更新日: 2026/01/10
掲載日: 2026/01/08
こんにちは。歯科医師の毛利です。
今回は、歯を失った際の治療法のひとつである
「インプラント治療」についてお話しします。
歯を失ってしまった場合、そのまま放置してしまうと、
噛み合わせの乱れや周囲の歯への負担など、さまざまな悪影響が生じることがあります。
その結果、残っている歯の寿命が短くなってしまうケースも少なくありません。
歯を失ったときの主な治療法には、
「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の3つがあります。
それぞれに特徴がありますが、近年は
「しっかり噛めて、長く快適に使える治療法」として、
インプラントを選ばれる方が増えています。
今回は、これらの治療法の違いと、
インプラントのメリットについて分かりやすくご紹介します。
「インプラント治療について」
インプラントは、あごの骨に人工歯根を埋め込み、
その上に人工歯を装着する治療法です。
* 天然歯に近い噛み心地と見た目
* 周囲の健康な歯を削らない
* しっかり固定され、違和感が少ない
といった点が大きな特徴です。
適切なメンテナンスと定期的な歯科検診を行うことで、10年以上、
場合によっては20年以上使用できるとされています。
ただし、歯周病(インプラント周囲炎)や噛み合わせの不具合、
セルフケア不足があると、寿命が短くなることがあります。
「ブリッジ治療について」
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、
支えとして人工歯を固定する治療法です。
* 固定式で装着時の違和感が少ない
* 比較的短期間で治療が可能
* 条件により保険診療が可能
といったメリットがありますが、
寿命は一般的に7〜10年程度といわれています。
両隣の健康な歯を削る必要があるため、
将来的にその歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。
また、支えとなる歯がむし歯や歯周病になると、ブ
リッジ全体の作り直しが必要になる場合もあるため、
定期的なメンテナンスが重要です。
「入れ歯(義歯)について」
入れ歯は、取り外し式の人工歯で、部分入れ歯や総入れ歯があります。
* 外科手術が不要
* 保険診療が可能な場合が多い
* 身体的・経済的負担を抑えやすい
といった特徴があります。
寿命は一般的に4〜7年程度とされており、
使用しているうちにあごの骨や歯ぐきの形が変化するため、
定期的な調整や作り替えが必要になります。
また、着脱式のため違和感が出やすかったり、
バネをかける歯に負担がかかることもあります。
インプラントが多くの患者様に選ばれている理由として、
次の点が挙げられます。
* 自分の歯のようにしっかり噛める
* 周囲の健康な歯を守れる
* 見た目が自然で審美性が高い
* 噛む刺激が骨に伝わり、顎の骨が痩せにくい
* 適切なケアで長期間使用できる
初期費用はかかりますが、作り替えが少なく、
長期的に見ると満足度の高い治療法といえるでしょう。
「当院のインプラント治療について」
ひとくちにインプラントといっても、
世界中には100〜200種類以上のメーカーが存在するといわれています。
安心で正確な治療を行うためには、歯科医師の技術に加え、
信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことが重要です。
当院では、世界トップレベルのシェアと信頼性を誇る
ノーベルバイオケア社(Nobel Biocare)のインプラントを採用しています。

また、当院では執刀医を中心としたチーム医療によるインプラント手術を行っており、
専門的な知識と技術を持つ複数のスタッフが連携して治療にあたります。
これにより、スムーズで正確な治療が可能となり、
患者さまの負担軽減と高い安全性につながっています。
治療前には、お口の中の診査やCT撮影を行い、
患者様一人ひとりに合わせた治療計画をご説明します。
治療期間や費用についても、事前に分かりやすくお伝えします。
インプラント治療を行うかどうかは、その場でご判断いただく必要はありません。
歯を失ったことでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
掲載日: 2026/01/07

あけましておめでとうございます。院長の谷田です。
1月から、本格的な受験シーズンが始まりますね。
試験に臨む際は、焦らずにまず落ち着いて
問題を読み解くことが大切です。
これは歯科でも同じで、
痛い歯をやみくもに治療するのではなく、
まずは慌てずに原因を突き止めることが
重要です。
◆「この歯が痛い!」だけでは
治療できない?
歯医者に行ったとき、
「痛いのはこの歯だ、と伝えたのに
すぐに治療に入らず検査が続いた」
という経験はないでしょうか。
一刻も早く痛みから解放されたいのに、
レントゲンを撮られたり、
別の歯をチェックされたりすると、
もどかしさを感じてしまうかもしれません。

しかし、歯科医がすぐに治療に入らないのには、
明確な理由があります。
歯科診療の中で、
患者さんが「痛い」と感じる場所と、
実際にトラブルのある場所が一致しないのは
決して珍しいことではないからです。
特に、神経に達した深いむし歯で痛みが激しい場合は、
その発信源を特定するのが非常に難しくなります。
歯は一度削ってしまうと元には戻せないため、
このようなケースではより慎重な判断が必要となるのです。
◆上下でズレることも?
痛みの場所が食い違う理由
こうした感覚のズレは、
前歯よりも奥歯に行くほど
起こりやすいことがわかっています。
歯を刺激してどの歯に触れたか当てる実験では、
奥に行くほどその正解率は下がり、
前後3~5本の範囲で間違えてしまう人が
多くいました。
中でも第二大臼歯(前から7番目)では、
ひとつ手前の第一大臼歯と勘違いする人のほうが、
正解者よりも多いという結果がでています。
さらに、痛みが激しくなると
上下で痛みの場所を間違えることもあります。
これは上あごの神経と下あごの神経が
脳に向かう途中で合流するためで、
強い痛みの信号が送られると情報が混ざり合い、
正確な場所が判別できなくなってしまいます。

