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タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

お子さんの足ぶらぶらはNG!姿勢が悪いとむし歯になる!?

歯を守るための力のコントロール ㉒

歯を守るための力のコントロール ㉒

 

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ 動揺歯に対する固定と咬合調整

 

歯の動揺は臨床で頻繁にみられる所見であり、不快感や咀嚼機能の障害を

引き起こす要因となる。その主な原因は、歯周炎に伴う歯槽骨吸収や

咬合性外傷、あるいは両者の併存である。

動揺歯の予後が悪いという結果は、臨床的な印象と一致しているが、

動揺歯の多くはアタッチメントロスを伴っており、

動揺そのものが予後に影響するとは言い難い。

純粋に「動揺」そのものが予後に与える影響を明らかにするための

唯一の方法は、動揺歯を固定した場合と固定しなかった場合の比較と考えられる。

そこで長期的な固定の影響について,Graetzらは、重度歯周病患者に対し

固定を行った歯と、同程度に疾患の進行した非固定歯を比較し、

予後を後ろ向きに調査した。年齢、PPD、骨吸収量、咬合接触の有無などの

因子を調整した多変量Cox回帰分析の結果、固定処置そのものは

歯の喪失のリスクを有意に変化させないことが示された。

一方で,固定の維持には年間平均0.4回の修理が必要であり、

特に下顎前歯や咬合支持のない症例では修理頻度が高い。

これらの結果から固定は,動揺歯の保存に一定の有効性を持つものの、

動揺の改善や歯周組織の回復、歯の保存において決定的な役割を果たす

ものではないことが示された。

したがって、歯の固定は歯の動揺による咀嚼障害や不快感の軽減を目的とした

補助的治療法として位置付けられ、適応に際しては症例ごとに慎重に判断する

必要がある。

 

近年のヨーロッパ歯周病連盟によるS3ガイドラインにおいては、

「歯列が保存されている場合、進行したアタッチメントロスによる歯の動揺が

増加しているStage IV の歯周炎患者において、動揺歯に対する固定が

どの程度有効であるか?」というクリニカルクエスションに対して、

固定の効果に関してエビデンスの質は低く、Gradeは0であった。

Grade 0は、特に推奨がないという意味であるが、個別の症例に対しては

臨床的判断に基づいて考慮しても良い、という位置付けとなっている。

例えば、長期的な固定は患者の快適性向上を目的として考慮されうると

されている。歯の挺出、唇側転位、傾斜、空隙形成などの歯列異常が認められ

重度の歯周組織の喪失に起因する咬合崩壊や咀嚼機能障害が観察され、

単独の歯周治療だけでは機能回復や予後の安定化は困難である場合は、

スプリントや咬合調整、場合によっては,矯正治療や補綴治療を含めた

学際的アプローチが必要とされる。

 

 

◆ 外傷性咬合力と歯周炎

 

外傷性咬合力が歯周炎の重症度と関連する可能性が報告されているものの、

歯周炎の進行を加速させる因果関係は明確に示されていない。

外傷性咬合力は一部の症例において歯周組織に影響を与える可能性はある

ものの、ヒトにおける歯周炎の進行や付着喪失との直接的な因果関係は

支持されていない。時々「力のコントロール」という言葉が

プラークコントロールと並列され、

「歯周治療はプラークコントロールと力のコントロールの両輪により成り立つ」

なる言説を見かけるが、学術的な観点からこれは正しい表現ではない。

まず歯周治療における「力のコントロール」という言葉自体は国際的な専門用語

としては存在しない。咬合治療は全ての患者にルーティンに行われるものではなく、

的確な診断に基づいて選択的に行われるべきものであり、

あたかも全ての歯周炎患者に咬合治療が必要であるかのような考えは間違いである。

 

歯周病学的な観点から歯の動揺は主に「歯槽骨の吸収によるもの」と

「外傷によるもの」に分けられる。基本的には歯槽骨の吸収による動揺に対しては

固定が適用されるが、これはあくまで機能的な理由などによる対症療法であり、

歯周治療の効果に影響するものではない。

また咬合性外傷による歯の動揺で特に問題視すべきは「進行性の動揺」であり、

他の所見と組み合わせて臨床的な診断に基づいた咬合治療を行うべきで、

ルーティンに行うものではない。

したがって歯の動揺そのものは何らかの原因による結果であり、

進行性でない限りは、それ自体が病的な状態や歯の喪失のリスクではない。

 

 

図 48時間おきにウェッジを入れ替え繰り返しの外傷を

加える実験でも歯周炎の進行に影響しなかった。

 

 

◆ 持続的な咬合性ストレスとなるTCH;上下歯列接触癖

 

