タニダ歯科医院について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

7月休診日情報

ウォーキングブリーチについて

こんにちは歯科医師の法貴です

急に暑くなり、中々体が暑さに慣れないとこで次は雨の日が続きとなんとも言えない日が続いていますが、

皆様体調管理にはお気をつけてください。

 

さて今回はウォーキングブリーチと呼ばれる歯を白くする治療についてです。

ウォーキングブリーチとは、歯の神経(歯髄)をすでに取り除いた歯、

つまり「失活歯(しっかつし)」が変色した場合に行う歯の内側からのホワイトニング治療です。

特に前歯など見た目が気になる場所に用いられ、自然な白さを取り戻すことができます。

 

治療の流れ

① 診査・診断

まず、変色の原因や歯の状態を確認します。過去の根管治療(神経の治療)が適切に行われているか、

歯に亀裂がないかなどをX線などで確認します。根管内に感染があれば、再治療が必要です。

② 歯の裏側に穴を開ける

歯の裏側(舌側)から小さな穴を開け、ホワイトニング薬剤を入れるスペースを作ります。

このとき、神経があった空間(歯髄腔)も清掃します。

 

③漂白薬の注入

保護層の上に過ホウ酸ナトリウム(Na₂BO₃・H₂O₂)と過酸化水素(H₂O₂)を混ぜた漂白剤を入れます。

これが変色の原因である内部の色素に作用して歯を白くします。

④一時的な封鎖

薬剤を入れた後、仮のふた(テンポラリーセメント ベースセメントなど)をして歯を封鎖します。

この状態で患者さんは日常生活を送ることができます。

 

 

⑤経過観察・薬剤交換
1週間~10日ほど経過を見て、必要に応じて薬剤を交換します。これを数回繰り返して、希望の白さに近づけます。通常2~4回程度で満足のいく効果が得られます。
⑥最終的な修復
歯が十分に白くなったら、漂白剤を除去し、内部をよく洗浄します。その後、コンポジットレジンなどで穴を永久的にふさぎ、治療は終了です。

注意点
神経が残っている歯(生活歯)には適応できません。
漂白効果は永久ではなく、時間とともに色が戻る場合もあります。

ウォーキングブリーチは、神経を失った歯の自然な白さを取り戻すための治療法で、見た目の改善に非常に効果的です。

歯の状態や変色の程度によって回数や効果は異なるため、専門的な診断と適切なフォローアップが欠かせません。

歯の変色が気になる方は、一度相談してみてください。

 

「食べる」ために必要なもの

こんにちは。
訪問診療担当の岩本です。
訪問診療の現場で「食が進まないので、もっと食べられるように入れ歯を作ってください」と依頼されることがあります。
「食べないのは歯が無いから」
「入れ歯を作れば昔のように何でも食べられる」
とお考えなのだと思います。
ですが、「食べる」ことはなかなか複雑な運動で、歯さえあれば、という話でも無いのです。
今回はその事についてお伝えしたいと思います。
「食べる」動作は複数の運動から成り立っています。
順に挙げていきます。
1.  食べ物を認識し、口を開ける力
まずはここからです。口もとにスプーンを近づけても固く唇を閉ざしたまま、というのは「食べたくない」の意思表示に見えますが、実は「食べ物と認識できていない」可能性もあります。
2.  噛む力(咀嚼力)
歯があっても、あごの筋肉(咀嚼筋)が弱っていると、しっかり噛むことができません。
特に高齢者は筋力が落ちやすく、噛む力も衰えます。
3.  唾液を分泌し、食べ物をまとめる力
噛み砕いたものはそのままでは飲み込めません。唾液と混ぜ合わせ、舌や頬の筋肉でひとかたまりにまとめる力が必要です。
高齢になると唾液が減り、この作業が難しくなります。
また、舌がうまく動かせないと、咀嚼はしているのに口の中で食べ物はバラバラなまま、いつまでも飲み込めなくなります。
4.  飲み込む力(嚥下機能)
食べ物を「口に入れて」「噛んで」「まとめた」後は、舌やのどの筋肉でうまく飲み下す必要があります。
この機能が低下すると、飲み込むまでに時間がかかったり、食べ物が気管に入る「誤嚥(ごえん)」を起こすことがあります。
5.  口の中の感覚、認識力
舌や口の感覚が鈍くなったり、認識力の衰えがあると、食感が分かりにくくなり、大きい塊など、飲み込める状態にないものを無理に飲み込んで誤嚥してしまうことがあります。
また、口の中で義歯が外れてもそれを認識できない場合は、義歯を飲み込んでしまうこともあります。
このように「噛む・感じる・唾液で湿らせる・飲み込む」といった全体の機能が協力してはじめて安全に食べられるのです。
入れ歯を入れたほうが食べられるようになるかどうかは個人差がありますので、個々に検討し、治療方針を決めていくことになります。

「こびとが住まう黒板」をキッズルームに設置しました!

