾液中や血液中の

タンパクを介してニ次付着する。一次付着より力強く付着し、

菌糸を伸ばすとさらに強固に付着します。

カンジダの酵母が菌糸を上皮下に侵入させ、痛みや発赤などの

症状を呈すると口腔カンジダ症とよばれます。

通常は周囲の菌に抑え込まれて増殖や病原性を示さないが、

宿主の生体防御反応の低下にともない症状を発現し、

日和見感染症であるカンジダ症となります。

 口腔カンジダ症は、宿主と細菌のバランスが崩れて生じる

日和見感染です。このバランスを崩すリスクファクターには、

口腔乾燥、不潔な義歯、放射線治療、ステロイドの局所投与などの

局所的因子と、高齢、免疫不全、悪性腫瘍、抗菌薬やステロイドの全身投与、

脳血管障害や糖尿病などの全身的因子とに分かれます。

AIDSに罹患してる人など免疫力が低下してリスクファクターが

取り除けない場合は重症化しやすく治りにくいです。

 口腔カンジダ症の症状は、口腔粘膜の疼痛や灼熱感、

味覚異常であり、嚥下困難を訴える方も多いです。病体としては、

白苔を形成する偽膜性カンジダ症、発赤をともなう紅斑性カンジダ症、

上皮の肥厚をともなう肥厚性カンジダ症に分けられます。

 

 次回はそれぞれの特徴について書いていきたいと思います。

 気になる事があればなんでも気軽に相談ください。

 

 

義歯の取り扱いについて

こんにちは。

訪問担当歯科医師の岩本です。
本日は義歯の管理についてお話ししたいと思います。

歯を失ってしまった時に使用する着脱式の義歯(入れ歯)は、大きく分けると

総義歯(総入れ歯)と部分床義歯(部分入れ歯)の2つに分けられます。

一般的な保険診療での義歯において、

その違いは固定用のバネがついているかどうかです。

このバネを歯科ではクラスプと呼んでいます。
クラスプが全くついていないものを総義歯、

一つでもついていれば部分床義歯と呼びます。

義歯の使用サイクルは、日中起きている間はできる限り装着し、

夜間は外して保管しておくというのが原則です。

 

小さい入れ歯ではそう影響がないこともありますが、

大きい入れ歯ですと、入れている時と外している時とでは、

咀嚼の仕方や飲み込み方がかなり変わってきます。

しっかり嚥下するには、上下のかみ合わせがあったほうが有利です。

義歯を入れ上下の歯でかみしめることにより体幹のバランスも

取りやすくなりますので、転倒の予防にもなります。

 

高齢者施設などに入所されている方で、

食後のケアタイムに義歯を外して洗い、

そのあとのリハビリを義歯無しでされてることがあるのですが、
本当はリハビリの時こそ、義歯は装着されるほうが望ましいと考えます。

 

また、部分床義歯のクラスプを掛けている歯は、

長く義歯を外したままでいると移動してしまうことがあります。
あまり移動してしまうと元の位置に義歯を装着することができなくなります。

このようなことを避けるためにも、

可能であれば日中は入れておいてください、とお願いしています。

 

一日の終わり、就寝前には必ず義歯を外して口腔ケアを行い、

義歯は流水下でこすり洗いした上で、

水(+義歯洗浄剤)を入れた保管容器に浸しておきます。

 

 

 

 

 

義歯は入り組んだ粘膜の表面にフィットするようオーダーメイドで作られていますので、

つるつるに研磨された外側と比べて、

内側はかなりでこぼことした形態になっています。

ですから、きちんと汚れを落とすのは案外難しいのです。

水でざっと流しただけでは、

窪んだ部分にうっすらと歯垢が残っていたりします。

特に、クラスプの付け根の部分には汚れがたまりやすく、

これらは見落としがちです。

 

 

 

 

 

 

清掃の際は明るい場所でよく見ながらこすり洗いすることが必要です。

 

 

 

