2022/02/01
こんにちは。院長の谷田です。
2月といえば、受験シーズンの真っ只中。
受験を控えている学生さんや
保護者の皆さんにとっては、
まだまだ気の抜けない日々ですね。
試験は一発勝負。
本番で最大限の力を発揮するためにも、
健康管理はとても大切です。
規則正しい生活を心がけ、
ベストな状態で試験に臨みましょう!
さて、健康を維持する上では
栄養バランスの取れた食事が欠かせません。
そして、バランスの良い食事は身体だけでなく、
歯も丈夫にしてくれます。
そこで今回は、丈夫な歯を保つために
バランス良く取り入れていただきたい、
『歯に良い食べもの』をご紹介します。
◆歯を丈夫にする食べもの
「カルシウム」が骨を強くする
というのは有名な話ですが、
それは歯も同じ。
歯の表面は食事のたびに
むし歯の原因菌によって
少しずつ溶かされています。
その際に、歯に含まれていたカルシウムも
溶け出してしまうのですが、
だ液などの働きによって、
溶けた歯は修復されます。
これを『再石灰化 (さいせっかいか)』といい、
カルシウムが不足してしまうと
再石灰化が上手くいかないため
歯が弱って、
むし歯にもなりやすくなってしまいます。
そんな、歯を丈夫にするカルシウムは、
・ひじき
・小魚
・昆布
・わかめ
・海苔
・牛乳
・チーズ
といった、魚介類や海藻類、
乳製品などに含まれています。
特に積極的にカルシウムを
摂取していただきたいのは妊娠中のお母さんです。
お腹の中の赤ちゃんは生まれる前から、
乳歯の芽と呼ばれる
「歯胚(しはい)」 を作りはじめています。
そして、中学生くらいのお子さんも
生えはじめた永久歯を
丈夫にしていくために、
カルシウムは必要不可欠です。
ただし、
単純にカルシウムを多く摂取したからといって
歯が強くなるわけではありません。
というのも、
カルシウムは吸収率の低い栄養素で、
せっかく摂取しても、
そのほとんどは体内に取り込まれません。
しかし、
「ビタミンD」を
一緒に摂れば話は別!
摂取したカルシウムの吸収を促進し、
骨まで運ぶ働きをもっています。
ちなみに、ビタミン Dを含む食品は
魚類やきのこ類で、
・カツオ
・きくらげ
などに含まれています。
さらに、
歯の表面を丈夫にするために
必要な栄養素がもうひとつ。
それが「ビタミンA」です。
ビタミンAは
・にんじん
・かぼちゃ
・レバー
などに多く含まれ、歯の表面を覆う
「エナメル質」という組織を強くしてくれます。
そして最後にご紹介するのが
「ビタミンC」
ビタミンCはエナメル質の下にある
「象牙質」という組織を強くします。
象牙質は歯のほとんどを構成する
いわば歯の主成分。
・パセリ
・ピーマン
・ほうれん草
・イチゴ
・みかん
・レモン
などに含まれているので、
これらもしっかりと摂るようにしてくださいね。
◆歯を掃除してくれる食べもの
「丈夫な歯をつくる」以外にも、
歯にとって良い食べものがあります。
それは、
繊維質を多く含む野菜や果物。
例えば、
・レタス
・セロリ
・ごぼう
といった食材ですが、
このような食べものは
飲み込むまでに何度も噛むことになり、
その際に
歯の表面や粘膜についた
汚れをこすり取ってくれます。
また、噛む回数が増えると
だ液もたくさん出ます。
だ液には
口の中の汚れや細菌を洗い流す作用もあり、
口腔内を清潔に保つには欠かせない存在です。
◆「食事」も「ケア」もバランスよく
「歯に良い食べもの」は今回ご紹介したように
たくさんありますが、
食事だけでは歯を守れません。
むし歯や歯周病の予防には
ご自宅での適切なケアと、
歯科医院での
定期検診が効果的です。
いくら歯科医の治療や検診を受けても、
「ご自身で行うセルフケア」
を怠ってしまうと、
歯は弱り、さまざまな疾患を
引き起こしてしまうことに。
食事もケアも好き嫌いせず、
「バランスよく」を心がけてくださいね!
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2022/01/27
こんにちは!