こんにちは。院長の谷田です。
早いもので、1年の半分が経ちましたね。
この半年間、多くの方々にご来院いただき、その分たくさんの笑顔に触れることができました。
本当にありがとうございます。

 

1年の後半も皆さまの歯の健康を守るため、 スタッフ一同、精いっぱい努めてまいります。

 

 

さて、この度タニダ歯科医院では、キッズルームに「こびとが住まう黒板」を設置しました!

 

 

アート集団チームラボによる作品で、黒板の中のこびとをタッチしたり、シャボン玉をタッチしたりすると、黒板の中の世界が変化して、こびとたちがすべったりジャンプしたり大喜びします!

 

他にも自由に線を描いて、こびとの道をつくってあげたり、行く手を阻んでみたり・・・
遊び方は人それぞれ!

 

小さいお子さんでも楽しく遊べますし、もちろん大人の方も一緒に遊んでいただけます。

 

ぜひ待ち時間に自由に触ってみてくださいね。

 

 

「こびとが住まう黒板」については、こちらのサイトもご覧ください。
https://nomoca.net/teamlab/blackboard/tanidashika.html

 

 

当院で過ごす時間が皆さまにとって有意義なものとなれば幸いです。

これからも皆さんが来院したくなるような環境づくりを目指し、工夫をしてまいります。

 

 

 

 

【医院からのお知らせ】
昼休み無しの1日通しで診療しています。

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

侮ってはいけない病気・帯状疱疹

こんにちは、歯科医師の上原です。

梅雨明けが待ち遠しい時期ですね。

日によっては肌寒い日もありますので体調管理にはくれぐれもお気をつけください。

 

さて今回は帯状疱疹についてお話ししたいと思います。

帯状疱疹は水痘(水ぼうそう)と同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる病気です。

初期症状は、体の片側の皮膚領域に痛みやピリピリ感・かゆみが生じます。

続けて、この皮膚領域に、帯状に周囲が赤くなった小さな水疱がかたまって発生します。

一般的に、水疱ができるのは、感染した神経線維が支配する皮膚領域に限られ、

ほとんどの場合、体幹の左右どちらかの側にだけできます。

患部は通常、軽く触れるなど、どんな刺激にも敏感に反応し、激しく痛むことがあります。

帯状疱疹が眼につながる神経に及んだ場合、眼に感染が起こる可能性があり、

耳につながる神経が侵されるとラムゼイ-ハント症候群と呼ばれる外耳道の水疱や痛み、

顔面の部分麻痺、難聴、耳鳴り、めまいを引き起こします。

また、帯状疱疹を発症した人のおよそ10%で帯状疱疹後神経痛が発生し、

これは高齢者に多く見られます。帯状疱疹の発疹が治った後も痛みが続きます。

まれではありますが、帯状疱疹の症状がお口の中に出現することもあります。

口腔領域での帯状疱疹は、三叉神経が走行している領域(三叉神経第Ⅱ枝・第Ⅲ枝)に罹患した時に出現します。

片側の口腔粘膜に水疱や口内炎が複数出現したり、複数の歯や顎に虫歯のような痛みを感じます。

また高齢者や基礎疾患をお持ちの方で重度の歯周病をお持ちの方が帯状疱疹に罹患し、

重篤化した場合に歯が自然に抜け落ちたり、顎の骨が壊死したという報告もあります。

帯状疱疹の治療には、飲み薬の抗ウイルス薬が使われます。

重度の状態の方には、抗ウイルス薬の静脈内投与、点滴での投与が推奨されます。

併せて痛みの緩和のために鎮痛薬が必要になることがあります。

帯状疱疹・水痘ウイルスは、体の細胞の中で不活性(休眠、潜伏)状態でとどまるため、感染は生涯続きます。

一度罹ったからもうならない訳ではなく、ときとしてウイルスが再活性化して、病気の症状が現れます。

最近は50歳以上の方の帯状疱疹の罹患が増えています。

2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。

また自治体によっては50歳以上の方を対象に費用を助成する自治体もあります。

(任意接種。お住いの地域により異なりますので、お住いの自治体のHPなどでご確認ください)

帯状疱疹に限らず、病気を重篤化させないためには、早期発見、早期治療が最も大事です。

口腔内に限らず、体の調子がいつもと違うと感じた時は早めに医療施設にかかるようにしてください。