タニダ歯科医院について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

入れ歯について

こんにちは。訪問歯科医師阿部です。

訪問歯科への依頼の中には、

「入れ歯が痛い」「入れ歯が落ちる」「入れ歯をなくした」「入れ歯がわれた」

等、入れ歯に関するご依頼がたくさんあります。

今回から数回に分けて、入れ歯についてのお話をしようと思います。

お伝えしたいことがたくさんあるのですが、今回は特に、入れ歯の必要性についてお話ししたいと思います。

 

 

  • 入れ歯の必要性について

 

人生100年時代。長い一生自分の歯がしっかり残っていればいいのですが、なかなかそうもいかず、高齢になると虫歯や歯周病の進行などによりやむを得ず次第に歯を失ってしまいます。そんな時に入れ歯(を入れること)は、失った歯を補う大切な方法の一つです。

では、歯が抜けたまま放っておくとどうなるでしょうか?

 

・咬む力が落ちて良く咬めず、胃腸の調子が悪くなるでしょう。

・息が漏れて上手く発音できず、おしゃべりがしにくくなるでしょう。

・歯が抜けたところの隣の歯が倒れてきたり、噛んでいた相手の歯が伸びてきたりして、歯並びが悪くなり、磨きにくいため虫歯や歯周病になりやすなります。

・咬み合わせが徐々に悪くなり、あごの関節まで痛めることがあります。

・口元にしわができたり、頬がくぼんだりして老けて見えるかもしれません。

 

…困ったことがたくさん起こりますね…。歯は抜けたままにしないようにしましょう。

さらに最近では、しっかり咬める入れ歯を入れることで、認知症のリスクが下がることや、転倒のリスクも下がることも、わかってきています。

 

 

高齢者の生活の質(QOL)の維持、向上に入れ歯はとても重要な役割を持っているのです。

 

今回は入れ歯の必要性についていろいろ挙げましたが、なんといっても「しっかり咬めておいしく食事ができること」は、人間生活の中でとても重要かつ大切な要素です。歯を失ったご高齢の方が食べる楽しみを得るには、しっかり機能する入れ歯が必要です。

私も歯科医師として、ご高齢の方の「食べる楽しみ」を守るべく、ますます精進してまいりたいと思います。

 

口腔機能低下症について

こんにちは。歯科医師の法貴です。

急に暑い日が続いていますが、

体調は崩していないでしょうか?

今回は口腔機能低下症についての話になります。

口腔機能低下症は、う蝕や歯の喪失など従来の器質的な

障害とは異なり、複数の口腔機能の低下による

複合要因によって現れる病態です。

適切な管理と動機づけを行うことで、

さらなる口腔機能低下の重症化を予防し、

口腔機能を維持、さらに回復することが可能となります。

口腔の機能低下を経由して、

全身の機能低下が進行する過程の概念が初めて示され、

口腔の機能低下はオーラルフレイルと表現され,

身体的フレイルの予防には口腔機能の維持が

重要であることが強調されています。

 

 

口腔機能低下症を診断するための口腔機能精密検査の

項目としては、

口腔衛生状態不良口腔乾燥咬合力低下舌口唇運動機能低下

舌圧低下咀嚼機能低下嚥下機能低下

7つの項目がある。

そのうち3つの項目が該当した場合,

口腔機能低下症と診断します。

今回は当院でも実施している項目を紹介します。

 

1口腔衛生状態不良

舌苔スコア

Tongue Coating IndexTCI)を用いて、

舌苔付着程度の計測を行います。

視診にて評価エリアの舌背を9分割し、

舌苔の付着程度を3段階(スコア0 1 2)で評価する。

TCI50%9/18)以上の場合,

口腔衛生状態不良と評価します。

 

2口腔乾燥

口腔粘膜湿潤度検査

口腔水分計ムーカス®を用いて、

舌から10mmの位置でセンサー部を圧着し計測を行う.

