タニダ歯科医院について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

要注意!そのお口トラブル、原因はウイルス感染かも!?

こんにちは。院長の谷田です。
5月5日はこどもの日ですね。

 

この時期に飾る五月人形には、
病気などの災いから守ってくれるように、
といった願いも込められています。

 

しかし、幼いうちは病気にかかりやすく、
特に目に見えないウイルスによる感染症
十分な注意が必要です。

 

中でもお口の中に違和感や痛みを覚えた場合、
その原因はウイルスの感染であることが
多くあります。

 

とりわけ幼児期にかかりやすいものも多く、
感染すると、慣れない症状に
戸惑うことも考えられます。

 

そうならないためにも、
今回は代表的な症状と、治療法をご紹介します。

 

 

 

 

◆ヘルペス性口内炎

 

単純ヘルペスウイルス
初めて感染したときに発症する病気です。

 

6歳以下の子どもに多く、
感染してから4~5日で発症し、
発熱や全身のだるさがあらわれます。

 

お口の中の症状では
「口内炎が複数できる」「歯ぐきが赤く腫れる」
「粘膜や舌に水ぶくれができて痛い」
などが代表的です。

 

 

 

治療は安静が基本で、
抗ウイルス薬の飲み薬や
塗り薬が処方されます。

 

ただ、痛みで食事が取れないほど重症な場合は、
入院のうえ、点滴などで栄養を補いつつ、
治療が必要になることもあります。

 

 

 

 

◆帯状疱疹(たいじょうほうしん)

 

子どもの頃にかかった
「水ぼうそう」のウイルスが、
体調不良や免疫力の低下をきっかけに
再び活動し始めることで起こる病気です。

 

体の左右のどちらかに
痛みやかゆみをともなう
発疹があらわれるほか、
チクチクと針で刺されたような
痛みが生じることがあります。

 

お口の中では、
左右どちらかに赤みや水ぶくれが
帯状にあらわれるのが特徴です。

 

治療には抗ウイルス薬や
痛み止めのほか、
口内を清潔に保つために
うがい薬やトローチなどを用いることもあります。

 

 

 

 

◆ヘルパンギーナ

 

コクサッキーウイルスA群による感染症で、
1~4歳の子どもに多く、
夏に流行しやすいのが特徴です。

 

症状としては発熱のほか、
喉の奥に赤みや水ぶくれができ、
つぶれると小さな潰瘍になります。

 

喉の痛みが強くなると、
食事や哺乳が難しくなることも
少なくありません。

 

ただし、1週間程度で自然に治ることが多いため、
基本は水分や栄養の補給を欠かさず、
必要に応じて痛み止めなどを使用します。

 

 

 

 

 

◆手足口病

 

コクサッキーウイルス
エンテロウイルスによる感染症で、
1~5歳の子どもに多くみられます。

 

感染から数日後に、手足や口に
小さな水ぶくれができるのが特徴です。

 

また、発熱を伴うこともありますが、
長期的に高熱が続くことは
通常はありません。

 

ヘルパンギーナと同様に、
お口の中やその周りに水ぶくれができると、
痛みで食事や哺乳が難しくなることもありますが、
多くの場合は自然に治ります。

 

また、症状が強い場合は、
痛みや発熱をやわらげる治療を行います。

 

 

 

 

◆気になる症状は
早めに歯科医院でチェックを

 

お口の中に症状がでるウイルス疾患は、
初期の段階で口内炎やむし歯の痛みと
区別がつきにくいことも少なくありません。

 

そのため、対処を間違えると
かえって重症化するおそれもあります。

 

 

 

 

お口に関する症状で判断に迷うことがあれば、
まずはお早めに当院へご相談ください。

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

摂食・嚥下について②〜お口から健康を保つために〜

こんにちは。歯科医師の村重です。
前回のブログでは皆さんが普段聞きなれない「摂食・嚥下」という概念について紹介させていただきました。

今回はその続きとして、原因やそれにより引き起こされる誤嚥といった内容を掘り下げていこうと思います。

さて、摂食・嚥下に障害が起こることで安全に口から食事を行うことが困難になり、

前回紹介したような症状がサインとしてあらわれてきますが、それらはどういった要因で起こるのでしょうか。
食べ物が口腔内から咽頭、食道、胃へと運ばれるまでには多くの器官が関わっていますが、

摂食・嚥下障害はこれらの器官が何らかの理由で上手く働かないことが原因で起こります。
それらを大きく分けると以下の2つに分類できます。
●器質的原因
嚥下に関わる口腔内から胃までの気管に食べ物の通過を妨げる構造上の問題があり、

うまく嚥下ができなくなるケースです。中でも多いのは、口内炎や喉頭がんによる腫瘍、

炎症などです。唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)などの先天的な奇形が原因となることもあります。

●機能的原因
器官の構造そのものには問題がなく、それらを動かす筋肉や神経に問題があって嚥下機能が衰えるケースです。
運動麻痺や認知機能障害を引き起こす「脳血管疾患(=脳卒中)」、

