タニダ歯科医院について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

「安全に美味しく②〜食形態について〜」

こんにちは。歯科医師の村重です。

今回は、前回に引き続いて

食形態についての内容となります。

前回は常食からきざみ食と言われる

形態までについてご紹介させて

もらいました。

きざみ食と言われる形態の先には

所謂ミキサー食、ペースト食と言われる

形態があります。

これは摂食・嚥下リハビリテーション学会の

2-1、2-2にあたり、次のような特徴があります。

 

(栄養指導Naviより)

[2-1]
形態:
均質でなめらかで、

べたつかず、まとまりやすいもの
スプーンですくって食べることが

可能なもの

特色:
口腔内の簡単な操作で食塊状となるもの

(咽頭では残留、誤嚥を

しにくいように配慮したもの)

主食の例:
粒がなく、付着性の低い

ペースト状のおもゆや粥

必要な咀嚼能力:
下顎と舌の運動による

食塊形成能力および食塊保持能力

[2-2]
形態:
べたつかず、まとまりやすいもので

不均質なものも含む

スプーンですくって

食べることが可能なもの

特色:
口腔内の簡単な操作で食塊状となるもの

(咽頭では残留、誤嚥を

しにくいように配慮したもの)

主食の例:
やや不均質(粒がある)でもやわらかく、

離水もなく付着性も低い粥類

必要な咀嚼能力:
下顎と舌の運動による

食塊形成能力および食塊保持能力

続いてゼリー食、ムース食、

とろみ水と言われるものです。
これは、学会分類で0j、0t、1jにあたり

以下のような特徴があります。

[0j]
形態:
均質で、付着性・凝集性・

かたさに配慮したゼリー
離水が少なく、スライス状に

すくうことが可能なもの

特色:
重度の症例に対する評価・訓練用
少量をすくってそのまま丸呑み可能
残留した場合にも吸引が容易
たんぱく質含有量が少ない
主食の例:

必要な咀嚼能力:
若干の送り込み能力

[0t]
形態:
均質で、付着性・凝集性・

かたさに配慮したとろみ水

(原則的には、中間のとろみあるいは

濃いとろみのどちらかが適している)

特色:
重度の症例に対する評価・訓練用
少量ずつ飲むことを想定
ゼリー丸呑みで誤嚥したり

ゼリーが口中で溶けてしまう場合に適応
たんぱく質含有量が少ない
主食の例

必要な咀嚼能力
若干の送り込み能力

[1j]
形態:
均質で、付着性・凝集性・かたさ・

離水に配慮したゼリー・プリン・

ムース状のもの

特色:
口腔外で既に適切な食塊状となっている

(少量をすくってそのまま丸呑み可能)
送り込む際に多少意識して

口蓋に舌を押しつける必要がある
0j に比し表面のざらつきあり

主食の例おもゆゼリー、

ミキサー粥のゼリーなど

必要な咀嚼能力
若干の食塊保持と送り込み能力

摂食嚥下障害のある人にとって、

その病態や程度に応じた食形態による食事を

提供することが、可能な限り安全に口から

栄養摂取をすることにつながります。
次回は、水分に付与する

トロミについてご紹介したいと思います。

訪問歯科診療での医科との連携について

こんにちは。歯科医師の西田です。

あっという間に1月が過ぎ、

2月になってしまいました。

節分、バレンタインデーと

イベントが続きますね。

春の訪れが待ち遠しいです。

さて、今日は、医科の先生との

やり取りについてお話して

いこうと思います。

訪問先の患者さまは、

ご病気持ちの方が非常に多いため、

私たちは日常的に患者さまの

医科の主治医の先生方(主に内科)と

やり取りしています。

ご高齢の患者さまは、持病も様々で、

服用されているお薬も多種多様です。

日々の歯科診療で、

入れ歯の作成に支障をきたす歯、

しつこい痛みや腫れの原因に

なっている歯などに遭遇した場合、

内科主治医の先生に

皆さまの体調をお聞きして、

治療計画を練るのが一番です。

内科の先生に対診が必要となる

場合は、以下のとおりです。

・抜歯などの外科治療を

行う可能性がある場合

・内視鏡を用いた嚥下診療に

すすむ可能性のある場合

・その他歯科医師が

必要と考えた場合。

 