3回計測を行い,中央値が27.0未満の場合,

口腔乾燥と評価します。

 

3咬合力低下

残存歯数

口腔内診査により,保存不可(残根や動揺度3

の歯を除いた残存歯が20本未満の場合,

咬合力低下と評価します。

 

4舌口唇連動機能低下

「毎日パタカラ(サンスター)」等を用いて、

pa/ta/ka/をそれぞれ5秒間連続して発音し、

計測を行います。(オーラルディアドコキネシス)。

1秒あたり 6回未満の場合、

舌口唇運動機能低下と評価します。

 

5舌圧低下

JMS舌圧測定器を用いて、

舌圧プローブのバルーンを舌で押し潰し、

3回計測を行い,最大舌圧の平均値が

30kPa未満の場合,低舌圧と評価します。

 

6嚥下機能低下

聖隷式嚥下質問紙

摂食・嚥下に関する15項目の質問に対して、

3段階(A~C)で回答し、

Aの項目が1つ以上ある場合、

摂食・源下障害の疑いありと評価します。

 

何かわからないことがあればいつでも相談してください。

とろみ剤

こんにちは。訪問担当の岩本です。

 

今回はとろみ剤の話をします。

とろみ剤とは、

嚥下障害がある方の飲食物に混ぜて粘度を調整するための製品です。

 

「嚥下障害」とは、

食べ物や飲み物を飲み込む際に困難を感じる状態を指します。

嚥下障害があると

誤嚥(飲食物が誤って気管に入ること)が発生しやすくなり、

窒息や肺炎の原因となり得るため、出来るだけ避けなければなりません。

毎日の食事にとろみ剤を使用することで、

適度な粘度を与え、嚥下がスムーズになり、誤嚥のリスクを低減することができます。

 

 

とろみ剤には、

主に以下のような特徴があります。

1. 粘度の調整
とろみ剤は、食べ物や飲み物の粘度を細かく調整することができます。
例えば、水のような流動性の高い飲み物にとろみ剤を加えることで、
ジュースやスープ、ペースト状に変えることができます。
これにより、飲み物が喉を通過する速度が遅くなり、嚥下しやすくなります。

 

2. 使用の簡便さ
とろみ剤は、粉末状や液状の形態で市販されており、使用が非常に簡便です。
粉末状のとろみ剤は、飲み物や食べ物に混ぜるだけで粘度を調整でき、
液状のものも同様に簡単に使用できます。
また、即座に溶けるため、食事の準備に時間がかかりません。

 

 3. 安全性と味への影響
とろみ剤は安全性が高く、日常的に使用しても健康に影響を与えることはありません。
また、多くのとろみ剤は無味無臭であるため、
食べ物や飲み物の味を変えることなく、自然な状態で嚥下を助けることができます。

 

4. 適用範囲の広さ
とろみ剤は、飲み物だけでなく、スープやソース、デザートなど
さまざまな食品に使用できます。
また、固形食を嚥下しやすい状態にするために、ピューレ状にする際にも利用されます。

 

5. 栄養の保持
嚥下障害があると、栄養を充分に摂取することが難しくなることが多いです。

とろみ剤を使用することで、栄養価の高い飲食物を安全に摂取できるようになり、
栄養状態の改善にも寄与します。

このように、とろみ剤は嚥下障害者の生活の質を大いに向上させる重要なツールです。

 

ですが、注意すべき点もあります。

薬を服用する際、さらさらの水ではむせるからと
とろみ剤入りの水で服用すると、
薬が体内で消化分解されずに排出されてしまうことがあります。

 

※岩手医科大学薬学部のHPよりお借りしました

 

これでは薬の効果が期待できなくなるため、
服薬時にはとろみ水ではなく、服薬ゼリーの使用など
別の方法を選ぶ必要があります。

高齢者施設などでは食事の際に提供された
とろみ水でそのまま服薬することもあると思います。
薬効に影響しない、新しいとろみ剤の開発が待たれるところです。

気になる歯石、自分で取っても大丈夫?

 

こんにちは、院長の谷田です。
6月に入り雨模様が続くこの時期は、
なんとなく気分がすぐれない日も
あるかもしれません。

 

そんな気だるさから、
普段は当たり前に行っている習慣を
疎かにしてしまうと、
健康状態が悪化するリスクを
招くことがあります。

 

そのリスクのひとつが「歯石」です。

 

日々の歯みがきが不十分だと
歯に付着した歯垢(プラーク)が
やがて歯石となり、
色々な害を引き起こします。

 

中には
「歯石を自分で取り除いている」
という人もいるかもしれませんが、
この行為は効果が無く、
むしろ危険を伴うため注意が必要です!