歯科医師の今泉です。
今回は訪問歯科について
ポイント10個に絞り
重要なことを説明します。
①口腔内の特徴と
口腔内の細菌について
口腔は、温度、湿度、栄養供給、
複雑な形態、環境など
あらゆる点において、
細菌が繁殖しやすい条件が
そろっていることから、
呼吸器感染症をはじめ
全身の疾患の発症と密接に
関連しています。
それゆえ口腔の細菌の
コントロールは極めて重要です。
②口腔ケアとは
口腔ケアは、
広義には口腔のもっている
あらゆる働き(摂食、咀嚼、嚥下、
構音、審美性・顔貌の回復、
唾液分泌機能等)を健全に維持する、
あるいは機能の障害がある時、
それをケアすることを指します。
一方、口腔衛生管理に主眼を置く
一連の口腔清掃と義歯の清掃を
狭義の口腔ケアとして
この言葉を使うときがあります。
③プロフェッショナル口腔ケア
プロフェッショナル口腔ケアとは、
歯科医師や歯科衛生士が行う
専門的口腔ケアです。
歯科専門職がケアを
必要とされる方の身体、
精神的状況や環境に配慮する形で
口腔のケアプランをたて、
実施する口腔ケアを指します。
④なぜ口腔ケアが重要か
口腔の細菌数は生活行動や
生理的作用によって1日の内でも
大きく変動します。
長期臥床の入院患者さんや
要介護者にとって口腔のケアが
おろそかになれば、歯垢に加え、
痰が舌と口蓋にこびり付き、
細菌数が最大に達します。
さらに義歯が衛生的に
管理されていなければ、
細菌の温床となってしまいます。
このように感染や
病気の原因となる細菌を
減少させることは、疾病の予防に
つながります。
また口腔内をきれいに清掃すると
食事がおいしくなったり、
さっぱりして生活の質が
高まります。
⑤口腔リハビリテーション
脳血管疾患などの影響で
口腔機能が低下してる場合や
日頃、口を使わないことによる
廃用性変化が起こっていることが
あります。このような場合、
口唇、頬、舌を積極的に刺激し、
口腔機能を高めたり、
飲み込みを改善したりします。
このことを
口腔リハビリテーションと言います。
⑥歯科治療と口腔のケア、
口腔リハビリの組み合わせ
歯科治療と口腔のケア、
口腔リハビリはより健康な
口腔を回復するために
非常に大切な組み合わせです。
またケアはご自分で行う
セルフケアと歯科衛生士による
専門的なケアがあります。
在宅医療においては
ご自身によるセルフケアが
難しいケースがほとんどです。
口腔リハビリでも
同じことが言えます。それゆえ、
口腔の専門家がかかわり、
どのような口腔のケアが必要か、
それぞれの分担をどうするかを
プランニングすることが重要です。
⑦高齢者の健康を脅かす
誤嚥性肺炎
肺炎は日本における
死因の第3位です。
肺炎の発症率は加齢とともに
増加し、肺炎で死亡する人の
大部分は65歳以上の高齢者であり、
年々増加傾向にあります。
また、
肺炎のために入院を余儀なくされ、
長期の安静臥床を続ける間に
廃用症候群が進行し、
様々な合併症を引き起こし、
結果的にさらに進行した
要介護状態となる危険性も
はらんでいます。すなわち、
肺炎は高齢者の罹病率や
死亡率を上昇させ、
医療費や介護費用を
増大させる大きな要因です。
肺炎を発症した高齢者の多くは、
食事のときにむせこんだり、
食べ物が喉につかえたり
するという症状がなくとも、
夜間睡眠中に唾液を
下気道や肺に不顕的誤嚥している
ことがわかっています。
肺炎になると、
栄養や免疫機能がさらに低下し、
繰り返す不顕性誤嚥のために
肺炎が反復、重症化し、
ついには死に至ることも
稀ではないのです。
⑧歯ブラシの選択はたいへん重要
長年にわたって
療養されている方の場合、
適切に口腔清掃が
なされていなかったり、
う蝕(むし歯)と歯肉炎が
広範囲に認められることが
少なくありません。
長い間ブラッシングを
行っていない場合、
歯肉がひじょうに脆弱(弱く)に
なっており、ブラシの選択を
間違えると大きなトラブルを
起こすことがあります。
この様な時は、
衛生的な軟毛のブラシが適切です。
さらに最初は力を入れ過ぎたり、
長い時間のブラッシングは
避けるべきです。
歯肉の炎症の改善具合を見ながら、
普通の硬さのブラシに
替えていくことが可能です。
また柄が太くなった
持ちやすい歯ブラシもおすすめです。
また歯ブラシの後、口をよく
すすぐことも大切です。
⑨口腔リハビリによって
口腔機能や嚥下機能の向上を図ります。
脳卒中等の後遺症、
また廃用(使わないことによる
機能の変化)によって、歯と口唇、
頬の動きの調和が崩れたり、
食べたものをうまく
飲み込めない方が、増えています。
このような場合、
口腔機能の向上や嚥下機能を