通常の咀嚼、嚥下、会話で上下の歯の接触時間は積算して

1日平均17.5分であると報告されている。

歯の接触は生理的接触以外にストレスや重たい物を持つ時などの

環境変化に対して歯の接触を生じる。

このような歯の非生理的接触が繰り返され、

癖として常態化したものがTCHである。

このTCHでは強いかみしめではなく軽い接触を長時間持続することが多く、

弱い力が持続的に作用していても当初その疲労感に気が付くことがなく、

長時間作用した負荷が加わることになり、クレンチングよりも

顎口腔系への負荷量は多くなる可能性があると考えられている。

顎関節症患者のTCH保有割合は2003年時に80%程度と高い割合となっている。

 

「水滴石穿(すいてきせきせん)」

という言葉は小さい力でも積み重なれば強大になることのたとえで、

一滴の水が石に加える力はごくわずかであっても、

繰り返し加えられるわずかな「力」が長期的には岩に穴を開ける程の外傷力として

作用している。小さな外傷力でも,長期的に繰り返し加わることで歯周組織を

外傷的に損傷させ得ると考える蓋然性は高い。

 

そして,良好な口腔内環境を長期的に保つためには、

常に客観的な眼で診る炎症と咬合のコントロールを意識したメインテナンスを

行っていくことが重要であると考えております。

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

 