または「パーキンソン病」に代表される神経と筋肉の伝達異常が生じる「神経筋疾患」が原因の可能性があります。

以上の2つに加えて高齢者においては、加齢に伴い、摂食・嚥下面の様々な機能低下を生じてきます。

例えば、歯の数が減少すると食塊形成には不利となります。嚥下反射(飲み込みの反射)はゆっくり始まるようになります。

咳の反射が低下して、あまりむせなくなります。小さな脳梗塞は加齢とともに増加し、嚥下機能に影響を及ぼします。

また、薬剤の影響としては、抗コリン薬や抗ヒスタミン薬の服用により、

唾液分泌は抑制されます。抗てんかん薬や抗精神薬は嚥下反射を抑制します。

 

 

 

このように様々な原因によって摂食・嚥下に障害があらわれた際に、一番の問題となるのは「誤嚥」です。
誤嚥とは食道に送り込まれるべき食塊や水分が何らかの原因で声門を越えて気管や肺に入ってしまった状態を意味します。

誤嚥をした場合、通常は激しくむせて誤嚥物を喀出しようとする防御機構が働きます。これを顕性誤嚥といいます。

しかし、気管の感覚低下などにより、誤嚥してもむせや咳嗽などの反応がない場合もあります。

これを、不顕性誤嚥といいます。不顕性誤嚥では外見上、誤嚥しているか否かが判断できないため、

誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。
現在、誤嚥性肺炎は大変問題になっており、

最新の統計では日本人の死因第7位となっています(2017年の統計より肺炎から独立)。

では、次回は摂食・嚥下障害に対する診査、診断方法についてお伝えしようと思います。

5月休診日情報

ご存知ですか?メタボリックドミノとは

その薬、抜歯の前に止めなくて大丈夫?

こんにちは。歯科医師の西田です。ゴールデンウィークが目前ですね。皆さまは長期休暇のご予定は立てられましたか?

さて、今日のお題は、「その薬、抜歯の前に止めなくて大丈夫?」です。以前は、抜歯の前に内科の先生に相談して、止めて頂くお薬がありました。しかし、この頃ではお薬を止めることによる弊害を防ぐために、止めずに抜歯をすることもあります。今日は、そのようなお薬、血液サラサラ薬についてのお話です。
血液サラサラ薬は抗血栓薬〈こうけっせんやく〉のことで、血をサラサラにしたり、血小板が働きにくくなるために血が固まりにくくする薬です。
血液サラサラ薬は、脳梗塞・心筋梗塞・不整脈・心臓手術後などの患者さんが予防や治療のために飲んでいます。大きく分けて、抗血小板薬と抗凝固薬(ワルファリン、または直接経口抗凝固薬DOAC:Direct Oral Anticoagulant)に分類されており、病気により使い分けられています。
抗血小板薬の商品名:
バイアスピリン®︎、バファリン81®︎、パナルジン®︎、チクロピジン®︎、プラビックス®︎、プレタール®︎、ペルサンチン®︎、アンギナール®︎、アンプラーグ®︎、エパデール®︎、ロトリガ®︎、ロコルナール®︎、ドルナー®︎、プロサイリン®︎、オパルモン®︎、プロレナール®︎、エフィエント®、ブリリンタ®
抗凝固薬の商品名:
ワルファリン®、プラザキサ®、イグザレルト®、エリキュース®、リクシアナ®
昔(1990年代まで)は、血液サラサラ薬を中止して抜歯するのが一般的でした。しかし、薬を中止した際に、脳梗塞や心筋梗塞を発症するリスクが高いことがわかりました。
そのため、現在は基本的に、血液サラサラ薬を中止して抜歯(口腔外科処置)することはありません。最新のガイドライン(抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2020年版)にも、その内容が記載されています。
抗凝固薬のワルファリンという薬を飲んでいる方は、抜歯の直前に採血して、血のサラサラ具合を確認(PT-INR)する必要があります。最新のガイドラインでは、各疾患のPT-INR至適治療域の記載があります【非弁膜症性心房細動:1.6-2.6(70歳未満)、2.0-3.0(70歳以上、人工弁:2.0-3.0、静脈血栓・塞栓症:1.5-2.5】。
しかし、その他の血液サラサラ薬にはそのようなサラサラ具合を確認する指標がないため、歯科医師の判断となります。不明な点は担当の歯科医師にご確認ください。
かかりつけ歯科医院での抜歯が難しい場合(手術の設備、基礎疾患の管理、他の内服薬との飲み合わせ等)は、総合病院や大学病院の口腔外科で抜歯を行うことになります。
以下、血液サラサラ薬を飲まれている患者さまへのお願いです。
・歯科受診時に、飲んでいる血液サラサラ薬の名前を全て伝えましょう。
血液サラサラ薬を2種類以上飲んでいる場合はさらに注意が必要になります。また薬(DOAC)によっては、抜歯する時間帯を調整する必要があります。
・かかりつけ医科の病院名と先生の名前を伝えましょう。
・その他にも飲んでいる薬や治療している病気があれば全て伝えましょう。糖尿病や肝機能、腎機能障害などがある場合はさらに注意が必要になります。
・患者さんご自身の判断による薬の中止は危険のため、絶対にしないでください。
医療技術の進歩、新薬の登場と共に、医科と歯科の連携も進んできています。私たちは、皆さまの治療にあたって、医科の先生方とも連絡を取り合っています。今後も安心して治療を受けて頂きたいと思います。