義歯を夜間に外しておく理由には、以下のようなものがあります。

①顎の骨や粘膜を休ませる
ずっと義歯の下敷きになっている粘膜の部分は血行が妨げられています。
また、義歯を入れていても歯ぎしりをされる方の場合、

顎の関節に負担がかかります。
一日24時間のうち、8時間位は外す時間を作ったほうが良いと言われています。

②就寝時の唾液分泌量の低下による細菌の増殖を少なくする
義歯の下敷きの部分には唾液が触れにくくなっており、

自浄作用が働かない状態になっています。
また、舌や食べ物も直接接触しないため、

粘膜表面の老廃物は剥がれにくくなっており、

新陳代謝が妨げられています。
せめて夜間は外して、粘膜の健康を保つようにしたいところです。

③小さな部分床義歯の誤飲・誤嚥を防ぐ
ピッタリ合っている義歯だとしても、

着脱式である以上、何かの拍子で外れる危険はあります。

横になっている時に外れた場合は特に、

喉に落ち込む危険性があります。

 

但し、これらはあくまで「原則」であって、

実際はその通りにいかないこともあります。
例えば認知症のため、

ご自身で義歯をすぐ外してどこかにしまいこむ(無くされる)方でしたら、

食事時以外は介護者が義歯を預かる形にせざるを得ません。

また、夜、義歯を入れておかないと落ち着かなくて眠れないという方、

数少ない残りの歯がぐらついているために

義歯を入れて固定したほうが却って痛みが少ない、

という方もいらっしゃいます。
そのあたりはケースバイケースの対応が必要です。

夜間、どうしても外したくない方の場合は、昼間の、

食事以外の時間帯で義歯を外す時間を作ることをお勧めします。

 

 

唾液③

こんにちは、豊原です。

最近、朝晩の冷え込みがあり、秋の訪れが本格化してきましたが、

皆様いかがお過ごしでしょうか?この調子であっという間に年末が

やって来そうですね。まだ日中暖かいうちに外回りの大掃除、

始めた方が良さそうですね!

さて、今回も唾液の作用について書きます。

前回も唾液中の酵素をご紹介しましたが、他にも有名な酵素として

アミラーゼがあります。アミラーゼは唾液中の消化酵素であり、

パンや米などのでんぷんを麦芽糖へ分解します。

噛むことで食べ物と混ざり、消化を進めて小腸のマルターゼや

酸でさらに加水分解され、ブドウ糖になります。

ブドウ糖はグルコースとも呼ばれる単糖類でエネルギー源となり、

体にとっては大切な物質です。脂質よりも早く分解吸収されるので、

運動などでエネルギーを消耗した時や低血糖時などでは、

素早くエネルギーを補給するのにはブドウ糖が適しています。

脳がエネルギーとして利用できるのもブドウ糖であり、

人体にとってはとても大切な栄養素になります。

ブドウ糖は血中では血糖として存在し、インスリンにより

濃度がコントロールされています。血液中のブドウ糖濃度が上がると

インスリンの作用により中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。

このため、ブドウ糖を多く撮り過ぎると結果的に肥満を招き、

生活習慣病の原因につながります。

唾液にはさらに、上皮成長因子と神経成長因子が含まれていて、

組織修復による傷の治癒を促進してくれます。

しかし、だからといって手や足の傷に唾をガンガン吹きかけて

良いかと問われると私はNOと答えます。

なぜなら、唾液にはそういったプラスの因子も含まれますが、

口腔内細菌というマイナスの因子も含まれるため、

口腔清掃状態の良いとはいえない環境の唾液ならば、

吹きかけない方が良いように思います。

あくまでも、どうすることもできない環境で最悪の場合の

一時的な処置としてお考えください。

最後に唾液には、カルシウムイオン、リン酸イオン、フッ化物イオンなどが

含まれており、食事などにより一時的に脱灰状態になった歯のエナメル質を

再石灰化を促してくれます。正常な再石灰化が起こることで、

脱灰状態の進行を防ぎ、虫歯のリスクを軽減してくれています。

唾液についてたくさん述べてきましたが、唾液中の多くの有効な成分が

私たちの口腔内のみならず、体全体の健康維持に大いに寄与して

くれています。

少しだけ、自分の体の組織なり臓器なりに感謝してあげてくださいね。