歯科で行う可能性のある

治療内容をお知らせした上で、

お聞きする内容は、

・患者さまの現在の健康状態

・最新の血液検査結果

・処方されているお薬

・血液がサラサラになるお薬を

飲まれている場合は休薬が

必要かどうか

・その他、処置に際して

注意する点がないか

などなど。

(このような書面を使います↓)

内科の先生への対診が

必要と感じた場合、

まず、ご本人または

ご家族さまや施設さまに、

対診の了解を取ります。

患者さまの個人情報を

聞き出すため、必ず

この手順は踏みますので、

ご安心ください。

多くの場合、内科の先生とは

書面でのやり取りを行います。

急を要する時は、

書面に先行してFAXを送ったり、

電話でお問い合わせをすることも

あります。そうして、

内科の先生のご意見をお聞きして、

患者さま側に情報をお伝えし、

治療を進めていきます。

 

以前はあまり馴染みのなかった

医科歯科の連携、

前半のお話のように、

歯科治療に先だって

内科の先生にお伺いを立てる

的なものが多かったです。

しかし、近年では、

口腔ケアにより誤嚥性肺炎の

リスクが下がることが示されたり、

お口の中の菌と糖尿病や

虚血性疾患との関係が

取り沙汰されたり、

癌の手術前の歯科治療や

口腔ケアが 癌の手術の傷口の

感染や抗がん剤・放射線治療で

起こる口腔内のトラブルを予防し

症状を軽減する可能性が

示唆されたり、連携の重要性が

高まりつつあります。

今後は、一人の患者さまを

取り巻く医科と歯科の連携は、

もっと密に濃くなっていくのかも

しれません。

むし歯よサラバ!歯に良い食べもの

 

こんにちは。院長の谷田です。
2月といえば、受験シーズンの真っ只中。
受験を控えている学生さんや
保護者の皆さんにとっては、
まだまだ気の抜けない日々ですね。

 

試験は一発勝負。
本番で最大限の力を発揮するためにも、
健康管理はとても大切です。
規則正しい生活を心がけ、
ベストな状態で試験に臨みましょう!

 

 

さて、健康を維持する上では
栄養バランスの取れた食事が欠かせません。
そして、バランスの良い食事は身体だけでなく、
歯も丈夫にしてくれます。

 

そこで今回は、丈夫な歯を保つために
バランス良く取り入れていただきたい、
『歯に良い食べもの』をご紹介します。

 

 

 

 

◆歯を丈夫にする食べもの

 

「カルシウム」が骨を強くする
というのは有名な話ですが、
それは歯も同じ。

 

歯の表面は食事のたび
むし歯の原因菌によって
少しずつ溶かされています。

 

その際に、歯に含まれていたカルシウムも
溶け出してしまうのですが、
だ液などの働きによって、
溶けた歯は修復されます。

 

これを『再石灰化 (さいせっかいか)』といい、
カルシウムが不足してしまうと
再石灰化が上手くいかない
ため
歯が弱って、
むし歯にもなりやすくなってしまいます。

 

 

 

そんな、歯を丈夫にするカルシウムは、

・ひじき
・小魚
・昆布
・わかめ
・海苔
・牛乳
・チーズ

 

といった、魚介類海藻類、
乳製品
などに含まれています。

 

 

 

 

特に積極的にカルシウムを
摂取していただきたいのは妊娠中のお母さんです。

 

お腹の中の赤ちゃんは生まれる前から、
乳歯の芽と呼ばれる
「歯胚(しはい)」 を作りはじめています。

 

そして、中学生くらいのお子さん
生えはじめた永久歯を
丈夫にしていくため
に、
カルシウムは必要不可欠です。

 

 

ただし、
単純にカルシウムを多く摂取したからといって
歯が強くなるわけではありません。

 

というのも、
カルシウムは吸収率の低い栄養素で、
せっかく摂取しても、
そのほとんどは体内に取り込まれません。

 

しかし、
「ビタミンD」
一緒に摂れば話は別!