改善するような口腔の体操や
口腔リハビリが大変有効です。
歯科訪問診療の中でも、
症状によって口腔機能訓練や
摂食・嚥下訓練も受けることが
出来ます。
⑩在宅歯科医療について
歯科医師会が重点的に
取り組んでいること
医科歯科連携
医科の先生方と
相互に情報を交換し、
安全な医療を提供するための
連携が始まっています。
多職種連携
ケアマネージャー、看護師、言語聴覚士、
介護福祉士など、医療や介護の
専門家との連携も進んでおります。
(テーマパーク8020参照)
2022/01/20
こんにちは。院長の谷田です。
オミクロン株の急拡大が心配ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
早いもので鏡開きも過ぎましたね。寒中お見舞い申し上げます。
本年もスタッフ一同心をこめて、皆さまのお役に立てるよう
一層の努力をしてご厚情にお応えしてまいります。
さて今回は前回のインプラント治療の続きとして
「インプラントの上部構造のメインテナンス」
についてお話しさせていただきます。
インプラントは装着して終わりではありません。
装着後の定期的なメインテナンスが非常に重要です。
天然の歯と同様、お手入れを怠れば歯周病により早く
不具合が出てしまう場合があります。
しっかりメインテナンスをしていれば、より長く使用できます。
当院のインプラントは普通に10年20年と持ちますが、
上部構造は消耗する場合もあるので修復が必要な時もあります。
ですがインプラントの上部構造は取り外し可能なので
壊れたり欠けたりしても修復することは出来ます。
写真はインプラントオーバーデンチャーのケースです。
インプラントオーバーデンチャーとは、総入れ歯をインプラントで
固定して使用する治療法です。
装着後15年以上経過していますが、一度外して清掃をしました。
当院ではメインテナンスを含め、自分の歯と変わりない
噛み心地を実現するインプラント治療に力を注いでいます。
いつでもお気軽にご相談ください。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2022/01/20
こんにちは。歯科医師の法貴拓也です。
オミクロン株が猛威を奮っているので
今まで以上に感染に気をつけながら過ごしてください。
さて今回は、妊娠時に発症しやすい歯科疾患についてお話ししたいと思います。
まずは虫歯です。妊娠中に虫歯の発症と進行が促進される原因として、
妊婦の内分泌機能の変化による唾液の酸性化、粘性化、分泌量減少、
ビタミン新陳代謝障害、食事や間食回数の増加、
つわりで口腔清掃が不良になったことによるプラーク停滞や
口腔内細菌の増加による口腔環境の悪化が考えられます。
歯肉炎と妊娠性エプーリスは、妊娠8〜32週の間に多くみられ、
歯肉の炎症が強くなる発赤と浮腫があり、出血しやすくなります。
原因として、プロゲステロンなどの女性ホルモンが血中に増加することで、
P.intermediaの発現が促進され、炎症が起こることがあると考えられています。
しかし、妊娠中の歯肉炎の多くは妊娠する前にすでに存在しており、
妊娠によって口腔内の変化が起こり、憎悪したものです。
プラークコントロールを良好にすることで、
炎症を最小限に抑えることができ、
歯石が沈着している場合はその除去を行うことで改善しやすいと考えられます。
妊娠性歯肉炎に対して、歯間乳頭部および辺縁歯肉が球状あるいは
扁平状に増殖したものを妊娠性エプーリスです。
血管腫性の炎症清掃変化であり、出産後に自然消失する場合がほとんどですが、
日常生活に支障がある場合は外科的に切除を行うこともあります。
妊婦の口腔内は、妊娠中に分泌量が増加しているエストロゲンや
プロゲステロンなどの女性ホルモンの影響を受けてるとともに、
妊娠中の食生活や嗜好の変化、ストレスの影響を受けやすくなります。
妊婦が重度の歯周病に罹患していると、
炎症性サイトカインが子宮収縮物質の産生を促進し、
胎盤の早期剥離から早産を起こしやすくなると言われています。
炎症の程度によっては、歯周病原性細菌がそのまま血流を介して胎盤へ移行し、
胎児の発育不全や低出生体重児出産などを引き起こす可能性があると言われています。
また、親知らずは清掃不良となりやすく、
妊婦では女性ホルモンの影響による歯肉腫脹によって
智歯周囲炎が起こりやすくなります。
通常では、抗菌薬の投与や抜歯で対処しますが、
妊娠中では投薬や外科処置に制限があるため、
安全性に十分配慮してしたうえで適切な消炎処置を図る必要があります。
気になる事があれば気軽になんでも相談してください。