歯周病について

こんにちは。歯科医師の柏谷です。今回は歯周病について書いていきます。

歯周病は大人の90%が罹患していると言われています。そもそも歯周病とはどういったものなのか書いていきます。

歯周病とは漢字の通り歯の周りの病気です。

歯の周りというのは歯茎、歯を支える骨、歯根膜、セメント質のことを指します。

これらがプラーク(汚れ)によって引き起こされることによって起こる病気です。

口の中には体の中で1番多くの細菌がいます。この細菌は普段悪いことはしませんが、

歯磨きが十分でなかったり、糖質を過剰に摂ると細菌がネバネバした物質を作り出し歯の表面にくっつきます。

これがプラークです。プラークがどんどん溜まると集まって膜を張ります。

いわゆるバイオフィルムというものです。

わかりやすくいうと銭湯の入り口のところがヌメヌメしたものと一緒です。

それも放っておくと硬くなり、歯石といわれるものになります。全て細菌の集まりです。

この細菌は始め歯茎から悪いことをします。歯肉炎という状態です。

歯茎が真っ赤になったり歯磨き中に出血したりします。歯肉炎という状態を放っておくと歯周病になります。

歯周病は歯茎が赤紫色になります。歯茎から出血したり膿が出ます。歯茎がなくなり歯が長く見えたりします

。歯が揺れて腫れたり痛みが出ます。歯周病の治療法について説明します。

歯周病の原因のプラークをなくすことです。そのためには日頃の歯磨きが最も重要です。

毎食後歯磨きを行い、フロスをきちんとすることが1番大切です。

それでも自分では汚れを取りきれないところがあります。

そこで3ヶ月に1度でいいのでタニダ歯科でクリーニングにいくことが大切です。

次回は歯科医院での歯周病治療や全身との関係性について書いていきたいと思います。

根管治療

訪問診療部の川村です。
訪問診療では、ベッドの上だったり、車椅子に座っていたり、外来で治療する時に比べると治療の難易度が上がります。
最近も、訪問診療で歯の神経を取る処置をしました。
椅子に座った状態で、1回1回少しずつ治療を進めていくので回数はかかりますが、症状も出ず終わることができました。
ということで、今回のテーマは、根管治療(根の治療)についてにします。
Q.根管って何ですか??
A.『歯根の中軸にある管状の部分。象牙質に囲まれていて歯髄が詰まっている。歯根管。』(国語辞典より)
簡単に言えば、歯の神経が入っている空間のことです。
つまり、根管治療とは、歯の根の中(歯根)の治療のことになります。
根管治療の中には、大きく分けて2つの治療があります。
1.歯の神経を取る(抜髄)
2.細菌感染を起こした歯の根の治療(感染根管処置)
現在治療中の方、今まで根管治療を受けた経験のある方もいらっしゃると思います。
治療回数がかかりますと言われた記憶はありませんか?
実は、この根管治療は、歯科の治療の中で回数がかかる治療になります。(何回かかるか確定できない。根管の状態によりけり)
それには、理由があります。
①目に見えない
虫歯の治療だと、目に見える部分の治療になります。実際に目で見て、虫歯を削って治療します。
ですが、根管治療では、歯の根の中を治療していきます。もちろん、根管の上部は見えますが、基本的には目で見えません。
目で見えない部分を、小さな器具を使って、手の感覚を使い治療していきます。
ですので、少しずつ少しずつ治療していくので、回数がかかります。
特に奥歯(臼歯)は、口の中の奥にあるので、器具も届きづらいですし、難しいです。
また、開口量が小さいと、手の動きが制限されたりするので難しいです。
歯の傾きが強くあったりすると難易度は増します。
②歯の根の数が1つだけではない
歯の根の数は、前歯(切歯、犬歯)も奥歯(臼歯)も1つだけ・・・と思っている方いらっしゃいませんか?
確かに、前歯(切歯、犬歯)は根っこは、1つです。ですが、奥歯(臼歯)は1つの歯もありますが、2つ・3つある歯があります。
単純に考えて、やはり、根の数が多くなるほど治療しなければいけない箇所が増えるので回数がかかります。
③根管の形が複雑
基本は、1つの歯根に、根管は1つです。ですが、中には、1つの歯根に2つ根管がある歯もあります。
すると、処置しなければいけない根管の数が増えるので、回数がかかります。
 また、根管は真っ直ぐとは限りません。真っ直ぐですと、器具も先まで通りやすいです。ですが、大抵の場合、彎曲していることが多いです。(特に臼歯)やはり、彎曲していると器具を先まで到達させるのは難しくなります。
 また、根管自体が狭窄している場合もあります。狭窄していると、中々器具が先まで通ってくれません。
徐々に道を開けていかなくてはいけないため、回数がかかります。
中には、完全に閉じてしまって、全く通らないケースもあります。
以上ような理由があります。
根管治療は、回数がかかります。大体、週1のペースで根管内を洗浄して、お薬を交換していきます。
途中で中断してしまったりすると、回数が余計にかかったりします。
また、仮封が取れてしまったままそのまま放置していたりすると、根管内に細菌が入り込んでしまいます。
せっかくきれいに洗浄していても、汚染されてしまいます。
現在根管治療中の方、回数がかかりますが、頑張って治療に通って下さい。
もし、仮封が完全に取れてしまったら、直ぐに来院して下さい。

その1本が歯の寿命を縮める!?喫煙と歯周病の関係

 

こんにちは。院長の谷田です。
11月17日は肺がんへの理解と
予防意識を高めるために定められた
「肺がん撲滅デー」です。

 

肺がんの主な原因とされるタバコは、
全身のさまざまな病気のリスクを高めることが
知られています。

 

その影響は、お口の中の病気も
例外ではありません。

 

 

 

 

◆ヤニ汚れより怖い!
 タバコが奪う” 歯の寿命”

 

タバコによるお口トラブルといえば、
「ヤニ汚れ」「口臭」
イメージされる方も多いでしょう。

 

しかし、タバコの害で本当に怖いのは、
歯の寿命そのものを縮めてしまうことです。

 

ある調査では、70代の喫煙者は
非喫煙者よりも平均で約8.5本
歯が少ないという結果が報告されています。

 

 

 

その背景にあるのが、
歯を失う原因で最も多くの割合を占める
「歯周病」の存在です。

 

喫煙はこの歯周病の進行を早めるだけでなく、
歯周病治療の効果まで下げてしまいます。

 

この二重の悪影響によって、
タバコを吸う人ほど
歯を失うリスクが高まってしまうのです。

 

 

 

 

◆知らないうちに進む喫煙の”二重ダメージ”

 

タバコが歯周病の進行を早める主な原因は、
煙に含まれる3 つの有害物質
(ニコチン・一酸化炭素・タール)です。

 

・ニコチン:血流を悪化させ、歯ぐきを栄養不足にする
・一酸化炭素:体を酸素不足にして、歯ぐきの抵抗力を奪う
・タール(ヤニ):歯の表面にこびりつき、
歯周病菌がつきやすい環境をつくる

 

 

 

こうした影響が重なることで、
歯ぐきが本来持つ「細菌と戦う力」
「傷を治す力」が徐々に奪われていきます。

 

その結果、タバコを吸う人は
吸わない人に比べて
歯周病のリスクが約5.4 倍に上昇するほか、
治療の効果も半分程度まで
落ちることがわかっています。

 

さらに問題なのは、血流の悪化によって
歯ぐきの腫れや出血といった
歯周病特有のサインが出にくくなる点です。

 

そのため、喫煙者は自覚がないまま
歯周病が重症化してしまい、
やがて歯がぐらついたり、
抜けてしまったりするおそれがあります。

 

 

 

 

◆”禁煙”が無理でも諦めない!
 今からはじめる歯周病ケア

 

歯周病だけでなく、全身の健康のためにも
「禁煙」がベストの選択です。

 

とはいえ、
「わかっているけど、今すぐの禁煙は難しい」
という方も多いでしょう。

 

大切なのは、すぐに禁煙ができなくとも、
タバコのリスクを理解したうえで
今できる歯周病ケアを欠かさないことです。

 

 

 

 

ご家庭での丁寧なセルフケアと、
歯科医院での定期的なケアを継続しながら、
タバコの影響を少しずつ減らしていきましょう。

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
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