 

摂取したカルシウムの吸収を促進し、
骨まで運ぶ働きをもっています。

 

ちなみに、ビタミン Dを含む食品は
魚類やきのこ類で、
・カツオ
・きくらげ

などに含まれています。

 

 

 

さらに、
歯の表面を丈夫にするために
必要な栄養素がもうひとつ。

 

それが「ビタミンA」です。

 

ビタミンAは
・にんじん
・かぼちゃ
・レバー

などに多く含まれ、歯の表面を覆う
「エナメル質」という組織を強くしてくれます。

 

 

そして最後にご紹介するのが
「ビタミンC」

 

ビタミンCはエナメル質の下にある
「象牙質」という組織を強くします。
象牙質は歯のほとんどを構成する
いわば歯の主成分。

 

・パセリ
・ピーマン
・ほうれん草
・イチゴ
・みかん
・レモン

などに含まれているので、
これらもしっかりと摂るようにしてくださいね。

 

 

 

 

 

 

◆歯を掃除してくれる食べもの

 

「丈夫な歯をつくる」以外にも、
歯にとって良い食べものがあります。

 

それは、
繊維質を多く含む野菜や果物。

 

例えば、
・レタス
・セロリ
・ごぼう

といった食材ですが、
このような食べものは
飲み込むまでに何度も噛むことになり、
その際に
歯の表面や粘膜についた
汚れをこすり取ってくれます。

 

 

 

また、噛む回数が増えると
だ液もたくさん出ます。

 

だ液には
口の中の汚れや細菌を洗い流す作用もあり、
口腔内を清潔に保つには欠かせない存在です。

 

 

 

 

◆「食事」も「ケア」もバランスよく

 

「歯に良い食べもの」は今回ご紹介したように
たくさんありますが、
食事だけでは歯を守れません。

 

むし歯や歯周病の予防には
ご自宅での適切なケアと、
歯科医院での
定期検診が効果的
です。

 

いくら歯科医の治療や検診を受けても、
「ご自身で行うセルフケア」
を怠ってしまう
と、
歯は弱り、さまざまな疾患を
引き起こしてしまう
ことに。

 

食事もケアも好き嫌いせず、
「バランスよく」を心がけてくださいね!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

歯茎の変色は病気のサイン

訪問歯科の重要ポイント

こんにちは!

歯科医師の今泉です。

今回は訪問歯科について

ポイント10個に絞り

重要なことを説明します。

 

 

①口腔内の特徴と

口腔内の細菌について

 

口腔は、温度、湿度、栄養供給、

複雑な形態、環境など

あらゆる点において、

細菌が繁殖しやすい条件が

そろっていることから、

呼吸器感染症をはじめ

全身の疾患の発症と密接に

関連しています。

それゆえ口腔の細菌の

コントロールは極めて重要です。

 

②口腔ケアとは

 

口腔ケアは、

広義には口腔のもっている

あらゆる働き(摂食、咀嚼、嚥下、

構音、審美性・顔貌の回復、

唾液分泌機能等)を健全に維持する、

あるいは機能の障害がある時、

それをケアすることを指します。

一方、口腔衛生管理に主眼を置く

一連の口腔清掃と義歯の清掃を

狭義の口腔ケアとして

この言葉を使うときがあります。

 

③プロフェッショナル口腔ケア

 

プロフェッショナル口腔ケアとは、

歯科医師や歯科衛生士が行う

専門的口腔ケアです。

歯科専門職がケアを

必要とされる方の身体、

精神的状況や環境に配慮する形で

口腔のケアプランをたて、

実施する口腔ケアを指します。

 

④なぜ口腔ケアが重要か

 

口腔の細菌数は生活行動や

生理的作用によって1日の内でも

大きく変動します。

長期臥床の入院患者さんや

要介護者にとって口腔のケアが

おろそかになれば、歯垢に加え、

痰が舌と口蓋にこびり付き、

細菌数が最大に達します。

さらに義歯が衛生的に

管理されていなければ、

細菌の温床となってしまいます。

このように感染や

病気の原因となる細菌を

減少させることは、疾病の予防に

つながります。

また口腔内をきれいに清掃すると

食事がおいしくなったり、

さっぱりして生活の質が

高まります。

 