その結果、原因は下の歯なのに、
「上の歯がズキズキ痛む」
と感じてしまうことも少なくありません。
◆自己判断に頼らず、まずは詳しい検査から
痛みの原因が不明確なままの治療だと、
健康な歯を無駄に削ってしまうことにも
なりかねません。
そのため、歯科医師はすぐに治療に入らず、
まずは「痛みの発信源」を
突き止めることに全力を注ぎます。

「早く治してほしいのに…」
ともどかしく感じるかもしれませんが、
一連の検査は大切な歯を守るために
必要なプロセスです。
また、
「どこが痛いかうまく説明できない」
という場合でも、
原因の場所を一緒に探していきますので、
安心してご来院ください。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
更新日: 2025/12/27
掲載日: 2025/12/25
こんにちは。歯科医師の法貴です。
今年も残すところ1週間となりました。
年末に疲れが溜まってくるとストレス等で顎が痛い事があるかもしれません。
今回は顎関節症についてです。
「口を開けるとカクカク音がする」
「あごの周りが重い、痛い」といった症状は、顎関節症かもしれません。
顎関節症は、その原因や症状によって主に4つのタイプに分類されています。
各タイプの詳細な病態と症状
I型:咀嚼筋痛障害(筋肉の異常)
病態:ストレス、食いしばり、歯ぎしりなどにより、
あごを動かす筋肉(咀嚼筋)が持続的に緊張し、血行不良や炎症を起こしている状態です。
特に、頬にある咬筋やこめかみにある側頭筋に硬いしこり(トリガーポイント)ができ、
これが痛みの原因となります。
症状
頬やこめかみ周辺の筋肉痛。
口を開けたり、食べ物を噛んだりする動作で痛みが強くなる。
筋肉の緊張により、口が開きにくくなる(開口障害)。
II型:顎関節痛障害(関節の炎症)
病態:顎関節を包む関節包や、関節を安定させる靭帯に過度な力が加わり、
炎症を起こしている状態です。関節円板障害(III型)に合併して起こることもあります。
症状:
耳の穴のすぐ前にある関節部に、鋭い痛みを感じる。
安静時よりも、あごを動かしたときや、関節部を押したときに強い痛みがある。
III型:顎関節円板障害(クッションのズレ)
病態:
顎関節の骨と骨の間にある軟骨のクッション(関節円板)が、
本来の位置から前方にずれてしまう病態です。
このタイプは、円板が元の位置に戻るかどうかでさらに細分化されます。
口を開ける途中で、ずれた円板を関節頭が乗り越える際に「カクッ」という音(クリック音)が鳴り、
円板が元の位置に戻ります。閉じる際にも音が鳴ることがあります。
症状は主に関節雑音で、痛みは伴わないことも多いです。
円板がずれたまま元の位置に戻れず、関節頭の動きをブロックしている状態です。
これにより、口が指2本分(約30mm)も開かなくなる
「クローズドロック」という重度の開口障害を引き起こすこともあります。
IV型:変形性顎関節症(骨の摩耗)
病態:長期間にわたる関節への負担や、III型(円板障害)が進行した結果、
顎関節の骨自体が変形してしまう状態です。
骨の表面がすり減ったり(エロージョン)、骨の縁にトゲのような突起(骨棘)ができたりします。
症状:
口を開け閉めする際に「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」といった摩擦音(クレピタス)が聞こえる。
関節の変形により、あごの動きが制限され、開口障害や偏位(あごが曲がって開く)が見られる。
鈍い痛みを伴うこともあります。
顎関節症の治療は、この病態分類に基づいて行われます。
例えば、I型であれば筋肉を緩める治療、III型であれば円板の位置を改善する治療が中心となります。

今年も一年大変お世話になりました。来年もタニダ歯科をどうぞよろしくお願いします。
掲載日: 2025/12/18
こんにちは。訪問担当の岩本です。
訪問歯科では、高齢の方や通院が難しい方に訪問先にて歯科治療を行いますが、
抜歯や外科的処置(出血を伴う=観血的処置)の必要が生じた際、
ケースによっては病院歯科での通院治療をおすすめすることがあります。

これは安全性を最優先した結果なのですが、今回は、その主な理由についてお伝えいたします。
まず大きな理由は、観血的処置には緊急対応ができる設備と人員が必要だからです。
抜歯などの外科処置では、まれに大量出血や血圧の急変、気道のトラブルなどが起こることがあります。
病院歯科には血圧・心電図モニター、酸素、吸引機、点滴設備など、万が一の際にすぐ対応できる環境が整っています。
また、歯科医師だけでなく看護師や医師が連携しやすく、緊急時の対応力が高い点も重要です。
次に、訪問診療の対象者には持病を抱えている方が多いことが挙げられます。
心臓病、脳血管疾患、認知症、糖尿病、抗凝固薬(血液さらさらの薬)の服用など、
リスクが高い患者さんが多いため、観血処置には細やかな全身管理が欠かせません。
病院歯科では医科との情報共有がスムーズで、必要に応じて主治医と相談しながら安全に処置を進めることができます。
さらに、訪問先の環境では外科処置に必要な衛生管理が難しいという面もあります。
抜歯などの観血処置では、器具の滅菌や十分な照明、治療スペースの確保などが重要ですが、住宅や施設では限界があります。
また、術後の管理や経過観察も病院のほうが詳細に行えます。
最後に、法的・制度的な基準も影響します。
訪問歯科では基本的に“安全に実施可能な範囲の処置を行う”とされており、
大きなリスクを伴う処置は外来や病院で行うよう示されています。
このように、観血的処置を病院歯科に依頼するのは、「患者さんの体にとって最も安全な選択」をするためです。
訪問歯科と病院歯科が連携し、その方にとって適切な場所で治療を行うことが、結果として最善の医療につながると考えています。