 

 

 

 

◆毒性があるのは歯石ではなく、
 歯石につく◯◯!

 

歯石とは、
歯の周囲に溜まった
細菌の塊である歯垢(プラーク)が
だ液に含まれるミネラル成分によって
石のように硬くなり、蓄積したものです。

 

歯石には大きく分けて、
目に見える黄白色の
「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」と、
歯ぐきの下に隠れている、黒っぽい
「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」があります。

 

 

 

この歯石自体に毒性はありませんが、
お口の健康のためには
取り除くことが必須です。

 

その理由は、
ざらざらした歯石の表面が
細菌の繁殖にはうってつけの環境であり、
この細菌が、歯や歯ぐきに
悪影響を及ぼしてしまうからです。

 

 

 

 

◆歯石を放置するとこんなことが…!

 

細菌だらけの歯石を
除去しないまま放置すると、
やがて歯周病が悪化する
原因となります。

 

 

 

歯石の表面の凹凸に入り込んでいる細菌は、
通常の歯みがきでは完全に除去できません。

 

その結果、歯石がついた周囲の歯ぐきで
炎症が起こって腫れてしまい、
歯と歯ぐきの間のみぞ(歯周ポケット)が深くなります。

 

この環境下で歯周病菌が増えることで、
歯周病が悪化していきます。

 

さらに、歯周病菌は
悪臭を伴うガスを放つため、
口臭も強くなってしまいます。

 

これらを回避するためには、
細菌のすみかとなる歯石を
早めに取り除くことが肝心です。

 

 

 

 

◆絶対やめた方がいい…
 自分で歯石を取る危険性とは?

 

歯石を早く取ったほうがいい、となると、
「自分で歯石を取ってしまおう!」
と考える人もいるかもしれません。

 

しかし、自分で歯石を取ろうとすると
歯や歯ぐきを傷つけることになり、
歯石を全て取ることも不可能です。

 

また、取り残された歯石に付着した細菌は、
変わらず毒素を出し続けるため、
歯周病や口臭が確実に悪化します。

 

このように逆効果にしかならないため、
自分で歯石を除去する
メリットはありません。

 

 

 

これらの理由から、
歯石を自分で取ることは絶対に避けましょう。

 

 

 

 

◆歯石の害、どうしたら食い止められる?

 

歯石への最善の対処法、
それはズバリ、
「定期的に歯科医院で取ってもらうこと」です。

 

歯石は一度取った後も、
お口の中のプラークが再び歯石となり、
繰り返し付着してしまいます。

 

そのため、一般的には
3~6か月に一度のペースで
定期的に歯石取りに通い、
きれいな状態を保つことをおすすめします。

 

お口の悩みのタネとなる歯石を
歯科医院で安全かつきれいに取り除き、
健康な歯ぐきを維持していきましょう!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

歯科恐怖症

こんにちは歯科医師の久貝です

みなさん歯医者さんへ行っていますか?

よく「定期健診へ行きましょう!!」って聞きますが

そもそも「なんで歯医者に行かなアカンねん?」って、

思っている人も多いのでは?

「自分歯医者キライやねん。っていうか怖いし・・・」って

思っている人も多いのではないでしょうか?

はい、そーゆー僕自身も歯医者さんは怖いです。

何かねぇ・・・口の中をゴリゴリされているし

自分の目では、何をされているのかよく判らないし・・・

とりあえず「怖い」の一言ですよねぇ・・・

「歯科恐怖症」って言うんでしょうか

過去の歯科治療によって、「怖い思い」や、

 

 