⑤口腔リハビリテーション

 

脳血管疾患などの影響で

口腔機能が低下してる場合や

日頃、口を使わないことによる

廃用性変化が起こっていることが

あります。このような場合、

口唇、頬、舌を積極的に刺激し、

口腔機能を高めたり、

飲み込みを改善したりします。

このことを

口腔リハビリテーションと言います。

 

⑥歯科治療と口腔のケア、

口腔リハビリの組み合わせ

 

歯科治療と口腔のケア、

口腔リハビリはより健康な

口腔を回復するために

非常に大切な組み合わせです。

またケアはご自分で行う

セルフケアと歯科衛生士による

専門的なケアがあります。

在宅医療においては

ご自身によるセルフケアが

難しいケースがほとんどです。

口腔リハビリでも

同じことが言えます。それゆえ、

口腔の専門家がかかわり、

どのような口腔のケアが必要か、

それぞれの分担をどうするかを

プランニングすることが重要です。

 

⑦高齢者の健康を脅かす

誤嚥性肺炎

 

肺炎は日本における

死因の第3位です。

肺炎の発症率は加齢とともに

増加し、肺炎で死亡する人の

大部分は65歳以上の高齢者であり、

年々増加傾向にあります。

また、

肺炎のために入院を余儀なくされ、

長期の安静臥床を続ける間に

廃用症候群が進行し、

様々な合併症を引き起こし、

結果的にさらに進行した

要介護状態となる危険性も

はらんでいます。すなわち、

肺炎は高齢者の罹病率や

死亡率を上昇させ、

医療費や介護費用を

増大させる大きな要因です。

肺炎を発症した高齢者の多くは、

食事のときにむせこんだり、

食べ物が喉につかえたり

するという症状がなくとも、

夜間睡眠中に唾液を

下気道や肺に不顕的誤嚥している

ことがわかっています。

肺炎になると、

栄養や免疫機能がさらに低下し、

繰り返す不顕性誤嚥のために

肺炎が反復、重症化し、

ついには死に至ることも

稀ではないのです。

 

⑧歯ブラシの選択はたいへん重要

 

長年にわたって

療養されている方の場合、

適切に口腔清掃が

なされていなかったり、

う蝕(むし歯)と歯肉炎が

広範囲に認められることが

少なくありません。

長い間ブラッシングを

行っていない場合、

歯肉がひじょうに脆弱(弱く)に

なっており、ブラシの選択を

間違えると大きなトラブルを

起こすことがあります。

この様な時は、

衛生的な軟毛のブラシが適切です。

さらに最初は力を入れ過ぎたり、

長い時間のブラッシングは

避けるべきです。

歯肉の炎症の改善具合を見ながら、

普通の硬さのブラシに

替えていくことが可能です。

また柄が太くなった

持ちやすい歯ブラシもおすすめです。

また歯ブラシの後、口をよく

すすぐことも大切です。

 

⑨口腔リハビリによって

口腔機能や嚥下機能の向上を図ります。

 

脳卒中等の後遺症、

また廃用(使わないことによる

機能の変化)によって、歯と口唇、

頬の動きの調和が崩れたり、

食べたものをうまく

飲み込めない方が、増えています。

このような場合、

口腔機能の向上や嚥下機能を

改善するような口腔の体操や

口腔リハビリが大変有効です。

歯科訪問診療の中でも、

症状によって口腔機能訓練や

摂食・嚥下訓練も受けることが

出来ます。

 

⑩在宅歯科医療について

歯科医師会が重点的に

取り組んでいること

 

医科歯科連携

医科の先生方と

相互に情報を交換し、

安全な医療を提供するための

連携が始まっています。

多職種連携

ケアマネージャー、看護師、言語聴覚士、

介護福祉士など、医療や介護の

専門家との連携も進んでおります。

(テーマパーク8020参照)