出産後の歯科受診について-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

出産後の歯科受診について

こんにちは!歯科医師の法貴です。

4月に入り新生活をスタートさせた人も多いと思います。

まだまだコロナも落ち着かない状態なので

体調管理に気をつけながら今年度も頑張っていきましょう。

さて今回は出産後の口腔内、歯科受診についてです。

出産後は新たに始まった育児に時間を追われ、

心身ともに疲労も増してくると思います。

妊娠中は自分自身のための歯磨きが習慣化できていても、

出産後に継続できなくなることは珍しくはありません。

赤ちゃんが寝ている時や、家族が育児を担ってくれている時に、

不十分になっている歯磨きを、丁寧にするように心がけてください。

使用する歯ブラシなどのグッズは特に

変更する必要はありませんが、歯肉に炎症症状などが

残存している場合には「やわらかめ」タイプの使用をしてください。

どうしても育児中心のせいかつになるので、

もし時間がなければ含嗽も一つの手です。

赤ちゃんへのう蝕原生細菌の伝播を予防するためにも、

口腔内に多量のプラークを長時間貯留させないことが

伝播のリスクを下げるうえでも必要です。

出産後6〜8週間で身体はほぼ妊娠前の状態に戻るため、

通常の歯科治療は可能です。しかし、授乳中の産婦では、

エックス線写真撮影、歯科局所麻酔、薬剤投与による

母乳への影響を心配する方が少なくありません。

エックス線写真撮影の際には必ず防護用エプロンを着用し、

胸部から腹部にかけて遮蔽するため、一般患者と同様に

問題はありません。また、照射方向は歯や顎の骨であるため、

授乳中であっても関連しないです。

歯科で使用する麻酔薬は、局所で作用し分解されるため、

授乳中であってもとくに問題はありません。

母乳を介して乳児が暴露される薬物は、

乳児に対する治療量の10%にも満たない量である場合が

多いと言われています。さんかげつを過ぎた赤ちゃんは

代謝機能がしっかりとしてくるので、薬剤の成分が

ごくわずかに母乳へ移行したとしても、

歯科で処方する鎮痛剤や抗菌剤に関しては

まず心配ないと考えられています。

どうしても授乳への影響を心配される方には、

歯科治療前に授乳してもらったり、

搾乳して冷凍保存していただく方法もあります。

 

 

気になることがあればいつでも

タニダ歯科医院まで相談してください。

オーラルフレイル

こんにちは。訪問担当の岩本です。
今回は、フレイルについてお伝えします。

 
「フレイル」という言葉は、 日本老年医学会が2014年に提唱したもので、
「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。
これは「虚弱」「老衰」「脆弱」などの意味を持ち、主に身体の状態を指しています。

 「フレイル」とは、更に精神的、社会的な意味合いも加わった言葉であり、

生活機能の観点から見て「健康」と「要介護」の間にいる状態を指す呼称です。

 
身体的フレイルのチェック項目には、以下のようなものがあります。

 ・体重減少:半年で2㎏以上の減少
・疲労感:ここ2週間わけもなく疲れたような感じがする
・活動量低下:週に1回も運動をしていない
・歩行速度低下:横断歩道で青信号の間に渡れない
・握力低下:男性は28kg、 女性は18㎏以下

 これらのうち、3項目あてはまると「フレイル」状態とされます。

 

さて、このような全身機能の低下に伴い、
口腔の機能も低下します。

 こちらは「オーラルフレイル」と呼ばれています。

口腔機能の低下は栄養摂取量の低下に直結するため、
全身のフレイルをさらに悪化させる悪循環となります。

 

 

 

オーラルフレイルの場合は、

・歯や義歯の状態
・唾液の分泌量や、衛生状態はどうか
・咀嚼筋の強さはどうか
・舌は動かせるか
・嚥下の機能は保たれているか

 などで評価を行います。

 
若いころは定期的に歯科でメンテナンスを受けていたような人でも、
心身の機能低下により通院が出来なくなり、長く放置状態となることがあります。

特に入退院や施設入所などで移動を繰り返している間に、
義歯を紛失して噛めなくなっていたり、
体調不良によってセルフケアが疎かになり、
歯周疾患が急激に悪化していることがよくあります。

 

また、口の中は脚や腕と違い、外からは見えにくい部分であるため、

同居家族であっても、不調に気づかないことがあります。
また、長く不調であるとそれに慣れてしまって、
ご本人も敢えて訴えなくなっていることもあります。

 

 

厚生労働省によるとフレイルとは、

『加齢とともに心身の活力が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、
生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、
一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像』

 と定義されており、介入の有無が重要ポイントと考えられています。

 
外出が難しい体調となり、

しばらく歯科への通院が途絶えているような場合は、
訪問診療という方法があります。

歯科訪問診療は、外来通院での治療と同じとは限りません。

ご本人の体調を考え、無理のない範囲で

ご希望に沿う方向性を検討していきます。

 

歯と歯ぐきの「みぞ」にご用心!

 

こんにちは。院長の谷田です。
4月18日は『よい歯の日』、
日本歯科医師会が
「いつまでも食事を楽しんでもらいたい」
という願いを込めて制定した記念日です。

 

『よい歯』を守るためには
毎日の歯みがきが不可欠ですが、
どんなに歯をみがいても
汚れの落ちにくい場所があります。

 

それが、「歯」と「歯ぐき」の間にある、
『歯周ポケット』と呼ばれる「みぞ」です。

 

 

「歯周ポケットという名前は聞いたことがある」
という方も多いと思いますが、
実は、歯周ポケットの存在は
「歯を失ってしまう前兆」でもあるのです。

 

 

 

 

◆『歯周ポケット』って一体なに?