「嫌な思いをした事」で、そのトラウマによって

歯科治療が怖くなってしまっている、

そんな人は案外多いのではないでしょうか

そういう患者さんによく見られる事として

「虫歯になっても歯科医院への受診をためらってしまう」

そのため、簡単には受診ができず、

痛み止めを飲んでやり過ごす方も多々いらっしゃいます。

ところが虫歯は自然には治らないので、

虫歯がどんどん進んでしまい、

気がついたら、激痛になり、食べることも生活しているだけでも

ズキズキとしてしまいます。

そうすると、さらに恐怖心が増してしまい、

さらに歯医者に行きづらくなる、そんなケースがあります。

歯科が苦手な理由としては様々ですが、

例えば以下の様な事が挙げられます

・小さい頃の歯科治療でのトラウマ
・機械の音が合わない
・削られるのがイヤ
・歯医者の匂いが合わない
・先生が怖かった
・十分な説明がなかった
・歯がボロボロで恥ずかしい
・麻酔の注射がダメ
・麻酔が効かなかったことがある
・パニック障害がある
・嘔吐反射で型取りが苦手
・嘔吐反射で口の中に器具を入れることができない
・先端恐怖症
・閉所恐怖症

では、このようにして歯科恐怖症になってしまった場合、

どのように歯科治療を受ければよいのか?

原因が様々なため、「コレをしたらOK!!」という解決法はありませんが

対処方法としては幾つか考えられます。

初診の時は必ず問診(カウンセリング)がありますので、

そのときに伝えるようにしましょう。実はここが一番大事です

まず、しっかりと自分のことを知ってもらい、

できることできないことをあらかじめ伝えることで

かなりスムーズに治療を行うことができます。

それによって、歯科医療者側は対応を変えることができます。

もちろん、クリニックによって対応は違いますが、

できる限りの対応はしてくれるはずです。

 

万が一、全く対応してくれないクリニックではあれば、

安心して通院することができないので、

遠慮なく別のクリニックに変えましょう。

例えば「機械の音が嫌だ」という患者さんに。

⇒5倍速エンジンという音の小さい切削器具や

、機械ではなく、手用の器具にて対応することで、

音ない、あるいは、極力小さい音で治療を行うことができます。

麻酔の注射が痛くてつらい。

⇒注射による麻酔を浸潤麻酔といいますが、

浸潤麻酔を行う前に、表面麻酔という塗り薬を塗ることにより、

注射による痛みや負担は軽減されます。

また、浸潤麻酔をゆっくりめに注入してもらうことでも

痛みは軽減することができます。

それでもしんどい時は、笑気麻酔や静脈内鎮静法による治療をすることで、

ほとんどの場合、スムーズに麻酔の注射を行うことができます。

麻酔が効かなかったことがあって不安。
⇒浸潤麻酔と呼ばれるお口の中に注射をすることにより

鎮痛させる麻酔でのトラウマがある場合、

なぜその時麻酔が効かなかったのか、

また、今回も効きづらかった場合は、

追加で麻酔を足すこともできることを伝えれば、

ほとんどの場合、安心して治療を受けることができます。

嘔吐反射があり、型どりができない。

⇒嘔吐反射がある場合は、型どりを行う際、

型取りの材料を極力少なめにする、小さめのトレイを使う、

診療台を起こし気味で行う、笑気麻酔や静脈内鎮静法を行い、

嘔吐反射を抑えた上で治療を行う、光学印象という粘土のような材料ではなく

、光によるスキャンによる型取りシステムで行う、

喉付近に反射を抑制する浸潤麻酔を行う、等様々な対応方法があります。

パニック障害や不安症があって不安。

⇒とにかく少しずつできる治療を増やしていくことが重要です。

前歯の歯ブラシはできるか、奥歯の歯ブラシはできるか、

ミラーは口に入れても大丈夫か、機械を使ったブラッシングはできるか、

など、少しずつできることを増やす、

達成感をつくるようにしていくことで不安が軽減されます。

急ぎの治療箇所がある場合は、笑気麻酔や静脈内鎮静法を有効です。

という風に、あらかじめ患者さんの不安事項や懸念事項がわかっていると、

対応できることも多いので、しっかりとした「伝える」コミュニケーションが重要です。

タニダ歯科医院なら個室も完備しているため、

人目を気にすることなく不安なことを相談して下さい。

患者さんと、僕らスタッフの信頼関係を築く事が、

より良い治療を進める上での第一歩であると思っています。