 

歯と歯ぐきの間は、一見すると隙間なく
ピッタリくっついているように見えます。

 

ところが、この境目には隙間があり
この「溝(みぞ)」を
『歯肉溝(しにくこう)』といいます。

 

 

通常、溝の深さは1mm程度しかありませんが、
ここにプラーク(歯垢)が溜まると、
歯周病菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、
溝が深くなります。

 

 

この「深くなった溝」こそが
『歯周ポケット』の正体です。

 

 

 

 

そしてなんと、『歯周病』が悪化すると
ポケットの深さは1cmを超えることも。
ちょっと想像しただけでも怖いですね。

 

 

 

◆ポケットが深くなるだけじゃない!

 

歯周病菌は
ただ歯周ポケットを深くするだけ
ではありません。

 

同時に『歯石』を作りだし、
そこを隠れ家にしてどんどん繁殖していきます。

 

歯の表面はもちろん、
歯周ポケットの中にも「歯石」を作りだすのです。

 

その奥には歯ブラシも届かないため、
「細菌のすみか」となり、
恐ろしい数の細菌が繁殖します。

 

 

 

 

そしてなんと、
歯周病菌が出す毒素により
歯を支える骨が溶けはじめ、
やがて歯が抜けてしまうのです。

 

 

 

 

 

◆歯周ポケットを深くしないために

 

歯周ポケットが深くなるほど、
歯周病菌によって
歯を支える骨が溶かされるリスクが高くなります。

 

しかし、
歯ぐきの中に生息している歯周病菌は
普通に歯みがきをしても
なかなか取り除くことができません。

 

 

そこで必要になるのが、
歯科医院でのチェック歯周病治療です。

 

歯科治療では歯の表面だけではなく、
専用の器具を使用して
ポケットが深い部分の歯石まで
しっかり取り除きます。

 

 

 

 

 

◆気づかないうちに「悪化」する…

 

実は、歯周病で最も恐ろしいのは、
目立った自覚症状がないまま
歯周ポケットがどんどん深くなることです。

 

 

気づいたときには
ポケットの深さが1cm以上!

ということも珍しくありません。

 

 

そこまで深くなる頃には、
すでに歯を支える骨も溶け始めています。

 

「歯ぐきが腫れてるかな?」
「ちょっと出血してるな…」

 

そんなときは、まず一度、
歯周病検査を受けてください。

 

ポケットが深くなる前にしっかり治療をして、
1本でも多くの歯を守りましょう。

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
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アレルギー①

こんにちは、豊原です。

桜が満開になり、春がやって来たと実感が湧きます!

卒業、入学、就職など、春は色んなことが新しく動き出す季節ですね。

そして、併せて花粉症の季節でもあります。

症状が年によってひどかったり、軽かったりと様々だと思いますが、

今日はアレルギーについて書きたいと思います。

 

そもそもアレルギーは、

本来ならば自分の身体を守るために備わった免疫システムが、

誤った方向に働いた時に起こる症状をいいます。

生物は自分の身体を外敵から守るために免疫を備えています。

免疫担当細胞は外敵を見つけ、排除してくれています。

実は生体内では毎日たくさんの癌細胞が生まれていますが、

この免疫担当細胞たちが頑張ってくれていることで、

私たちの身体はそう簡単には癌には侵されないのです。

しかし、このすごい免疫細胞たちもどういうわけか、

たまに失敗を犯し、自分の身体の細胞を間違って

攻撃してしまうことがあります。

これが“アレルギー”の正体です。

アレルギーも免疫反応の結果であり、

それを引き起こす原因になる物質のことを

アレルゲンといいます。

アレルギーはまず、特定の物質により症状が表れ、

その上で血液検査や皮膚や粘膜検査などを経て

診断に至ります。血液検査で異常値があっても

症状がない時はアレルギーとは診断されません。

アレルゲンは体内に入ると異物とみなされ、

排除しようとする免疫機能がはたらき、

I gE抗体が作られます。この状態をI g E感作といい、

いったん感作が成立した後に、再びアレルゲンが

体内に入ると、I g E抗体がくっつき、マスト細胞から

ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、

アレルギー症状を引き起こします。

アレルゲンとしては、花粉や食べ物、薬物、ダニ、金属、

化学物質など様々な物質があります。

接触した場所で症状が表れるものもあれば、

接触した場所から離れた場所に症状が表れることもあります。

正常な皮膚は、角質に守られており、異物が侵入しにくい

構造になっています。しかし、湿疹などがあり、

アレルゲンが皮膚のバリアを通過して、表皮や真皮に

侵入すると、免疫細胞と反応して感作が起こります。

これを「経皮感作」といいます。

一方、無害なアレルゲンに対しては、

制御性T細胞と呼ばれるリンパ球が働き、

アレルギー反応は起こりません。

これを免疫学的寛容といいます。アレルギーがある人は、

このシステムがうまくいっていないと考えられています。

「経口免疫寛容」とは、食べたものに対して

過剰なアレルギー反応を起こさないようにする

仕組みのことです。近年の研究結果から、

スキンケア不足による「経皮感作」により

食物アレルギーは進行し、食物アレルゲンを

症状なく食べて摂取を続けることにより

「経口免疫寛容」が誘導されることがわかってきました。

次回はアレルギーの予防について書きますね。

お花見を是非楽しんでください。

4つのキケンな『ほったらかし』